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その八
「相変わらず、服を全部揃えるとなると、結構な量だね。」
「そうだね、ごめんね、いっぱい持たせて…」
「全然いいよ、これくらい。」
「ありがとう。」
家に着くと、お互いに両手いっぱいの荷物を降ろした。藍は食材を冷蔵庫に入れ始めた。俺は自分の冬物を整理し始めた。
「英治、今夜は鍋でいい?」
「うん、ちょうど寒くなって来たし、いいよ。」
「じゃあ作るね。」
「あ、今日は俺が作るから、先に買ってきた物整理したら?」
「んー、じゃあお言葉に甘えて…」
藍は食材を出しかけていた手を止めて、俺と入れ替わるように整理を始めた。俺は藍に使う物を聞きながら、料理を始めた。