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その四
「今日はいっぱい買いましたね」
「ほとんど藍さんのですけどね」
「英治さんと、ペアルックのやつだってありますよ?」
「そうでしたね」
俺は両手いっぱいに、藍は両手で一つの袋を持って、家に帰ってきた。
「英治さん」
「なんですか、藍さん?」
「どうですか?」
俺は買ってきた食材を冷蔵庫に入れる手を止めて、藍の方を見た。藍は、買ってきたピンクのパジャマを早速着ていた。
「気が早いですね」
「だって早く着たかったんですもん…」
「かわいいですね、藍さん」
俺はそうつぶやいた。藍は顔が真っ赤になり、俺の視界から外れた。
「英治さん…」
「なんですか、藍さん…」
俺は再び冷蔵庫に食材を入れ始めた。突然、背中に藍が抱きついてきたのがわかった。
「さん付け、しなくてもいいですよ?」
「うん、わかった、藍もいいよ?」
「ありがとう、英治…」
しばらく、そのままで時間が過ぎた…