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その十四
「あなた、遅刻するわよ?ほら、雅も起きなさい…」
あの不思議な再会から変わらない声が俺と雅也を叩き起こす。
「雅也、起きろ、お母さんに怒られたくなかったらな…」
俺は雅也の頭を少し乱暴に撫でると、起き上がった。
「お父さん、お母さん、おはよう…」
雅也は眠そうに布団から出てきた。
「ほら、二人とも早く食べて、行くわよ?大事な入学式、遅刻したら大変でしょ…」
「「はーい」」
俺と雅也は眠そうに支度を始めた。
「今日から小学生か、頑張れよ、雅也」
「うん、お父さん!」
「ほら、早くいきなさい、先生が呼んでるわよ!」
「はーい!」
雅也は元気に先生の元まで走っていった。
「今になって思い出したよ、あの時のこと…」
「全く…じゃあちゃんと言って、英治…」
「まぁ結果的に、だけど…」
英治は妻の手をとると、笑顔で言った。
「藍、俺が連れ出してあげる、幸せになれるように…」
「ばか…今より幸せになるなんて…」
藍は泣きながら、俺に抱きついた。
「約束する、絶対今より幸せにするよ、藍…」
俺は藍に誓うように、願いを込めて抱きしめながら、そう言った。




