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その十一
「簡単にまとめると、藍のお父さんの会社が、海外に支店を作るみたいで、そこに実際に藍のお父さんが行って働きたいらしく、今の家を売り払うから藍も住まないかって話らしい…」
「いつも急なんだから、お父さん…」
昼ご飯を食べ始めた藍に、電話の内容をざっと伝えた。
「でも、これからは家にちゃんと帰るって言ってたよ?寂しい想いはさせないって…」
藍は俺の話を聞きながら、少し寂しそうな顔をしていた。
「英治は、私に行ってほしい?」
「藍がそうしたいなら、仕方ないかなって。元々、藍は一人が嫌で家出してきたわけだし…」
「英治、昼ご飯食べたら出かけよう。」
「え?どこに?」
「秘密…」
藍は、あまり表情を変えずに、寂しそうなまま、俺にそういった。俺は疑問に感じながらも、藍に従うことにした。




