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第13話「ユイナVSオークキング」

読んでくれてありがとうございます^^ 

 アマトが巨大ロボットの注意を引きつけている頃。

 ユイナとライオット、町長の三人は青果店に逃げ込んでいた。

 逃げ込んだ先は無人の青果店だったのだが、匂いに誘わるように裏口の扉が突然開かれた。

 

 するとオークという珍客が一斉に果物を貪りだしたのだ。

 目の前の果実に夢中になるオークに気づかれぬようにしなければならないが、表はまだアマトとロボットが交戦中。

 徐々に町の中心部へ戦場を移しつつあるが、今飛び出せば攻撃の的になりかねない。


 三人は咄嗟に物陰に隠れつつ、様子を窺うがオークたちは一向に立ち去る様子はない。

 ユイナの空間把握能力でオークの数は4体いることがわかっている。

 裏口の外にも3体いるが、まだ店の中へ入ってくる様子はない。

 

「ユイナ様、このままではいずれ見つかります。俺が囮になりますので、町長を連れて逃げてください」


 ライオットが剣を握りなおすが、剣先が震えている。

 パーティメンバー以外の戦闘を見た感想として、先生を含む各上とそうでない者との差がありすぎる。

 死んでいったライオットの仲間たちも大した能力もなかった。


 囮になってもらったところであまり意味はない。

 むしろ、ただ邪魔だから切り捨てたようで後味が悪い。


「ライオットさん、お気持ちだけで大丈夫です。オークは今4体、外にも3体います。私一人ではとても相手にできると思えないので助けてもらえる方が助かります」


 勝手なことをされたら困ると思った。

 アマトは全員を逃がすために一人で一番危険な相手と戦っているというのに、軽はずみなことはやめてもらいたい。


「わかりました!! 言われた通りに動きますのでどうか、指示をお願いします」


 ライオットは真面目だが、その時の状況に流されやすい。

 大前提が生き残ることなのに囮になって生き残る気があるのだろうか。


「しっ! 静かにしてください。居場所がばれます」


「すみません……」


「私はどうすれば……」


「何かできますか!? 魔法とか剣技とか……」


「いえ……私は実務経験くらいしか……」


 町長はどういう人間なのかまるで分らないが、今現時点においてはお荷物以外の何物でもない。

 要は二人を守りながらこの場を脱しなければならない


「わかりました。私たちから絶対に離れないでくださいね」


「申し訳ない」


「人には向き不向きがありますし」


 私はこのまま二人を守らなければならない。 

 しかも、目の前にオークがいる以上戦闘は回避不可能。

 この場を離れれば、ロボットの戦闘に巻き込まれなくて済むがアマトとスペラ達とははぐれてしまう。


(どうすればいいの……。アマトは常にこんなに考えていたの? 自分の選択次第で周りの運命も自分の運命も大きく変わってしまうこのプレッシャーと戦っていたって事!?)


 私にはこの世界に来てから時間があったのにその時間を全く生かすことができなかった。

 アマトはこの世界に来てから3日なのにもうすべてを背負って戦っている。

 私はアマトと長い間一緒にいたように依存してしまっていたみたいだ。


 今は誰にも頼ることは出来ない。

 慎重にそして速やかに判断していかないと。

 ここで叡智回帰の能力アカシックレコーダー、魂の分離を行う。 


(アコちゃん、最適な退路を教えて)


〔このまま、5分待機。たぶん外のオークと入れ替わるから、退出するオークに合わせて外に出たら風の障壁を展開して逃走するのがベストかな。生きてさえいれば後で合流すればいいんだし、アマトならロボットも倒してくれると思う。スペラも守る対象が一人だし、どうにかなるよきっと〕


 アコちゃんと呼ばれた、ユイナと全く同じ声色でユイナの頭の中に語り掛ける存在。

 叡智回帰の能力で魂を一時的に切り離すが、身体からは出さず一時的な相談相手となる。

 切り離した魂はユイナの持つ知識と能力、そこに叡智回帰の本来の万智に高速演算が備わっている為客観的に状況を見つめなおすことができる。


 しかし、確定した未来を提示したわけではないので『たぶん』『きっと』など曖昧な表現が目立つ。


(風の障壁何て作ったことないんだけど……。どうやるの)


〔目の前に風の壁をイメージする感じ。詠唱とかなくても大丈夫。ただ魔力を放出するだけだから、深く考える必要はないよ〕


 全くあてにならないお気楽な台詞を自分と同じ声で言われるとなんだかイラッとするが気にしていても仕方がない。

 自分の潜在能力を知り尽くす存在がそういうのだからできるのだろう。

 そもそも二人いるようなものなので、詠唱も任せてしまえばいいのではないかと思ったがタイミングまで人に任せている余裕などないと諦める。


「そろそろ、外のオークと入れ替わるはずです。出て行ったら入られる前に一緒に外に出ますよ。向かう方向は扉を出て右側です。少しでもアマトに近づくように移動しますのでついて来てください」 

 

「「わかりました」」


 二人意を決っしたような表情を見せる。

 気合は十分のようだ。


「動き出したみたい! 3……2…1……行きます!!」


 私は全身に風を纏い最後に店を出たオークへ肩から思いっきり突っ込み弾き飛ばした。

 運よく2体のオークを巻き込んで盛大に路地裏のゴミの山へ突っ込んでくれた。 

 その隙に二人はオークに接触せずに走り抜けることに成功した。

 

(なんとか、最大の問題はクリアかな。後は風の壁で行く手を阻めば何とかなるはず)


 両手をオークの方へ翳すと通路を塞ぐように風の障壁を発生させる。

 オークは斧を振りかざし遅いくるが風に阻まれてこちら側へは向かってこれない。

 一匹のオークは勢いをつけて斧を投擲してきたが風の障壁に阻まれ跳ね返すようにオーク側の建物の中へと消えていった。


 これなら、大丈夫今のうちに早くここから離れないと。

 手を下したとたんに風の障壁は勢いを徐々に失っていくのが感じ取れた。


(ちょっと!! 意識を解いたらどんどん弱くなっていくんだけどそういう事なの!!)


〔設置型じゃないからね。あくまで風を発生させているだけの魔法というのは名ばかりの力技なのに、それ以上をもとめちゃいけないよね〕


(わかってはいるけど、私ってこんなに楽観的だっけ? アマトにもこんな風に……話してたかも)


「二人ともなるべく遠くにいて!! ここで迎え撃つことにしたから!!」


 ずっと追われるのならばここで倒すしか方法はない。

 アマトがロボット相手に戦いを挑んだのも結局逃げても、無駄だと思ったのではないか。

 私は一人でオークとやりあえるのかわからないけど、今ならできる気がする。

 

 アマトとパーティを組んでから不思議と能力が跳ね上がった感じはしていた。

 過信は出来ないけど、信じるしかない。


「お一人で戦うんですか!! 俺も一緒に戦います!!」


「あなたは町長さんを頼みます! 絶対にこっちに来ないでください!!」


 せっかく安全圏まで離れているのに、血迷ったことを言われてイラッとする。

 本当に自分が戦力になるとでも思っているのか、いるのならばなおさらたちが悪い。


 転がっていた3匹のオークが立ち上がる前に4体を倒しておきたい。


「竜巻乱舞」


 大気中のマナを集めて、竜巻を複数派生させるとオークを宙に浮かせていく。

 竜巻の規模はある程度強弱をつけ、落下するまでの間隔を少しずつ変えることにより一匹当たりを少しでも余裕をもって攻撃できるように調節する。


 一際大きめのオークの一匹目が落下してくる。

 地面に落ちる直前が最も勢いが乗っているという事、そんなことは小学校の理科で習うレベルの知識。

 それを活かせるタイミングは大人になってもそうはないのだが。


「まあああああああああああーーーーーーーーー」


 風を纏ったレクフォールをゴルフクラブのようにアッパースイングでオークへ叩き込む。

 落下のエネルギーとスイングのエネルギーがぶつかりオークは胴体をひき肉のように、練り回されながら二つに分かたれた。


 ユイナは現状パーティの中で最も強大な力を持っている。

 風を纏うことで打撃と斬撃の両方を兼ね備えた一撃は、オークをも圧倒した。

 残りのオークも落下するごとに同じ手順でミンチにしていく。


 地面に転がっていた、オークも4匹目を倒したころには臨戦態勢を取っていた。

 こちらの行動を観察していたのか、状態を低く構え竜巻を放つがすんでのところで躱される。

 私の体力があまりないのも相まって、だんだん攻撃のスピードが落ちてくる。


 オークの方が持久力があるようで、次第に攻撃は余裕をもって避けるようになっていく。

 手を膝について息を絶え絶えにしているのを待ってたかのように、一匹が突進からの斧による振り下ろしを放つ。


「かかった!!」


 目の前に手を翳さずに風の障壁が発生し、そのまま壁が前方オークを巻き込み解き放たれた。

 吹きとばされ転がるオークへ風を纏ったレクフォールを上段から振り下ろし、肉塊へと変える。

 

(アコちゃんナイス!!)


 まだ、魂は分離したまま。危なくなったら臨機応変に魔法による援護をしてもらうことを保険にしていた。

 残り2体をどうやって倒すか考えていたら、突然残りのオークはユイナたちとは反対方向へ走って行った。


「やったみたい……これで私一人でも戦えるってことがわかったかな……」


 ユイナは一呼吸おいてから気が付く。

 目の前で走り去ろうとしたオーク2体が上から下に、まるでもぐらたたきのようにハンマーで叩き潰されるのを。


「アマト……」


 これから、本当の死闘がユイナを待っていた。 

 


 敵前逃亡を良しとはしないかのように目の前で処刑され、ミンチにされた2体のオークを目の当たりにし思わず目を逸らしたくなるがそれが許される状況ではない。

 気持ちが悪い、見たくないからと目を逸らせば次に待っているのはひき肉になった自分自身の姿。


 距離は50mと離れていない通路の真ん中に、先程まで戦っていたオークの3倍近い巨体のオークが二対の銀鎚を両手に構えてこちらを見つめている。

 装備も兵士というよりは国王が身に着ける礼式に趣を置いた黄金の装飾が施されたものを身に着けている。


 状況判断と知識の泉からオークキングと断定されたそれは、着実に歩を進めユイナの元へと向かっている。

 オーク相手ならば結果だけを見れば楽に勝つことができた。

 はたして目の前の怪物相手にどれほど戦えるのか、見誤れば取り返しがつかない。


 オークキングは突如歩みを止めるとおもむろに銀槌を左手の建物へと振りぬく。

 三階建ての建物は達磨落としのように一階部分が、粉砕され二階部分が真下にそのまま崩れ落ち瓦礫の山が出来上がった。


「エルフであろうと人間の見方をするのならば容赦はシナイ。だが、オレノ物になるならばオマエだけは生かしてヤロウ」


 圧倒的な力を誇示し、眼前の言葉を話すオークに意表を突かれたが引けない。

 言葉を話すモンスターがいることはわかっていたし、先生だって元はゴブリンだったという。

 まして、こんな醜いモンスターの手に落ちるなど考えたくもない。


 人を見かけで判断してはいけないなんて言うが、今も何の罪もない建造物を私利私欲のために叩き壊しているところを目の当たりにしている。

 それに生まれながらにしてこの世界の住人なら、わからないが元は異世界の女子高生にこのオークと結ばれる未来は想像ができない。


(彼氏の一人も作ってから死にたかったって思ったけど、豚の化物はないわ)


「言葉が多少話せても、豚さんを相手にするほど私も優しくはないかな」


「オマエは家畜として飼ってやることにシタ。後悔しながら生きるがイイ」


「自分の思う通りに行かなければころころ意見を変える、器の小さな豚さんはここでひき肉にしてハンバーグの材料にでもしてあげるよ」


 こういう、いかにも偉そうにしている上から目線の輩が大嫌いだった。

 どうせ、イエスと言ったところで安全など保障されるわけもないのだから倒すしかないとは思っていた。 

 時間稼ぎをしている間に何か好機となることが起こればとも思ったが、状況は何一つ変わっていない。

  

「死なない程度にはいたぶってヤル。せいぜい力を入れ過ぎないように祈ってるがイイ」


「ぶーぶーよく鳴く豚さんね。もうぶーぶー言わなくていいの?」


 自分は冷静に状況を見定めながらも、挑発することで相手の冷静さを欠くことで心理的に有利な状況を作り出していく。

 オークキングは自尊心ばかりが強いせいで糸も容易く挑発に乗ってくれる。


「エルフごときがぁーーーーーーーーーー。くたばれえええええええええ!!」

 

 怒りの頂点に達したところで叫びを上げながら猪突猛進してくる。

 距離は一瞬にしてゼロまで詰められる。


(どいつもこいつも生かすと言いながらも、頭に血がのぼると死ねと言い出すんだから本当に馬鹿ばっかだね)


「いくら力が強かろうが当たらなければ意味ないんだよ!!」


 自分の手下を叩き潰した時のように上段から振り下ろされる銀鎚を紙一重で後ろに飛びのく。

 すぐにオークキングの左脇の僅かな隙間を抜け後ろ手に回り込むと、間髪入れずに風を纏ったレクフォールを抜けてきた反対側の脇腹にフルスイングで叩き込む。


 鎧が僅かにへこんだだけで、切り裂くことも出来ず決定打には程遠い。

 オークキングは通り抜けてきた方向へと首を回したせいで隙が発生した。

 それを見逃さずに全力で叩き込んだ一撃は、言わば猫だましのようなもの。二度目はない。


 内側へ凹んだ鎧によって僅かに苦痛の表情を浮かべはしたもののすぐに銀鎚を振り回してくる。

 それをさっきと同じ手順で飛び退く。

 着地の瞬間を見計らったように、もう片方の銀鎚を地面に向けて叩き込んだのを捉えるが遅かった。


 地面には凄まじい衝撃が地震の揺れのように襲い掛かってくる。

 元の世界が地震大国という事もあり、倒れることはなかったが震度6、7ぐらいの揺れを一身に受けたことでバランス感覚が一時的に失われる。


 その瞬間を見逃すはずもなく、オークキングがタックルを放ってくる。

 半ば棒立ちの私目がけて巨体が突撃してくる、瞬間にアコによって風の障壁が展開されるが障壁ごと撥ね飛ばされる。


 咄嗟に全身に風を纏った為撥ね飛ばされ地面に転がりながらもダメージは、外へと逃がすことに成功した。

 それでも瓦礫の破片が身体中に当り傷だらけになってしまった。

 軽傷とはいえ何度も受けていればいつかは力尽きるだろう。

 

「ぶ……豚の癖になかなかやるじゃない。褒めてあげるわ。ぶ・た・さ・ん……」


「諦めロ、オマエに勝機はナイ」


 圧倒的に疲弊しきっているこちらの方が不利。

 最早挑発したところで、負け犬の遠吠えのようにしか聞こえていないだろう。

 これでは隙を作ることも困難。


(アコちゃん、あいつを倒す方法を教えて)


〔ひたすら避けることに専念して。できればなるべく広範囲に逃げ回ってくれるといいかな。後はこっちで魔法と精霊術の制御はするから大丈夫〕


(避けているだけでいいの?)


〔大丈夫、攻撃はする必要はないから。今の私たちじゃ本来相手にするには力不足だけど、甘く見ている今だからこそできることがあるって事だよ。まあ、肩の力を抜いて気楽に構えていなよ〕


(しょうがないかぁ。アコちゃんに任せた)


 100倍に思考を加速させることで時間をかけることなく会話を済ませ、ボクシングのように軽いステップを踏んで攻撃の回避に専念する。

 幾度となく銀鎚が遅いくるが紙一重で躱し、時にはレクフォールを銀鎚に当て軌道を逸らし退路を確保する。


 地面に放たれる強烈なインパクトは足周りに風を発生させ地面から浮くことで、無効化する。 

 言われた通り、前に後ろに上下左右と縦横無尽に走り回り攪乱するが決して攻撃はしない。

 牽制はするもののあくまで倒す事を目的とせずに、逃げの為の手段としての行動だと割り切っている。


「ちょこまか逃げ回っているだけデハ、オマエはシヌ」


「じゃあ、早くやってごらんなさいよ。できもしないことを飽きもせずぶーぶーとよくしゃべる豚さんね」 


 再びぶり返してたようにオークキングは怒りの形相へと豹変していく。

 重さ1tはあるだろう銀鎚を、建物が壊れることなど気にせず無茶苦茶に振り回し出した。

 攻撃そのものは規則性がないが、単調な動きの為に躱すのは容易。


 後は体力がどこまで持つかを競うだけとなった。

 体力が先に底をついた方が負けると、直感で理解していた。

 だから、自分を信じて生き抜く為に行動するしかない。


 私はもうそろそろ限界だというのに、オークキングは疲れこそ見られるがまだまだ力を温存しているようだ。

 このままで後5分と持たないだろう。


〔準備は整ったよ。さあ、私と一緒に呪文を唱え……なくても大丈夫。呪文なんてないから、ただイメージを具現化するためにはキーワードはあったほうがいいよねそれは……〕


 どうやら、準備は整ったようだ。

 何が起こるかはわからなくとも自分の言っている事ならば信じるしかない。


〔(ハイパーボリア・ノヴァ)〕


 私とオークキングは一面を氷に覆われた果てしない土地に佇んでいた。

 これはラーティカが使った『三京大京世界』のような異空間召喚術の類なのか。

 ハイパーボリアの結末から想像するにそうではない。


 待ち受けているのは世界の終わり、そして住人はこの地を後にしたのだから。

 氷に覆われた世界は急速に収束していく、ユイナの掌を中心にして。

 世界の境界線はユイナの体を通りぬけると、路地裏にはユイナだけが一人佇んでいた。


 手のひらの上には漆黒の球体が浮かんでいたが、獣の嘆きを僅かに漏らすとそのまま消えてなくなった。

 そして、気が付く。心にぽかんと穴が開いたような感覚に。

 アコの存在が消えていたのだ。

 

 それは魂の消失を意味する。

 圧倒的なまでの呪法に要る代償が魂の一部を消失させることだとわかっていた。

 アコは自分自身であり、そして他人でもあったのだから。


 魂は一部を失っても元の質量に必ず戻るとわかっている。

 それでも、今ともに戦った存在はもう二度と戻ってはこない。

 私は哲学何てものはわからないけれで、昨日まで自分と今の自分、明日の自分が全て同じ何て思わない。


 私はただ、今を生き抜いた喜びと、切なさにふけっていた。

 涙は流れない。

 アコが悲しみの感情を一時的に道連れにしてしまったかのように。




 

 


オークキングの登場は次の更新で^^

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