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出逢い  作者: 如月米美
プロローグ
2/3

きっかけ

あれは四月下旬のことだった、クラスメイトの何人かが音楽の授業でリコーダーを忘れて、そのうちの一人が

「音楽係が連絡してなかったから。」

と言い訳し、逆ギレした。その時は何も起きなかった。

でも次の音楽の授業でテストがある日の前夜、そのことを急に思い出した。そしたらなんかムカついてきたので、クラスメイトにクラスの連絡用だと言われ無理やり入れさせられたLINEのグループで

「明日の音楽は実技のテストだから、リコーダー絶対忘れるなよ」

と発言した。相当勇気を絞って発言したので、口調がおかしくなった。それでクラスメイトに言葉で叩かれた。だが、個人チャットの方で知らない人からLINEが来ているのに気づいた。


『くみです。よろしくねー♪』

誰だと思ったが、よく見たらクラスメイトの女の子だった。

『よろしく、僕は、藤原祐樹』

『うん、私は橘久美です』

そのままか、これはありがたい……

『LINEネームがそのままだね』

『うん!』

『ユーザー名と実名の一致が難しい人がいるから、LINEは面倒、クラスは40人ぐらいいるから、大変です!』

『だよね、わかるかもー!』

てな感じで、雑談を交わした。クラスの内情とかも知りたかったので、くみに色々聞いた。それに丁寧に答えてくれた。正直うれしかった。


雑談が落ち着くと急に

『テストのこと言ってくれてありがとねー♪』『助かりました!』

と言ってきた。もしかしてと思って聞いてみた。

『忘れとった?』

『うん、だからありがとー。私、うっとーしいとか全然思ってないからね』

この言葉を見て、嬉しくなっている自分に戸惑った。でも、勇気を出した結果があまりにも残酷で傷ついていたのをくみが癒してくれたのが嬉しくて、スルッと言葉が出た。

『ありがとう』

『うん』

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