プロローグ
友達なんかいたって、いいことなにひとつない。
藤原祐樹は高校に入るまで、そう思って生きてきた。
幼稚園では、近所が見栄の張り合いでドロドロしていたから怖くて近所の子たちとは遊べなかったし、3歳までまともに喋ることができなかったからコミニュケーションが取りたくても取れなかった。友達といえば、ハムスターのぬいぐるみと猫のぬいぐるみだった。未だに、捨てられずに部屋の隅に置いてある。
小学校では、コミニュケーションの仕方が分からなかったから友達ができなかった。後、マイペースな所もあったから、周りに合わせるのが難しかしく、一人で遊ぶのが好きになっていった。好きでやっていたことといえば、図鑑を読み漁ること、パズルを解くこと、ものを作ること。今でも好きで続けてる。
中学校では、今まで一人で過ごしてきたのが影響して、周りに馴染めずイジメの標的になり心身ともに消えない傷を負った。イジメが落ち着いた頃、両親が離婚した。当時の俺は、離婚というものかが分からなかった。だから、どうにかしようともしなかった。このことは、今でも後悔している。さらに運が悪いことに引っ越した先で、事故に遭ってしまった。相手は逃げられた。事故の時、顔をぶつけて右目の視力が弱くなった。
高校入学が決定したその日、俺は決意を固めた。「ボッチを楽しむんだと。」しかしその決意は、僅か一ヶ月で崩れてしまう。
前期は、人との関わりがあまりないであろうと思った音楽・家庭科係になった。だが、そうではなかった。
この決断が俺の人生を大きく変えることになるとは、この時の俺は想像もしてなかっただろう。
俺の選んだ係は、人との関わりが少ないとは言ってもゼロではなかった。