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転生

……うぅ。ここは?


少し気だるい身体を起こし、あたりを見渡してみる。そこにはまったく見覚えのない森が広がっていた。真上にはむし暑い日差しを放つ太陽が俺を焼く。汗がダラダラと流れる。果たして暑いからか、焦っているから流れるのかはわからない。


あれ?俺、どうしてこんなとこ……。そうだ!昨日俺は学校の屋上から飛び降りて…それで………。

「ッ⁉︎」

え⁉︎じゃあ、ここはあの世?いやでも普通に足で歩けるし。


あ、そうか!転生したんだ!

よくラノベとかであるやつだ。てことは俺にも何かすごい力があるのか!


今まで何も取り柄というものがない俺についに力が……グスッ。でもどうすればいいんだ?

力があったとして、それは何の力なんだ?

うーん。と頭を抱えて悩む。


「ま、いっか。」


考えても何も始まらないし、とりあえず今はここを移動しよう。その後じっくり力の使い方を確かめればいい。正直、この森を早く抜けたい。さっきから鳥の鳴き声さえもしなくて、何かおかしい。不気味だ。

決めたら行動!すぐ歩き始めた。ーーそして





ーー体長3メートル強のオーガに出くわした。





「フゥゥンンンギャャーーーーーーーー!!!」

俺は今、生まれたての赤ん坊のような奇声をあげながら逃げていた。なんだ⁉︎なんだ⁉︎なんだ⁉︎どうしてこうなった⁉︎


ーー数分前、


「お、あれは。」


俺は一本の木の上にいくつかの果物?のようなものを見つけた。腹が減っていたからちょうどいい。

木の高さはそれほどでもないのでそこらへんの棒を使って落とした。

…これ食えんのか?

その果物?の色は鮮やかなオレンジ色だがところどころに紫色の斑点があり、形がひょうたんみたいな形をしていた。

う〜ん。腹空いたし、あまり気にしないでおこう。

そのひょうたんの底の裏のくぼみから綺麗に皮をむく。意外と中身は斑点がなく形がひょうたんのオレンジみたいだ。

では、さっそく。


「いただきまーす。」


モグモグモグ…。あ〜。オレンジに近い味だけど糖分を倍にしたような味がする。うん。うまい!


食べながらもう一つ取ろうと後ろを振り返ると






ーー俺をまっすぐ見つめるでかい怪物がいた。





どのくらい見つめ続けていただろう。数分か、数十分か、または数秒か。俺は目の前のあまりの出来事に凍りついて動けなかった。反対にオーガはヨダレを垂らし、血走った目で俺を見ていた。右手には俺の身体の3倍は大きい棍棒を持っている。


どうすればいい⁉︎


俺はこの危機的状況を回避するすべを考えた。


プランA

土下座しながら、命ごいをする。


「すいません!命だけはお助けを!」

「プグォーーーーーーーーーーー‼︎」


ブシァ‼︎ 棍棒を一振り。俺、絶命。


アウト!


プランB

下手にでて、華麗に逃げる。


「おっと、食事中失礼しました。ささ、邪魔者は消えますので食事を続けてください。では…」

「プグォーーーーーーーーーーーー‼︎」


ブシァ‼︎棍棒を一振り。俺、絶命。


アウト!


チクショウ!どのみち死ぬじゃないか!

他に何かないか⁉︎


しかし考える暇はなく、オーガは棍棒を振り上げた。


「う、うわぁぁーーーーーーーー‼︎」


俺は全力で逃げ出した。後ろで、ズゴン‼︎ と音がする。振り返ると地面に大きなヒビができていた。


あんなのまともにくらったら…。考えただけでゾッとする。


クソ‼︎


俺は力のかぎり走る!走る!走る!

だがどこまで走っても背後からはあの醜い怪物の鳴き声が聞こえる。このままじゃあ。捕まる。殺される!


ならいっそ殺ってやる‼︎


逃げるのをやめ、鈍重な身体で走ってくるオーガと向かい合う。


俺にはきっとすごいチートがあってこいつを殺れるんだ。


「グガァーー‼︎」

「かかってこい。この野郎‼︎」


瞬間、俺の身体はピンポン玉のように吹っ飛んだ。



「ぐえぇぇーーーーー‼︎」


飛んで行った先で、木に勢いよく身体が叩きつけられる。


「あがっ‼︎ う、うぇ〜〜!」


俺はあまりの痛さに口から吐瀉物を撒き散らした。

何で?どういうことだよ!力なんて何もないじゃないか!


オーガが目の前まで迫ってくる。気のせいか、笑っている気がする。たぶん惨めな俺を嘲笑っているんだろう。


あー、チキショウ!転生しても結局俺は惨めなままなんだ。クソ‼︎クソ‼︎クソッ‼︎


動けない。まるで不良たちにボコボコにやられたあの時みたいに。

オーガが棍棒を構える。俺は目をつむる。


そしてーーオーガが吹っ飛んだ。


何が起こった?するとオーガがいた場所に一人の老人が立っていた。


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