つらい先に…
高校2年生の平凡な俺はーーー「ギャハハ!ほらもっと楽しませろよ!」ーーークラスの不良連中にいじめられていた。
いじめなんて珍しくもなんともないが、やっぱりやられてる方からしたら面白くない。
小学校から中学まで普通に生きてきたはずなのに、どこで間違えた?
楽しい高校生活、青春を謳歌できると思ってたのに! なんだこれ⁉︎
きっかけは入学二週間目ぐらい、食堂が騒がしいと思って見たら女の子が同学年の不良たちにからまれていた。どうせ列に横から割り込んできたあいつらがいちゃもんつけてんだろう。
その時の俺は入学したてのテンションでおかしくなってたんだな。ヒーロー気取りで周りが見て見ぬふりをしている中、女の子を助けようとしたらあっけなく返り討ち
屋上に連れて行かれたと思ったらめちゃくちゃ殴られた。
血や涙でグッショリとしてきたら ツバ吐きかけてどっか行きやがった。
そもそも無理な話だったんだ。今までケンカなんて一度もしたことがないもやしみたいな俺が不良を相手にするなんて。
それからというもの、毎日パシられては決まって屋上でボロ雑巾のようにやられた。
今もボコられている真っ最中だ。
あ〜!チクショウ 思い出したら腹立ってきた!
目の前にいる不良たちとあの日の馬鹿な自分に心のなかで悪態をついてると
「あ? なんだその目は⁉︎」
不良たちのリーダーぽいやつが鉄バットで殴ってきた。
「グギッ」
「ギャハハ!ぐぎっ!だってよ〜!」
まったく似てない俺の真似をして高笑いする不良たち。
それよりもこいつら何?鉄バットで平気で殴りやがった。
頭からはダラダラと血が流れる。
情けない。
俺はずっといじめられるのか。
さらに不良たちは俺に暴行を加えていった。
殴り、蹴り、投げ、鉄バットで殴打する……。
一通り済んだのか不良たちは「明日はもっと楽しませろよ〜。ハハハ!」なんて糞ゼリフほざいて帰っていった。
俺は動けない。 ……悔しい。
俺の有り様はひどい。顔中涙、鼻水、涎まみれ。そして頭から血……。
空を見上げるともうオレンジ色に染まっている。
昼間からぶっとうしで殴られてたのか。ハハッある意味すげーよ。ちぇ!
一時間ぐらいたってやっと動けるようになった。
とりあえず顔洗おう。こんなままじゃ外歩けねぇ。
学校のトイレで顔を洗って引きずる足で校門を出た。
歩くたびに痛い。こんなボロボロで家帰って両親になんて言えばいいんだ。
いや あの人たちは気にしないか。
「ただいま」
……しーん。
靴を脱いでリビングを通ると…あの人たちがいた。
「……ただいま」
「…ん?あ、あぁ 。おかえり」
テレビを見ながらそっけなく挨拶をする母さん。
「お前、今回の期末のテスト。なんだあの点数は?ふざけてるのか?このくらいとっとかないとあの大学には行けないんだぞ!」
それは授業中関係なく呼んでくるあいつらが悪いんだ!
俺のボコボコのツラなんか気にせず普通に話しかける父さん。
やっかいごとはスルーして、とりあえずこのように生きていけ。ここにいるとそう思ってしまうのは自分の歪んだ性格だからだろうか?
急いで二階の自分の部屋に上がり、ベッドに寝転んだ。
ーーつらい。
日頃のストレスからか、最近多くなったこの口癖を今日もつぶやいてしまった。
暴力がつらい、
親の言葉がつらい、
学校での自分の立場がつらい。
そして何もできない自分が一番…つらい。
下からはたぶんシチューだろうか、いい匂いがしてくる。だが俺は今はもう寝たい。それを察してかはわからないが母さんたちは呼んで来ない。
なんで俺、こんな世界で生きてるんだろう?
俺は弱い人間だから。こんな毎日耐えられねぇよ…。
一人で頭の中がグルグルと回り考える。
あ〜。楽しい思い出がひとつもない。
高校はあれとして、小、中と楽しい思い出がないや。このまま高校生活いじめられて、両親に決められた楽しくも思えない道を進んで行くくらいなら…。
翌日、俺は学校の屋上から飛び降りた。
読んで下さってありがとうございます。
小説を書くのは初めてなのですが、
精一杯頑張りますのでよろしくお願い致します。