釈迦の手のひらにいる孫悟空
大陸の各地に襲いかかってきた五胡兵士とロボット達
一刀達の活躍により五胡兵士達が次々と倒されるなか、源治が敗北したのだった。
呉の国
ゴォンッ!!ゴォンッ!!
五胡兵士達が去った後、呉の城では謎の音が鳴り響いていた。
その音の正体は…
一刀「ごめんなさい!!ごめんなさい!! 」
ゴォンッ!!ゴォンッ!!
前回一刀は蓮華を置いて城に戻ったためそれを謝る一刀による自虐土下座の音が鳴り響いていた。
蓮華「もう一刀ったら 」
ちなみに理由が理由なので蓮華は既に許しているのだが一刀自身がそれを許せなかったのだった。
こうなった一刀を止める方法はただひとつ!
蓮華「一刀、主君命令だ。やめなさい! 」
一刀「御意! 」
主君命令しかなかったりする。
茜「蓮華様、すみませんでした。私がもう少し早く戻っていれば娘達は危険な目に遭わずにすんだかもしれませんのに 」
水希茜
元黒龍軍所属。現在は一刀の妻の一人で水遁の使い手。鞭を使うがドジなところもある。
蓮華「茜が気にすることではない。それを言うなら私達だって城にいたのに何もしなかったからな 」
茜を責めない蓮華
神楽「本当にすいませんでした! 」
嵐雅神楽
真面目な性格で影が薄い。鎌を使い、水遁・雷遁・嵐遁の使い手。玲に恨みがある。
神楽も続けて謝ると
シャオ「確かに茜は許しても神楽は男なんだからもう少し早く来なくちゃね 」
神楽「何で僕だけ責められるんですか!? 」
そういう役割なのだろう
神楽「嫌ですよそんなの!! 」
それはさておき
一刀「先程他国の仲間達から得た情報によると、仲間達の方も同じ様に五胡という国の兵士が攻めてきたが源治以外は迎撃したらしい 」
ちなみに源治の敗因は覗きに夢中で後ろから来る五胡兵士の気配に気づかずボコボコにされたことである。
一刀「その源治も理央に助けられ、現在は吹音のいる幽州にいるらしいそうです 」
とりあえずは安心であった。
祭「う〜む… 」
穏「祭様、そんなに悩んで何をしてるんですか? 」
祭「いや、ちと五胡という国をどこかで聞いたような気がしてのぅ。思い出せぬのじゃ 」
シャオ「歳をとると物忘れが激しくなるから… 」
カチンッ!!♯
※しばらくお待ちください
シャオ「た…単なる忘れただけだよね!? 」
祭「そうじゃな 」
じんじんっ!!
何が起きたのかは想像がつくがそこには尻を大きく腫らしたシャオが倒れていた。
炎蓮「祭が思い出せないのも仕方がない。何せまだ祭が幼い時に聞いた言葉だからな 」
雪蓮「母様は知ってるの? 」
炎蓮「おうともよ!まだ雪蓮が生まれる前に大陸で悪事を働いていた連中でな 」
五胡について話す炎蓮
炎蓮「その昔、この大陸を攻めてきた時があったがあの時はあたしを含めた大陸の豪傑達が五胡達を何とか追い払った。奴らの強さは高くてな、一兵士ですら大陸の武将に匹敵する強者だったよ 」
そんな奴を軽く倒した一刀達って一体!?
炎蓮「その後、大陸には敵わないと知った五胡の奴らは長らく姿を見せなかったというわけじゃ 」
冥琳「こちらから攻めたりしなかったのですか? 」
やられたらやり返す!
それが主張の炎蓮にしては追撃しなかったのだった。
炎蓮「したが無駄だった。何度密偵や間諜を送ったが誰一人とて帰ってくるものはいなかった。奴らの居場所がわからなければさすがのあたしも追撃できなかったってわけさ 」
なるほど
シャオ「一刀でも追えないの? 」
一刀「あの時は敵の居場所を探る暇なんてなかったしな 」
シャオ「ふーん 」
さすがの一刀もお手上げ状態であった。
だが
蓮華「(じぃ〜…) 」
そんな一刀を見つめる蓮華であった。
そして策は次の日に練ろうということで今日はもう寝ることになったのだが
シュッ!
時刻は現代時間の午前0時
一刀「よっと! 」
忍具一式を装備した一刀が朝早く自身の離れから飛び出したのだった。
一刀「確かに敵の居場所がわからなければ俺であっても攻めることはできない。だが敵の方から教えてくれるとなれば話は別だ 」
スッ!
すると一刀は懐から
ジャーンッ!!
一本のネジを取り出した。
一刀「こいつは孫登が倒したロボットのパーツ。万が一にとネジを一本だけ抜き取っておいたのさ 」
ちなみに他のパーツはロボット達が去る際に持っていってしまった。
このネジで何をするのかというと
シュシュッ!!
一刀「忍法・鮭流れ 」
ビビッ!!
ネジに気を流した瞬間!
ふわっ!
まるでネジが意識を持つかのように浮遊した。
一刀「鮭は生まれた川に帰っていく、この術は気を流したものを元の場所に連れていく。つまり五胡への道しるべというわけだ 」
ネジがコンパスの役目を果たし、一刀を五胡の国へと連れていくのだ。
一刀「敵の狙いはあきらかに新星を狙ったもの、そんな戦いに主君である蓮華やみんなを連れていくわけにはいかない。新星の問題は新星で片をつける! 」
スッ!
そう言ってみんなに黙って旅立つ一刀
一刀「こんな時、相棒の小助がいたら『帰った時には蓮華姉ちゃん怒るだろうな』というだろうが、土下座しまくれば許してくれるだろうよ 」
そう言いながら一刀が門に向かうのだが
シュッ!
一刀「!。ハッ! 」
シュバッ!!
いきなり門を出た直後に奇襲されてしまった。
一刀「何奴! 」
一刀が気伝丸を構えると、目の前にいたのは…
蓮華「遅かったな一刀 」
バァンッ!!
一刀「れ…蓮華!? 」
何と!?一刀を襲ったのは蓮華であった。
しかもいたのは蓮華だけではなく
孫登「父様! 」
孫慮「ZZZ… 」
ちょこちょこっ!
一刀「孫登!孫慮!? 」
娘の孫登とまだ夜なので眠っている孫慮がいた。
一刀「みんなどうして!? 」
まさかの家族登場に驚く一刀だが
蓮華「一刀、私とお前の長い付き合いだ。お前が何を考えているのかくらいわかるぞ 」
そう、実は軍議の最中、蓮華は一刀が何かを隠していると察して門で潜んでいたのだった。
一刀「あいにくだが今回は連れていくわけにはいきません。今度の戦いは新星である俺が… 」
いつもの展開を察知し、先に連れていかないよう言う一刀であったが
ギュッ!
蓮華は一刀に抱きつくと
蓮華「一刀、お前の体はもうお前だけのものではないのだぞ 」
そう、十人以上の妻と娘を持った一刀の体はもはや一刀だけのものではなかった。
蓮華「私はお前…いや、あなたがいないと心配なのだ! 」
特に蓮華とは主従関係もあったからなのか絆が最も強かった。
一刀「蓮華…、すまなかった 」
スッ!
蓮華の言葉でもう自分の体は自分一人のものではないと改めて思い出した一刀は謝罪しながら蓮華を抱き寄せ
蓮華「一刀… 」
蓮華も一刀に引寄せられ
んーっ…
孫登「わぁっ!/// 」
娘の目の前だと言うのに二人の唇が重なろうとしたその時!
ピィーッ!!
雪蓮「はいそこまでーっ!! 」
バッ!
茂みから笛を吹いた雪蓮が現れた。
一刀「わっ!?/// 」
蓮華「ね…姉様!?/// 」
雪蓮の登場に慌てて離れる二人
すると
冥琳「まったく、我らの夫は油断も隙もないな 」
祭「まぁ一刀らしいではないか 」
思春「あのままキスしていたら殺せたものを♯ 」
穏「あらあら思春ちゃん、やきもちですか〜♪ 」
明命「でも蓮華様ばかりいい展開で少しずるいですね 」
亞莎「これがメインヒロインというものでしょうか 」
シャオ「お姉ちゃん!そう簡単に一刀の唇はあげないんだからね! 」
茜「一刀様、私を置いていくなんてひどいです! 」
バババッ!!
呉の人物と娘達まで茂みから現れた。
一刀「な…何でみんな揃って!? 」
神楽「どうやら一刀さんの考えは全て読まれていたようです 」
炎蓮「まだまだ甘いの婿殿! 」
まるで御釈迦様の手のひらにいる孫悟空のような気分の一刀であった。
そしてこの場にいるみんなの気持ちは一つ!
『一緒にいく!!』である
だがその近くにて
ガササッ!!
何者かが茂みに潜んでいることを誰一人とて気づいていなかった。