唸れ必殺剣!最小忍者孫登
謎の人物の命を受け、大陸の各地にて五胡の兵士と三体のロボットが襲撃してきた。
そんななか、呉では一刀が不在の中
妹達を守るため孫登が向かったのだった。
ロボA「こんなガキ一人相手に俺達全員で向かう必要はない。俺一人で倒してやるぜ! 」
ロボB「おぉやれやれ! 」
ロボC「あの御方の科学力を五胡に見せつけてやれ! 」
五胡兵士「ケッ! 」
スッ!
そして孫登はロボットの前に立つと
孫登「たぁーっ!! 」
ダダッ!!
そのままロボットに向かっていった。
ロボA「ケッ!直線しか進めないなんてやはりガキだな!返り討ちにしてやるぜ! 」
ブォンッ!!
孫登目掛けて拳を放つロボットだが
すかっ!
ロボA「あれっ!? 」
その拳は空振りし、孫登を見失ってしまった。
ロボA「あのガキ、どこに消えやがった!? 」
ロボットが孫登を探していると
ロボB「馬鹿野郎!テメェの股の間だ! 」
ロボA「えっ!? 」
味方ロボットの指示でロボットが股の間を見てみると
ザザァーッ!!
孫登がロボットの股の間をスライディングで通過し
ガシッ!!
その途中、両腕でロボットの足をつかんだ瞬間!
孫登「北郷流体術・登り鯉! 」
ガバァッ!!
足をつかんだ孫登はそのまま上昇することで
ロボ「なっ!? 」
ガッシャーンッ!!
ロボットを倒すことに成功した。
そしてすかさず
孫登「ハァッ!! 」
ドカァッ!!
ロボ「がっ!? 」
ロボットの後頭部目掛けて肘打ちを繰り出す孫登であった。
陸延「さすがは孫登お姉ちゃんです〜!? 」
甘述「孫登様、お見事です! 」
孫登の実力に驚く妹達
まだ六歳でありながら孫登は子供達の中で一番長く一刀の鍛練を受けてきたのだった。
そしてその鍛練の中に
一刀「いいかい孫登、相手が自分より大きな相手でも怯んじゃいけない。そういう相手と戦う時は寝かせるんだ。寝かせれば体格差は関係ないからね 」
孫登「父様、どうやって寝かせるのですか? 」
子供の孫登が大きな相手をどうやって寝かせるのやら?
一刀「今から教える体術を使えば寝かせられる。そして相手を寝かせたら後頭部目掛けて強い一撃を食らわせるんだ! 」
孫登「はい! 」
そして孫登は見事一刀の教えの通り攻撃を繰り出したのだった。
だが
ロボA「いててっ!? 」
やはり子供である孫登では強い一撃を食らわしても倒すには至らなかった。
五胡兵士「がははっ!ガキ一人相手に手こずるだなんてあいつの科学力とやらも大したことないじゃねぇか! 」
ロボB「そんなガキ相手に何を手こずってやがるんだ!! 」
ロボC「さっさと殺しちまえ! 」
あまりの情けなさに味方からも野次られるロボット
ロボA「ガキ一人相手に手こずるなんてどうかしてたようだ。だがもう手加減は無しだぜ!! 」
ジャキンッ!!
ロボットは両腕を刃物に変えると
ロボA「そりゃそりゃそりゃーっ!! 」
ブォンッブォンッ!!
孫登目掛けて斬りかかってくるのだが
孫登「よっ!ほっ! 」
サッサッ!!
孫登はロボットの攻撃を軽く避けていた。
日頃から素早い一刀の動きを見てきた孫登にとってロボットのスピードは遅いのだった。
ロボA「おのれっ!!こうなりゃガキ相手に使いたくはなかったが仕方ない! 」
カパァッ!!
ロボットの背中が開くと
ジャキンッ!!
背中から腕が四本出てきたのだった。
ロボA「どうだ!腕二本なら避けられても六本なら避けられまい!! 」
ブォンッブォンッ!!
六本の腕で孫登を攻撃するロボット
孫登「くっ!? 」
さすがの孫登も六本腕の攻撃を避けるのは無理なようで
バシィンッ!!
孫登「ぐはっ!? 」
バタンッ!!
ついに孫登はロボットに殴られてしまった。
ロボA「ちっ!増やした腕だから殴るだけか、だが次は切り刻んでやるぜ!! 」
ジャキンッ!!
先程増やした腕まで刃物に変えるロボット
次に一撃を食らってしまえば確実に切られてしまう!?
対して孫登は
孫登「うぅっ…!? 」
よろりっ!
攻撃を食らう直前、攻撃された部分に気を集めたため大きなダメージはなかったものの、子供なのでかなりの痛さがあった。
ロボA「ガキのくせにこの俺を相手によく戦えたものだ!あの世で自慢しまくりな! 」
バッ!
孫登に襲いかかろうと向かってくるロボット
対して孫登は
スッ!
木剣で居合いの構えをするのだった。
孫登「(こうなったらあの技しかない!) 」
それは数ヵ月前
一刀「孫登、孫登は一番年上のお姉ちゃんだから妹達に何かあった時には守らなきゃいけない。それはわかるね 」
孫登「はい 」
一刀は孫登にある剣技を教えていた。
一刀「それじゃあ俺がいない時にもし敵が攻めてきても相手を確実に倒せる技を教えてあげよう 」
孫登「本当ですか! 」
一刀「本当だよ。この技は俺はもちろん、母様である蓮華も使えるんだ 」
孫登「母様も使えるのですか 」
一刀「だから俺と蓮華の娘である孫登にも覚えてほしい。だけどこの技は食らえば確実に相手を倒せるけどもし外したらピンチになってしまう。わかる? 」
孫登「わかりました。それでその技は何ですか? 」
一刀「この技の名前はね… 」
それから孫登の鍛練が始まり
ロボ「くたばれーっ!! 」
バァッ!!
今に至るわけだ。
そしてロボットが孫登に接近したその時!
スッ!
孫登「北郷流剣技・唐竹割り! 」
ブォンッ!!
孫登は木剣で一刀から教わった唐竹割りを発動させたのだった。
ザッ!
そしてロボットが孫登を通りすぎた直後
孫登「あうっ!? 」
バタンッ!!
孫登が倒れてしまった。
ロボA「ケッ!何をするかと思えばただの素振り… 」
だがその直後
バキンッ!!
ロボA「へっ?なぁーっ!? 」
ガシャガシャンッ!!
ロボットはバラバラに壊されたのだった。
北郷流剣技・唐竹割り
刀に気を通し、居合いの構えで相手を待ち伏せ、敵が触れると同時に素早く刀を振るうことで相手を倒す必殺剣
ただし多くの集中力と気を使うため一撃を放つとしばらく体が動かないのだった。
そして孫登が倒れたのも攻撃を食らったからではなく
孫登「はぁはぁ…やりました! 」
技の反動で動けなくなっただけであった。
ついにロボットを倒した孫登
だが疲れてまともに動けない孫登の元に
ズシズシンッ!!
五胡兵士「おいガキ、次は俺が相手だ! 」
孫登「えっ!? 」
バァンッ!!
五胡兵士が現れたのだった。
五胡兵士「俺はあんなガラクタなんかとは違うぜ! 」
〜娘メモリー〜
『鬼の一刀と仏の一刀』
それはまだ孫登が鍛練を教え始めだった三歳の頃
孫登「はぁはぁ…!? 」
カランッ!
素振りのし過ぎで疲れた孫登
蓮華「孫登!? 」
スッ…
母である蓮華は孫登のところに向かおうとするが
一刀「孫登、休んでいる暇はないぞ! 」
ビシィッ!!
孫登に厳しい言葉を放つ一刀
一刀「まだ今日の鍛練は終わっていない。終わりたいなら忍をやめなさい! 」
ビシィッ!!
更に孫登に厳しい言葉を放つ一刀
すると
孫登「や…やります! 」
スッ!
孫登はよろけながらも鍛練を開始した。
鍛練となれば鬼へと変わる一刀であったが
その日の夜
一刀「あぁ、どうしよう蓮華!?昼間は孫登に厳しく言い過ぎちゃったかな!?これで孫登が『父様なんて嫌いです』なんて言ったらどうしよう!? 」
言ったことを悔やみまくる一刀
蓮華「あらあら…!? 」
さすがの蓮華もあきれていた。
このように私生活だと仏に変わる一刀であった。