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ガム

作者: 竹ノ葉一心

雨の降る中、駅のホームで目的の電車を待つ僕の足元で、黒ずんだ何かがへばりついている。手持ちの傘でそいつを強く突いてみると、瞬間的に身体は少し沈み、中の白色を窺わせた。

(なるほど、これはガムか…。

ああ、自分もまさにこんな存在なのだろう。)

封を切られた時は、最高の味を有していた。けれど、口に放り込まれた瞬間から、じわじわじわじわ…味が奪われていく。やがて、味がなくなれば最期、ペッと勢いよく吐き出されて、地面でゆっくり固まっていく。

通りすがる者は皆、そんな僕を気にせず踏み潰していく。もちろん…、最初の方は抵抗していよ。けれどね、終わらない理不尽に疲弊しきって、すっかり黒ずんでしまったらしい。

僕にとってそんな環境は限界だったんだ!

《通過電車が参ります。危ないですから黄色い線の内側に下がって、お待ちください。》

目的の電車が来るそうなので、僕は三歩ほど下がって一息吐いた。

(永久の狭間で、無に帰ろうじゃないか…。

それでは皆さま、ごきげんよう!)

次の瞬間、僕は全力で駆け出していた。

一休憩ワンタイトル。残りの時間は「考える時間」です。

「余韻」というものを大切にしてください。特になーんにも感じなかったってんなら別ですが、何か引っ掛かることがあったなら、それは追究されるべき存在です。

自分は「読書」というものを「作者の魂を読む」ということだと考えます。ですから、「作者の魂を読まない読書」は、もっぱら無価値だとさえ思います。


「作品」というのは、文字の塊ではありません。

では、どうしてこの作品が、作文用紙一枚に収められようか!


というわけで、「余韻」を得られた人も、そうでない人も、次回も是非、お楽しみに!

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