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3話 ギルドに入ろう 前編

                    3話


 町の中に入ると景色は変わる。今までは行けども行けども緑の平原が続いていたのだが、町の中は、さまざまな店が立ち並んでいた。待ち行く人たちは皆笑顔で満ち溢れていた。瑠達はそんな光景見ながら歩いている。

「ねえねえ渉さんや」

「なんだ?」

「鈴木さんは思うんだ、こういう笑顔の裏にはきっと…」

 瑠は体をくねらせながら言う。

「スラム街の人たち苦労と、奴隷の後悔の念でできてるんだろうね。」

「お前本気で最悪だな」

 渉がおもいっきり瑠を叩こうとするが、瑠はそれを予期していたのでするりと身をかわすのであった。

瑠のにやけ面を殴りたい渉だが今は拳を握るに抑えた。

その後は店を回った。野菜を売っている店では瑠達の世界には無かったであろう野菜が何個かあった。特に目立ったのは、見た目はキュウリに近い形のものだが、一点だけ違うところがあった。それは根っこが付いているというものだった。

「渉さんこれ見て見て!」

「なんだよ、ってこれはキュウリ…、だよな」

「キュウリなのに根っこがあるとは…。」

 瑠は店員に聞いて見ることにした。

「あのー、これって」

 店員はこちらを振り向く。顔にはたくさんのシワがあり、目は細く優しそうな顔立ちをしていた。

「ああそれはねお客さん、ここから馬車で2晩ほどかけて着く村で取れたものなんだよ。名前は土キュウリじゃよ」

 そういっておじいさんは他のお客さんのところに行き会計をやっていた。

 次は武器屋に行った。

 武器屋には長剣が店内にかざられていた。渉は長剣を手にするが、 

「あっはっは、坊主にはまだそれは早へぞ」

 カウンターの方から引き締まった筋肉た男が出てきた。瑠は何かを思いついたのかその店員のところに行き渉には聞こえない程度話かける。

「あのー、すいません、少しお頼みしたいのですが…、」

「おおっと小さいな、えっと…名前は?」

「瑠です!」

「元気いいな、それでルイはどうしてほしいんだ?」

「えっとですね…、」

 そういって瑠はガチムチの店員にひそひそと相談をしている。渉はなんだかいやな予感がしたのだが、瑠を一人放置しておく危険性よりはいいかという考えに落ち着いた。

 ガチムチ店員との会話は終わったのか、瑠は少し離れてこっちを見ていた。ガチムチ店員は渉に近づいてきた。

「えっ…、えっと、なにか御用でしょうか?」

 渉の顔は引きつっていたが、ガチムチ店員はニコッと笑い名がら

「やらないか?(武器の試し切り)」

「えーーー!」

「キター、そしてホモー!」

 瑠は天高く拳を上げていた。渉は足をおもいっきり踏ん張り、瑠のところに行き、

「あほかー!」

 瑠は天高く宙に舞うのであった。

 武器屋では何も買わなかった、というよりも買うお金が無かったのである。ガチムチの店主は特に何も言ってこなかったのだが、渉の背中の方を店の扉が閉まるまでずっと見ていたというだけであった。

 店を回っているうちに日は落ちて町には月明かりとランタンだけが道を照らしているだけだった。瑠達は適当に安そうな宿屋を探して泊まった。

 そのとき瑠は宿の料金を値切っていた、

「大人と子供で銅貨7枚だね」

「いやいや、相方も同い年ですよ」

 宿屋の受付のおじさんは怪しむようにして渉の方見る。渉は受付の顔を見返して受付を見返していた。

「なるほどねー…、なら大人2人で銅貨8枚だね」

 宿屋の受付はそう言い手を出した。

「いや、俺達2人とも子供なんですが…」

「いやいや、あんたどう見たって大人でしょうに。それで、そこの小さい子も同い年って言うんだから大人1人銅貨4枚ですよ」

 受付のおじさんそう決め付けるように目を細めた。

 渉はあきらめるように瑠に振り返った、

「ごめん瑠。大人2人で銅貨8枚だって」

 瑠は少し腕を組んだ。すると、なにか妙案を思いついたのか、悪い顔をしてから受付の方に向かった。

「おじさんは最初大人一人と子供一人で、銅貨7枚って言ったんですよねー」

「ああ、そうだが」

「でも私が同い年と言ったら、おじさんは大人2人といいました。」

 瑠は顔を笑顔にしたまま受付のおじさんに続ける、

「でもそれはおかしいですよ、同い年と私が言ったのにどうして相方の方を見て年齢を決めるのですか?」

「それは…、」

「それはではないです、私達はただでさえ旅で疲れていると言うのに、宿屋で今、さらに疲れています。なぜでしょうかね?」

「いや、だから…」

 瑠は止まらない

「『いや』じゃないんですよ、もしかして、おじさんは宿屋の受付なのに人の年を間違うような失礼な受付なのですね。わかりました、私は今から『ここの宿屋は目の悪い受付がいるので年齢を間違える受付がいるので別の宿屋に泊まった方がいいですよ』と言ってきますので。」

 瑠はそう言って店をあとにしようとするが受付のおじさんは慌てる、

「わっ、わかったわかった、子供2人で6枚、これでいいんじゃろ?」

 瑠は顔は笑顔のままだが、目はぜんぜん笑っていないままで

「6枚ねー、迷惑料は?」

「うっ、なら迷惑料こみで5枚でどうだ?」

「3枚」

 瑠の表情は変わらない、

「4枚、これが限界だ」

 受付のおじさんはそう言って顔を伏せるのであった、渉も瑠に近づき小声で、

「もういいよ、おじさんが見ていてかわいそうだ」

「えー、あと少しなのに。まぁいっか、んじゃ後一個だけで」

 そういいながら瑠は受付から鍵をもらい受付となにかを話したあとその場を後にした。

 部屋に着くと渉は大きなため息をついた。

「お前本気で鬼だな、あそこまでいくと普通にクレーマーだよ」

 装備を脱ぎながら瑠は反応する

「いやー、あれくらいは普通だよ」

 お互いに装備を脱ぎ部屋の椅子に腰を落ち着けると渉はさっき瑠が何かを聞いているのを思い出した、

「そういえば、さっき受付のおっさんに名に聞いてたんだ?」

「あー、あれはこの町の奉仕団体ことギルドの場所を聞いてたんだよ」

 瑠は椅子を斜めにして座りバランスをとっている。渉はそれをハラハラしながら見ていた。

「それじゃあ明日はそのギルドに入って仕事受ける感じでいいのか?」

「だいたいそんな感じでいいか…、あっ」

 瑠の椅子は後ろに倒れそうになるが瑠は倒れる前になんとか席を立ったが、さらに倒れた椅子が瑠の足にぶつかり瑠は後ろに倒れる。

 渉はとっさに手をだし瑠の手を掴み何とか起き上がらせるが、手を引く力が強すぎたのか瑠はテーブルに顔をぶつけた。

「大丈夫か?」

 渉は瑠を起き上がらせた

「木っておいしいんだね」

「なんだ、大丈夫なのか」

 2人はそろそろ夜も遅いということで硬いベットで1夜を過ごした。

 朝になると窓からは日差しが届き、窓側で寝ていた渉の顔に直接あったた。

「……、」

 渉は眠いながらもベットから起きて窓を開けた。

 窓の外からは涼しい風が吹き渉の眠気を少し持っていってくれた。頭が少し働くようになり顔を洗いに廊下に出た。廊下にはもちろん水道はなくほかのお客さんがタオルをもって外に出て行く、渉もそのお客さんの後についていくと宿の裏手に出た。

「(ああそっか、井戸で顔洗うんだ)」

 そんなことを考えて順番待ち顔を洗い終えたのち自分の部屋に戻った。

 部屋に戻ると、瑠はまだ布団の中にいた。

「いいかげん起きろ!」

 渉は勢いよく布団をはがした、

「えっ…、」

 瑠は布団を取られたので、顔に窓からの日差しが当たった、

「んっ…、あれ、おはよう渉さん」

 瑠は仰向けで寝ていたのだが、服は何も着ておらず全裸だった。

「服着ろ!」

 瑠の荷物から服を思いっきり投げつけた。

 朝の騒動を終えた2人は朝食を食べるために宿の食堂に来ていた。メニューは黒パンに野菜の入ったスープだった。味付けは良く言えば素材の味がよく出ている。悪く言えば、塩味の野菜スープだった。

「うーん、鈴木さん的にはありなんだけど」

「いや、これは無いな。味しねーじゃん」

 そんな会話をしているうちに朝食を終え、宿を出た。

 町は昨日と対して変わらずに店を出していたり、客引きをしていたりと特になにもなくギルドに着いたのであった。

 扉を開けると中はたくさんの人たちが行き来をしていた。奥にはおそらく依頼を受けるためのカウンターにはたくさんの人達が押し寄せていた。その中で人があまりいないカウンターに行くことにした。

 受付に行くと30ぐらいの女の人がいた。

「こちらは冒険者登録所になります、ご登録なさいますか?」

 どうやらちょうど登録所だったようで渉が受付済ますことにした。どうやら昨日のことが頭に過ぎったのでそれで瑠にはまともな人とは交渉はもうさせないという決意をひそかに固めていたのである。

「えーと、2人登録をしたいのですが」

「ではこちらに記入お願いします」

 机から記入表を出されるが、どうやらこの国で使っている文字は日本語ではないようで、渉には読めなかった。そんな風にあたふたしてると。受付のお姉さんは何かを察したようで、

「もしかして、字が書けないようでしたらこちらが口答で質問いたしますので」

「えーと、お願いします」

 渉はギルド内をうろうろしている瑠をつかまえて登録をした。

「それでは記入が終わりましたので、次は実践に移りますので奥の部屋でお待ちください」

 瑠達は奥の部屋にとうされた。

「こちらの部屋ではあなた達の実力を測らせていただきます」

「えーと、それはお姉さんがやるのでしょうか?」

 渉は恐る恐る聞くのだが、お姉さんはニコニコしながら、

「私達事務員は最低でもBランク以上のダンジョンには入れるような力はありますので、本気でいらしてくださいね」

 お姉さんはそう言って服を脱いだ。服の下には、うすい布の服を着ていて、手にはグローブをはめていた。

「さぁ、2人ともかかって来なさいな」

 



後編につづくよ!

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