再出発
私は決して犯してはいけない罪を犯した。だから、罰が与えられたのだ。
ガタンガタン。電車に揺られること三時間、私は目的地に着いた。私が住んでいたところよりさらに田舎。
《相田千村》
私は今日からこの村に住む叔母さん夫婦の所にご厄介になることが決まった。駅の待合室で叔母の彩里さんと合流する事になっている。相田千村は人口は三百人弱の小さな村だか、そこにある相田高校は知る人ぞ知るエリートが集まる高校らしい。なんでも、わざわざ東京から下宿させてでも通わせる親もいるらしい。では、なぜ知る人ぞ知るのかと言えばそれは立地である。都市伝説とかなんとか言われているらしいが、ちゃんと実在する。もより駅から相田千村まで車で一時間。それも山の中。相田千村に知り合いでもいなければ山の中で遭難するような場所にあるのだ。まさに、厄介払いするにはちょうどいい……。
「あら~、こんなにおっきくなったのね。叔母さん驚いたわぁ」
姉御肌の叔母さん、最後に会ったのは3年前のお正月。
「これから、お世話になります」
叔母さんは私の肩を軽く叩くとにぱっと笑った。
「相変わらずのお外行きスマイルね。でも、大丈夫よ。ここから行くところはきっと、ユーリにとって有意義なものになるから」
私が保証するわと茶ちゃめっけに笑う叔母さんに私はつられて笑ってしまった。
「約束ですよ?」
「えぇ、約束よ。まかせてなさい」
叔母さんの真っ青な車に乗り込むとアップテンポなJポップが流れていた。意外だった。結婚する前の叔母さんはオーケストラとか、オペラとかそんなイメージだったから。実際、県のオーケストラでハープをひいていた。
「あ、驚いたぁー? 私もまさかこんな今どきの曲をかけるようになるとはねぇ。ユーリ、田舎だからって油断すんじゃないわよー。私見たいになるから」
それはどういった意味なんだろう? 凄く興味がわく。やっぱり、叔母さんって凄い。ここに来ることに何も感じていなかった私に興味を湧かせる。
「どうして?」
「あ、興味持ったね! いよー、もっと興味もって」
ハンドルを操作している手の片手をピースして私の目の前に持ってくると直感っと叔母さん。フィーリングって事何だろうけど……。フィーリングと言う言葉は高梨悠莉にとって、無縁の言葉。
「あー、もう! すぐそうやって暗くなるんだからぁ。大丈夫よ。ここにはあんたの王子様がいるから」
思わずジトメで叔母を見てしまった。あの年で王子様とかちょと痛い……。
「今、失礼な事考えたね? 本当にいるんだからね王子様」
「叔母のメンクイ、浮気」
「失礼しちゃうわねぇ。相田千村のアイドルなんだからぁ、セーフよ、セーフ。ほら、着いたわよ」
叔母さんから視線を目の前に写すと写真の中のような田舎町が広がっていた。
「ほら、降りんさい。ようこそ、相田千村へ」




