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SAMURAI―侍ー  作者: megu
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第2の戦国時代

こんにちわ。meguです。この話結構長いので頑張ってついて来て下さいね。OKならどうぞ~

西村アヤメは、この日仕事場へ向かって歩いていた。

しかし、彼女の仕事場は普通の会社や企業とは違う。


かといって、俗にいうブラック企業などとも違う。

彼女の仕事場は…いや、その前にこの世界の説明からしなければなるまい。


ここは、現代の日本である。だが、実際の日本とは少し異なる。幕末に終わりを遂げた筈のサムライの時代が、20年前に、再び幕を開けたのである。


しかし、文化も文明も大きく変わった日本において、それは災いでしかなかった。


正しい武士道なども知らない輩が、いたずらに刀を握り、乱暴狼藉の限りを尽くした。


更に、今までの秩序と平和に抑圧されていた犯罪組織や無法者、異能者たちがのさばり、混沌は日本のみならず、全世界に広がりつつあった。


やがて人々は、今の時代を、「第2の戦国時代」と呼ぶようになっていた。


…東京都池袋の一角、ビルの隙間に押し込むように建てられた貧相な小屋。アヤメは、そこに入っていく。


ここが彼女の仕事場である。ベニヤ板を張り合わせて作ったようなこの小屋は、先ほども言ったように貧相極まりない。入口には無地の白いのれんが掛けてあり、

その上の看板にこう書いてある。


『サムライの事務所』


アヤメはのれんをくぐり、事務所に入る。


「おはよう皆!!」


彼女は元気よく挨拶する。事務所内には、既に3人のメンバーが集まっていた。


「おはようアヤメ」


彼女の恋人とおぼしき男性が一番に反応する。


「おはようシュラギ。…って、朝起きた時におはようって言ったじゃないの」


アヤメは腰に手を当てて怒ったようなポーズをとる。


「ゴメンゴメン、あんまり遅えからよお」


そう言うとシュラギと名乗る男性は、アヤメの頭を撫でる。その力は強く、彼女の金髪がグシグシと音をたて、豊満な胸が振動に一周期遅れて波打った。


シュラギは少々乱暴なきらいがあるようだが、2人の仲は円満と言っていいだろう。


「朝から仲がいいな」


和服を着た黒髪の男性が、柔らかい物腰で言う。


「おはよう牙。ゴメンね、待たせて。レオも待ちくたびれてない?」


アヤメが牙と呼ぶ男性の後ろに、銀髪でやや斜に構えたような少年が立っていた。彼の名はレオと言うようだ。


「別に待っちゃいねえけど…何やってたんだ?」


レオはアヤメに尋ねる。


「今日の仕事をするにあたって"敵さん"の情報を仕入れてから来ようと思ったの。だからシュラギには先に行くよう言ったわ。皆にまとめて説明したほうが早いしね」


「なるほどな…だがシュラギはそんな事言っておらんぞ」


牙が少し古風な口調で言う。


「ええ!?シュラギ!!皆に宜しく伝えといてって言ったじゃない!」


「いや…細かい部分言い忘れちまって…」


「もう!!」


アヤメは、少しご立腹の様子。シュラギもバツが悪そうだ。そこへ牙が相づちを打つ。


「まあ、シュラギらしくて良いがな」


「じゃあチクるなよ!!」


漫才のようなやり取りをする3人に、レオが口を挟む。


「遅いと言えば"アイツ"はどうした?」


レオの口振りからして、もう1人のメンバーがいるようだ。


「何か遅れて来るらしいよ」


「そうか…」


「早くしないと"敵さん"が移動してしまうから、とりあえず仕事にかかりましょう」


…彼らの仕事は、混乱した世界を元に戻すために日々戦うという物だ。今日の仕事内容は、街に潜伏したテロ集団の鎮圧である。こういった討伐系の仕事が主である。


「敵は"竜神党"。近頃勢力を拡大しつつある組織で、新しい手に入れた兵器とやらで大量殺戮を計画しているって話よ」


アヤメはどこから仕入れて来たのか、敵の情報を語る。彼女の持ってくる情報は、非常に確実なものである。


「奴等の居場所は?」


シュラギがアヤメに質問する。仕事のスイッチが入ったのか、表情はいたって真剣だ。


「街はずれの廃墟よ」


アヤメは答える。それに続くように牙が切り出す。


「恐らくは時代の混乱に乗じてばか騒ぎをする有象無象の一角だろう」


「俺らだけで何とかなりそうだな」


牙が言い終えると同時に レオは、誰に言うでもなく話した。少し軽率とも取れる発言をアヤメが諭す。


「レオ、油断は禁物よ」


「別に油断しちゃいねえよ」


「…まあ、"アイツ"を待ってて戦況が変わってしまうと困るから行きましょうか」


「ああ」


「だな」


「一応、場所をメールで教えておこう」


アヤメはそう言うと、メールに地図を添付して送信した。


数秒後、某所でメールの着信音が鳴り、その携帯の持ち主とおぼしき少年が画面を見る。


「アヤメからか…。これは直接現場まで行った方がよさそうだな」


面倒臭そうにつぶやきながら少年は携帯を閉じ、歩き出す。彼がこの物語で最も重要な役割であることを、彼自身も知りはしない。

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