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「ガラス パントマイム 貨物」

作者: 桜河

久々の投稿ということで、リハビリも兼ねて。



ひどいです。

色々と・・・。


 真っ白な部屋。

 そこには、家具というものが全く存在していない。

 ドアも、窓も見当たらない。

 壁に絵などがかかっていることもなく、ただ真っ白い壁紙が見えるだけだ。

 そこに俺は立っていた。


 先程、ドアも窓もないといったが、俺の見つめる先には1枚の大きなガラスがあり、部屋を2つに仕切っている。

 そのガラスの向に、もう一人。

 ただ呆然と立ち尽くしている男がいた。

 そう、彼が俺の観察対象なのだ。

 研究のため、必要なデータを取っている。


 しばらくすると男は、ウロウロと動き出した。

 現状を把握しようとしているのだろう。

 壁を叩いたり、床を思い切り踏みつけたりしている。

 もちろん、そんなことをしても外に出れる訳がない。

 そのうち、男は俺と彼とを隔てる、ガラスの方へ近づいてきた。

 当然、あちら側からは、見えないようにしてある。

 壁のようにしか見えていないだろう。

 こちらから見ると、ガラスはとても透明で。

 あちらから見ると、ただの真っ白の壁で。

 その壁を叩いている姿をガラス越しに見ると、パントマイムでもしているかのようで、とても滑稽だった。


 しばらく動き回っていたが、出口もなく、体力を無駄に使うだけだと考えただろう。

 男は床に座り込んだ。

 今までのことでも、思い出しているのかもしれない。

 これも、また、現状把握の一種と言えるだろう。

 そのうち、考えることもやめ、休養をとるために男は寝てしまった。

 その間に、自分も休憩する。


 そんな日々が3日続いた。

 だが、男の体感時間はもうすでに狂っているようで、長い時間を過ごしたと思っているようだ。

 衰弱も激しい。

 精神にも異常をきたし始めている。

 データもそれなりに取れた。

 そろそろ、実験も終わらせよう。


 そう思ってふとある考えにたどり着く。

 周りを見回しても、出口というものが存在しない。

 では、自分はどうやって出入りしていたのか・・・

 その記憶すらない。

 いつも記憶はこの部屋から始まっている。

 目の前の、男がいる部屋と全く同じ作りの部屋。

 よく見ると、あの男も見覚えがあるような気がする。

 そう、あれは、俺自身・・・?

 ということは、今ここにいるのは誰だ?

 そう思ったとき、ガラス越しの男と目が合った。



 様々な実験用のためと思われる、器具や機械に囲まれた部屋で、結果報告のための資料を作りながら、二人の学者らしき人物が話していた。

 「今回の実験、いつにも増してひどいものでしたね」

 「たしかにな。当初は、いつもどおり何もない部屋に閉じ込めて、行動パターンや、精神異状に至るまでの過程を観察するだけの予定だったが・・・」

 「まさか、閉じ込められていたことをすべて忘れてしまうなんて」

 「まぁ、そのおかげで、失った期間の行動を、当人に見せるとどうなるか、という一風変わった実験もできたわけだ」

 「あれは、きついでしょうね・・・」

 「そう、気に病むこともないだろう。どうせ、この実験は、死刑執行が確定したものにしか行われないんだから」

 「まぁ、そうですけどねぇ。最後ぐらい幸せでいたいじゃないですか」

 「そう思うなら、犯罪をしないことだな」

 「ははは、確かに。で、このあと彼はどうします?」

 「あぁ、もう使い物にならないからな。いつもどおり、貨物としてダンボールに詰めとけ」

 「送り先は、地獄とでもしておきます?」

 資料もまとまったのか、笑いながら二人は部屋を後にした。

すごく、後味の悪い話です・・・

そして、相も変わらず訳が分からない。

やはり文才はないみたいです。


お題を考えていただきました、とあるSさん、ありがとうございました。

また、この駄文を読んでくださりました、皆様に感謝しております。

では、稚拙で、読みづらい駄文にここまでお付き合い頂きありがとうございました。

批評等していただけると感無量です。

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