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熟れない吟遊詩人  作者: つにお


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7/7

裕福な庶民

 小鳥が(さえ)ずる暖かな春、宮廷内には妙な噂が流れてきた。

 どうやら、庶民のほうで、またもや、娯楽新興があったらしく、そうして、各地において、その流行の兆しが伝播しているのだという。一度、その土地に新興が訪れれば、()()は活況を呈し、民衆の暮らしは豊かになった。そうして、その新興の源泉は不規則に移動し、留まることを知らなかった。

 勿論、宮廷が、その新興を邸内に招き入れようとすることはなかった。しかし、その源泉が、元貴族の中から誕生し、対立していた民衆と共に手を取り合ったというのは、紛れもない事実である。

 とはいえ、発芽不良の種から芽吹いた若芽が、その身に花を咲かせるのは、まだまだ先のことであった。


 

吟遊詩人

黄金(きん)の鳥籠 塔の上 私はそこから 下を眺めた 「かわいそうに」と 手を差し伸べて それが愛だと 信じていたの

 霞が晴れて 風が吹く 継ぎ接ぎだらけの このジャングラ 一度壊れて やっと響いた 本当の音は まだ聴こえない

 飾らぬ指で 拙い愛で 教えてくれた あたたかさ 上手な言葉も 綺麗な声も 今の私には もういらない

 今はまだ 熟れない詩人 苦くて渋い 歌だけれど いつかの旅路の その果てで 誰かの胸に 花咲くように」 


  

 腕利きの師範が、新刊の詩歌集にて、世間知らずで熟れない弟子の名前を見つける度、どこかの吟遊詩人が名詩を奏でている。

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