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はじまる2

〜前回までのあらすじ〜

本日推し襲来


 忙しなく部屋の中を歩き回って3分に1度は鏡を見て自分の姿をチェックする。


「ねえ悪役令嬢に見える?」

「あくや…?はい毒々しい近寄りがたいご令嬢に見えます」


 今日も忠実なる(?)護衛のダルケルは毅然と答えた。


 昨夜絶叫したのも束の間、今日は婚約者かつゲームの攻略対象であるレオンがくるらしい。ぶっちゃけ他の攻略対象はいるけど正直あまり覚えてないしレオンとヒロインをくっつけることしか頭にない。


 昨日は正直動くレオンを見れると言うことで8時間くらいしか寝れなかったけど準備はバッチリなはず!!!


 そしてみんなに言っておきたい!ここで初めての転生だからと言って清楚めな格好で出迎えたり、改心したので私と別れてくださいとは言ってはいけないのだ!


 入学式の出会いまで私とレオンは険悪でなければいけない……!!!そして他の攻略対象も探ってルートを潰す!!

2人の運命は私が握ってるのよ……!!!


「なんかすっごい悪い顔してますけど悪役令嬢ごっこ?ですか?」

「はっ……!ごめんなさいついストーリーの采配が自分にあると思ったら権力者になった気分になっちゃって……」

「実際あなたは伯爵令嬢なので間違ってないですよ」


 なんてことないようにダルケルは言うけど伯爵と公爵の差はかなり違う。伯爵だってかなり、いや言葉では言い表せないほど贅沢な暮らしはしているけど公爵は比じゃない。


 前世が一般的なOLだった私じゃ理解できないような金銭感覚でこの家は回っている。


「ねえ、レオン様はどうして私のこと嫌い……なんだっけ?」

「なるほど、そこからですね。まずお嬢様自分の能力のことは?」

「あっ……治癒能力のこと……?」


 思わず両手を見る。確かゲームだと悪役令嬢でありながら治癒能力に優れていたはず。ただそれはめったに他人に使うことはなく余計に顰蹙を買うのだ。医者だとしたらかなりのチート能力だけどな……


「レオン様は愛想は良くないにしろ聡明な方です。災害があった時は自身のお店からタダで被災者に食べ物や物を配ったり、建物を提供などする慈善事業もされる。

 レオン様がそう言うお考えである中、お嬢様のように自分さえ良ければいい、治癒してもらいたければ対価を差し出せ、という考えの方は嫌悪されるでしょうね」

「な、なるほど……」


 セレナ・ヴィクトリア外道すぎる。もうその体に入っちゃってるわけだけどそれにしたってこの体?元の持ち主にドン引きだ。


「というか……レオン様って意外と慈悲深いのね」


 ゲームだとヒロインにしか優しくないイメージがあったけど陰で人のためになる活動をしていたのか……ゲームでは見れなかった意外な一面に思わず胸をときめかせる


「というか婚約者になるとそこまで知ってるのね」

「いやお嬢様がレオン様のことは全て調べろと」


 にっこりとなんでもない言うふうにダルケルは言うけど……

 ……やっぱあんたが1番怖い!!!


「実はね、私記憶喪失になったでしょ?」

「はい」

「そしたらあまりレオン様のことも魅力的に思えなくなっちゃって……」

「あのお嬢様が!?レオン様に会いたくて極悪非道な方法で何かと会うことにかこつけていたあなたが!?」


 過去のセレナへ。お前の評判どん底です。猛省なさい。私も私でどんだけ厄介なキャラに転生したんだ私は!!

 心の中で嘆いてても状況は変わらずもうやるしかないと腹を決める……決めたい……けど護衛でこの態度。周りはもっと悪い印象なんじゃ……ああ、この先のことを考えると胃が……


 と言うかレオン様はかなり私のこと嫌いそう。全然嫌ってていいんだけど推し2人を間近で観察できるくらいの好感度は上げておきたい。


 ……好感度?


「それだ!!!」

「情緒不安定な感じですか?」


 ダルケルの失礼な言葉を大人な私はスルーしつつ、今後の計画を頭に浮かべる。最初は2人を応援しようとして自分は断罪されない程度に悪役令嬢をしようと思ったけどみんな幸せになれそうなルートをひらめく。


「そうよ、2人と友達になればいいんだわ!

よくある友達の恋愛を応援して恋のキューピッドになるあの第三者!そしたら断罪もされないし間近で2人のこと見れるじゃない!!!キタコレ!!!」

「……とりあえずお嬢様が変な方に暴走してるんだなってことはわかりました。止めません」

「ダルケル!とりあえず今日はレオン様に嫌われないようにする!友達になりたいの!」


 レオン様Wikipediaのダルケルに詳細を聞き来たる推しに備えて私は準備するのだった。

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