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反省会4

〜前回までのあらすじ〜

推しカプ以外のキャラとイチャイチャしちゃった。


「ぎゃあああああああ!!!死ぬううううううう!!!」


 伯爵家ご令嬢にぴったりの部屋の広さ、高級品と一目でわかるほどの調度品が多く置かれている貴族に相応しい部屋のど真ん中で、ご令嬢とは真反対の奇声をあげているご令嬢――……セレナ・ヴィクトリアはベットの上でそれはもう端から端までフルに使って寝転がりながら悶えていた。


 は、恥ずか死ぬ……!!!先ほどから何度も頭から無限脳内リピートしている。ノア様に口説かれたこと、デート中に見せた笑顔、最後は手を握られて――……


「ひゃああああああああ!!!」

 足をバタバタしてはいけないと思いつつ気づけばずっと足がバタついてる。むり。恥ずかしすぎる。顔が真っ赤になりすぎてもはや熱出てそう。熱くなりすぎてる顔を枕に押し付けどうにか熱を冷まそうとするもなかなか熱が冷めそうな気配はない。足もだるくなってきた。


「お嬢様ずいぶん元気ですね。俺と稽古でもしますか?」

「お茶でも飲みますか?」


 悪魔と天使のような誘い文句を聞きようやく現実世界に意識を引き戻される。ダルケルは後で覚えておいて欲しい。


「なんかもう私が私じゃなかったみたい……」

 頭がぼーっとしていまいち考えがまとまらない。今日の出来事が夢だったんじゃないかとすら思ってしまう。


「お嬢様とダルケルの分お茶入れましたよ」

「ありがとう」


 天使のニーナがお茶を入れてくれたのでなんとかベッドから這い出てお茶が置かれている椅子に座ろうとしたのだが――……


「……!」

「お嬢様それ何回やるつもりなんですか」

「も、もうこれで最後よ!」


 そう、テーブルの上には色とりどりの花が置かれているのだ。赤面の理由はこれである。花瓶にさしてある花をつつきながら呑気にダルケルが口を開く。


「ノア様もやりますよねえ。デートの帰りに花束をくれるだなんて、そう言うタイプには見えなかったんですけど」

「お嬢様にはレオン様がいますのに」

「でもレオン様がお嬢様のことを散々悪く言ってたから遠慮する気配なさそうですよね」

「完全に取りにきてますよね」


 好き勝手言って盛り上がってる従者たちを横目に紅茶を飲む。あ、これ今日ノア様が注文してくれた紅茶と同じものだ。

あそこのカフェ素敵だったな……。はっ!

 首をブンブンと振って頭の中で浮かぶ今日の出来事を取り払う。色ボケしすぎだぞ自分!!!しっかり!


「こうなったらレオン様とは完全にお友達になって婚約破棄を本格的に進めたほうがいいのでは?」

「私もそうしたいんだけどレオン様がなぜか婚約破棄まではしたくなさそうなのよね……」

「それはそうですよ」


 ケロリとなんでもないようにダルケルが空気を読まずに言ってのけた。


「なんで?」

「そもそもあなたはご両親に頼みまくって、ようやくレオン様と婚約関係にありつけたんですよ?これを解消するには両家の承諾が必要になるので簡単に思いつきで婚約破棄はあまり得策には思えませんね。」

「「なるほど」」


 ダルケルが言ったのは本当にその通り過ぎる。あらゆる手を使って婚約者にまでなったのだからそう簡単には破棄できないのは間違いない、けどヒロインとくっつけるためには婚約破棄はマストだ。せめて入学式前には2人が堂々と付き合えるような環境は整えておきたい。入学まであと9ヶ月。

なんとかなる……気がする!というかしてみせる!心の中でそう意気込んでいると、「そういえば」とダルケルが切り出す。


「お嬢様さっきからなんでこの花を見て赤面するんですか?貰っただけでしょう?」

「確かに。プレゼントに慣れていないとはいえ過剰な反応に見えますね」

「や、そ、それは……その。まあまあ。」


 言葉を濁しつつ紅茶を勢いで飲み干す。勘弁して欲しい。そこを深く聞かれてしまうと色々と思い出してしまう。また徐々に頬が熱くなるのを感じる。だってあの時は――……


『な、なんだか今日一日あっという間でしたね!』

静寂に耐えきれず、場の空気を壊すかのように声を張り上げて気を紛らわせる。この雰囲気をなんとかぶち壊さねば。ノア様ルートが始まってしまう……!

 

『……これを』

ノア様が少しだけ迷うように目を伏せながら、差し出してきたのは、ノア様の瞳を彷彿とさせる赤を中心とした花束。彼の手の中で静かに揺れるブーケに目が釘付けになる。

 

『え?』

『今日付き合ってもらった礼だ。受け取ってくれ』

『あ……ありがとうございます』

『どうした?』

『い、いえ……男性から花なんて初めてで……その、顔、赤くなっちゃいますね……。今日の思い出として、とってお、』

 

――最後まで言わせてもらえなかった。

私の早口をそっと塞ぐように、人差し指が唇に触れた。驚いて彼を見上げた瞬間、ノア様は私の耳元へ顔を近づけてきて――

『レオンとの婚約を破棄したらすぐに連絡をくれ』

『……え?』

『すぐに迎えに行く。君の薬指、予約させてくれ』

息が止まるかと思った。

ノア様の声は、ただ低くて優しいだけじゃない。甘さの中に、確かな熱と覚悟があった。耳の奥に響いて、言葉の一つひとつが痺れるほど溶けていく。腰に変な感覚を覚えてしまった。


それなのに、あんまりにも簡単に、さらっとそんなことを言うから――ずるい。


 ――――……。


「お嬢様?」

 今日あった出来事を頭の中で思い出していると目の前にはドアップのダルケルの顔。なかなかこちらもお顔が大変よろしいので思わず椅子ごとのけぞって距離を取る。

 

「いやいや!本当になんでもないよ!?」

「「ふーん。そうですか」」

「ニーナまで!?」


2人の察した様子に居た堪れなくなりながら紅茶を飲み干して熱くなっている体を休ませるために寝る準備を手伝ってもらうのだった。


今年の抱負は更新を頑張ります。週1を目指して頑張りたいですね。

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