ダブルデート編4
〜前回までのあらすじ〜
全員自由(私除く)
「見てみて!これなんて言う植物かしら?」
「これは隣国のオリオンで採取された――」
「もう!アーサーってば物知りさんなんだから〜!」
ダブルデートをご存知だろうか?おっと、前の私が説明済み?それは失礼。ただ貴族社会と魔法を詰め合わせた欲張りセットが舞台のこの世界でもカオスな空間は存在する。そうここだ。具体的に言えば私たち4人を取り巻く空気。
相変わらずノア様は私を名乗らせてくれないしなんなら名前を呼んではいけないあの人みたいな扱いになってるし、シアー様は婚約者殿とラブラブしておられる。ラブラブしておられるってなんだそんな尊敬語あってたまるか。
「あ!素敵〜!この花可愛い!あーあ。ドアルがいれば写真に残せたのに!」
「ドアル?写真?」
思わず気になった言葉を口に出してしまう。写真ってこの魔法の世界にも存在してるの……?
「最近社交界で話題なのよ!幻術魔法を応用した簡単な魔法なんだけど上級レベルになれば写真と言って残したい瞬間を紙に残すことができるのよ」
「そうなんですね。ドアルっていうのはものの名前ですか?」
「うふふ。あなたってば面白い。人の名前よ!幻術に長けた魔法使いが写真に残すの!」
なるほど。要はこの世界ではカメラで誰でも写真を撮れると言うよりも専門の人がいなければ写真には残せないらしい。良いことを聞いた。なんとなく依頼料が高い気がするけど写真に残せるならヒロインとレオン様の写真はなんとか残せそう……。出会いスチルまでになんとか用意できないかな
思考に耽っているとシアー様が声を上げた
「あ!あそこにカフェがある!ちょうどお昼よね?行きましょ?」
「朝飯あんなに食ってたのに?」
「ノアったら女の子にそう言うこと言ったらダメでしょ?」
「従姉妹」
「もー!罰としてノアは全員分買ってきなさい!」
「いつものことだろ」
言い争いながらも見晴らしの良い席がいてたので各々席に着くとカウンターで注文式らしくノア様が注文をしに行った。何もかもがスマートすぎる。
ノア様も馬車の中ではあんなに私に話しかけてきてたのに植物園を回ってる時に口数が少なくなったのも家族の前では口数が少なくなるお年頃なのかもしれない。そんな年相応の姿をほくそ笑んでいるとシアー様がにんまりと笑いながらテーブルに肘をついて私の前に身を乗り出した。
「ええと、なん、でしょう」
「やっと聞くことができるわ。あなたのお名前は?」
少し驚いた。さっきの奔放さが嘘のように今は落ち着いているお姉さんの雰囲気を持ち始めたから。そんなにノア様と年齢が変わらないように見えるけど大人っぽい人だな。
「セレナ・ヴィクトリアと申します。ご挨拶が遅れてすみません」
「セレナちゃんね!いい名前!ねえアーサー可愛い名前だと思わない?」
「そうだね、こんなに可愛いとノアも名前も教えたくないわけだ」
「それについてですが誤解だと思います!」
慌てふためきながら訂正する。あの人は私をおもしれー女枠で今は構ってきてるだけで本命ではない。絶対に。
そう焦っていると姉というより母、と言う言葉が似合うほど優しい笑みを浮かべたリム様がいた。
「でもね、あの子にとってあなたは特別なの」
「何て聞いたのかはわかりませんが私はそんなに褒められた人間じゃないんです。たまたまノア様を先入観まみれでみてた人がいてその人に怒っただけというか……」
「それがいいのよ。むしろそれが大事なの」
「え?」
「ノアはね、あの見た目だからまだ14でも色んな子が寄ってくるし勝手に取り合いが始まるくらい女の子が寄ってきたの。しかも変に魔法が使えちゃう貴族の子が多いから魔法を使ったケンカも始まっちゃうのよねえ」
……取り合う!?魔法を使った喧嘩!?モテすぎる男怖すぎじゃない!?
「あなたはもう知ってるかもしれないけど、あの子は見た目と違って甘いものだったり結構可愛いものが好きなのよ」
「パーティーでも言われてるのを見ました。けどそれってそんなに気になることですか?」
なんてことないように言ったらシアー様は目を見開いた。その顔ですら美しい。額縁に飾りたい。
あのパーティーの日にも言われてたし、見た目が硬派な人に限って可愛いものすぎはもはや乙女ゲームキャラあるあるである。王道。王族なだけに。はい、まじめになりますすみませんでした。




