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ダブルデート編2

「ねえ、変なところはない?」

「お世辞なく美しいですよ」

「ストーカーには見えないです。普通のご令嬢に見えます」

「ダルケルは普通の感想は言えないわけ?」


 この世界のオシャレがいまいちわかっていない私のためにもニーナがコーディネート、ダルケルが男性目線でアドバイスをして来れたおかげで私的にもかなりオシャレでデート向けの服装になったのではないかと思う。


 正直転生してからレオン様の時にはここまで着飾ってないな……。よほど2人ともダブルデートに気合を入れたいのだと言うことが伺える。


 鏡の前でくるりと回るとそれはもう初日で見た悪役令嬢から脱出したように思える。最初は清楚系で行くのはやめたかったけどいざ生活してみると清楚な服装の方がセレナの顔に合うのである。


 相変わらず自分の顔の美しさに惚れ惚れしていると支度が終わったのか、ダルケルが帽子とバックを持っていてくれている。それを見ていよいよ今日はダブルデートの日なんだと改めて気合を入れ直す。みんな!オラに元気をわけてくれ!!!


「ふう……じゃあ、行くわよ!!!!戦場に!!!」

「「どこへ行く気ですか」」


 頼りになる2人のツッコミを聞きながらダブルデート<<決戦の日>>に向かうのであった――が、


「な、な、な、なんでノア様がうちに!?」

「ごきげんようセレナ嬢、今日はよろしく」


 玄関に出た先にいたのはそれはもうほんとに見た目にスキルを全振りしたノア様がいらっしゃった。やばいほんと現実では見たことないレベルの美しさ。神様とか言われた方が納得できる。


 色んな意味で固まっている私を見て、ふっとそれはまたイケメンにしか許されない笑い方をしたノア様は恭しく私の手を取って馬車の方に腕を引っ張られる。


「……!?」

「エスコートすると言っただろう。迎えに来るのは何も不思議なことではないが?」


 ほんとにエスコートしてくれるの……!?思わず胸が高鳴る。おとぎ話でしか見たことないようなキラキラした王子様が私に手を差し伸べて来れている。その事実にすごく胸が高鳴ってしまう。何よりこの世界に来てこう言った女性扱いをされるのが初めてで顔が赤くなる。


 そしてそのままさりげなく手の甲にキスされる。


「ちょっ……!?」


 もうさっきからドキドキしすぎてまともに声を出すことができない。こんなに美しすぎる見た目の人間がアプローチ強いなんてもう普通の人なら鼻血の出過ぎて貧血になるって!


「噂と違って随分初心だな?」

「そ、そんな、」


 ことない、と言いたくてもそれを言えないくらいには頭の中はパニックになっていた。私はドキドキしすぎて馬車に行くまでに足が不自然に震えながら向かうが腰を支えられながらなんとか馬車まで辿り着くことができた。


 この人心臓に悪すぎる……!もはや家から出てない状態でHP 0になっている気がしてならないが、前途多難のダブルデートが幕を開けた。


 馬車の中に案内されるとこれまたびっくり。伯爵家の馬車もなかなかだと思っていたがさすが王族、何もかもが高級品であることがわかる。座る部分だってふかふかだし、内装も素敵。派手すぎないがこだわっているものが細部にまで渡っておりこれはさぞ道中快適だと思――……


「……」

「……」

「……」

「あの、ノア様」

「なんだ?」

「向かいにもソファがありますが……」

「あるな」

「……」


 ノア様は優雅に私の主張を無視しながら私の背もたれ部部に肘をついて髪の毛をくるくる掴んで渡している。もうやり方がホストじゃない?ノア様の副業ってホストだったりする?


「レオンとはデートをしたことがあるのか?」

 

 うーん。微妙な質問だ。あれはデートと言っていいんだろうか。思わず眉間に皺がよる。おっとっと、せっかくニーナにメイクしてもらったのが台無しになってしまう。

 この間声をかけるタイミングが分からず庭に佇んでやっとこさ誘われたカフェはデートというんだろうか?結局あの時も婚約破棄だとかラブラブな雰囲気にはならずレオン様は終始物思いに耽ってる感じだったからあれはデートとは言わないだろう。


 なによりレオン様との初デートはソフィアにしてもらいたい。という打算100%の結論に達したので――……


「したことないです」


 思わずキリッと答える。今日初めてこんなにきっぱりノア様に話せたことかもしれない。


「ほー?」


 面白そうに眉を吊り上げている。私は一体何を試されているの……。思わず身構えそうになるが予想はさらに上回った。


「ひゃっ……!?」


 グッと腰を寄せられ指先で顎を掴まれたと思った時にはノア様の方を向かされていた。赤目の吸い寄せられそうな瞳に私の顔が映るくらいには距離が近くまた羞恥を煽る事実にしては十分だった。


「……!」

「俺が聞いてた話だと男たらしなどと聞いてたが、この間のパーティーの時もいい男慣れしてないと見える」

「な、な、慣れてるはずないでしょう!?」


 耳に唇の感触を感じ手で押さえ、悲鳴に近い声を上げながらノア様と距離を取る。男の人の顔が近くにあるだけで恥ずかしさでいっぱいになって顔を背ける。


「可愛いな」

「!」

「パーティーから帰ってきたところ従姉妹にごねられてな?セレナ嬢の話をしたらいたく気に入っていて婚約者もいるしダブルデートしようなどと言っていたんだ。……思ったよりも楽しめそうだな?」


 わざと見せつけるように髪の毛をすくい毛先にそのままキスをする。もうドキドキしすぎて心臓が破裂寸前だった私には対処しようがなく脳内で暗算をして精神を統一するしかなかった――。

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