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全員揃ったパーティー5

「セレナ嬢?」

「レオン様……」


 ここで会いたくなかった人物に出会ってしまった。っていうかパーティーに来れるかどうか分からないって本当に来ない人の言い方してたから来ないと思うじゃない!?普通。


 だれにも同意を得ることのない疑問が頭にぐるぐると回るがそんなことをしても現実逃避にはならないことはここ最近随分学習した。


 相変わらずノア様のお美しい手は私の腰と肩にそれぞれ両手で添えられている。よほどこっちの方が婚約者に見られてもいいだろう。相変わらずノア様は私に身を寄せながら呑気に目の前のレオン様に話しかける。

 ……一応レオン様の方が身分は上なのですが……。


「今日は来れるか分からないって聞いてたが?」

「……家の仕事は終わったからな」

「パーティーがある日は仕事を無理やり作って不参加を決め込んでたお前が?仕事を終わらせてパーティーに?」


 よほど珍しいのか切れ長の目を見開くようにレオン様を見つめている。どこから見ても顔がいい。……タイプ過ぎる……。

 じゅるりとよだれが出そうになるのを堪えながら2人のやりとりが終わるのを待つ。


「来年顔を合わせる人間が集まるなら顔を見ておくだけでもいいと思ってな」

「俺の誕生日パーティーにも来なかったよな?」

「それとこれとは関係ないだろ」


 なんというか、2人はすごく気が知れてる仲なんだなって思う。すごく仲がいいようには見えないけどそれでも少し砕けているような雰囲気を感じる。


「それで?何をどうしたらお前が俺の婚約者と密着するようなことが起きるんだ?」


 気づけばレオン様はもう一歩、というところまで近づいてきていた。その眼光はなぜか鋭い。やっぱ美形のキレ顔もなかなかオツですな……ご飯3杯はいける……


「言い寄られてるところを果敢に助けてもらってな」

「セレナ嬢が?」

「本人に聞けばいい……が、お前は婚約者と話したくないんだろ?」


 レオン様が事実を確かめるような視線でこちらを見る。

「思わず物申してしまったとは認めますけど……あれは助けたとは……」


 言えるのか……?小首をかしげる。


「だからと言ってそこまで密着する必要はないだろう?手を離せ」

「ふん、婚約者だろ?お前がいつもうんざりするって言ってた」

「……!」


 反応を見る限り、本当に私と婚約するのが嫌だったのだろう。わかってる。本来私はヒロインと攻略キャラを邪魔する存在だってことは。そして断罪されないためにも少しでも仲良くなっているように仕向けて打算的に動いてるのも自覚している。


 けど、目の前の少し気まずそうなレオン様を見上げさっきまで焦ってた心臓の鼓動が落ち着くように感じる。

 直接嫌われてるのを見せつけられたら流石の私も心が痛い。


「それはっ」

「話すのも嫌だって言ってたよな」

「おい、何も本人の前で……じゃなくて、別に今の俺は」

「こいつはお前には興味がないそうだ。」


 辛辣な事実をわざわざ私に伝えながらも、肩に寄りかかられてめちゃくちゃテンションが上がってしまう。同時にテンションが下がることを言われ高低差すごくて耳がキーンてなるわ!と某芸人の逆を思い出してしまったがどちらにせよ心臓に悪過ぎる。


 レオン様が私の前に来て目を合わせる。どこか罪悪感を感じてそうだ。気にすることないのに


「気にしないでください。今まで私はそう言われても仕方ないことをしてきたので」

「セレナ……」

「レオンに飽きたそうだ。俺が相手してやってもいい。俺相手に怖気づかない女はそうそうにいないからな」

「おい」


 レオン様が声を上げると同時に私の左手はレオン様にしっかり握られていた。なんなら私とノア様を離そうとする強い意志が見て取れる。


「その腕を離してくれないか?過去に俺たちの間にはわだかまりがあったが今は解消したんだ。」

「セレナ嬢からそんな感じはしないが?むしろ離れたがってるように見える」

「それでも婚約者には違いない」


 落ち着いて会話しているように見えるでしょう。けどこれ私のことを引っ張り合いながら会話してるからねこれ。腕が少し痛いからねこれ。なんで2人して私のことを引っ張りあってるの?


「婚約者がいる身のご令嬢に近づくなんて無粋では?ノア殿」

「気になった女には声をかけないと礼儀に欠くのでな」


 と言いつつ、ノア様はあっさりと私の腕を離す。それを流れるように受け止めてレオン様の胸の中にダイブする。


「……!」


 やばい、めちゃくちゃいい匂いがして心臓がドキドキしてのぼせそう。ここの世界のイケメンって自然と体内でも香水作ってるの??ありえないことを考えてしまうくらいには頭が麻痺している。


「お前が女に興味を持つなんて明日は台風でも来るんじゃないか?」

「面白い女は好きだ」

「ちっ……」

「……」


 ノア様が思い出したかのように手で口を押さえながら笑う。無防備なその笑い方に思わず失礼だと思いつつも目が止まってしまう。


「あの状況で物申す態度……ふっ」


 多分さっきの私のことを思い出しながら話してるのかもしれないがこちらは居た堪れない気持ちになるのでやめてほしい。


「お前はまた言いたいことを言ったのか?」

「なぜかそういう星の元に生まれてしまって……」


 ジト目で非難されてるような気がしたが居た堪れなさからそっと目を逸らす。なんとかその場をやり過ごそうとするがレオン様の腕からは逃げることができそうにない。


「今は関係を一からやり直すという話になってるが、婚約者という立場には変わりはない。それを分かってるのか?」

「おっしゃる通りです」


 まああなたはヒロインとくっつける予定ですけどね……。私が。


「とにかく、変な虫がつくから今後は俺にもパーティーに出る時は声をかけろ」

「え?」

「なるべく合わせるようにする。……なるべく」

「レオン様……」


 心なしが少し顔が赤い気がするが気のせいだろう。

 レオン様の照れ顔スチルを拝んでいると少し遠くから小走りで寄ってくる足音が聞こえる。


「あーいたいた!ノーちゃん!」

転生もので日間ランキング83位ありがとうございます。

ランキング入ったことが驚きです。ありがたいです。

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