表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/18

はじめての転生

鏡に映る美しい顔、艶のある髪、細い首、豪華なドレス…。


「セレナ・ヴィクトリアだああああああ!!!!!!」


川田はるか。転生しちゃいました。



「待ってマジやばい聞いてない聞いてない何これなにこれ?」


豪華な部屋の端から端までルンバのようにくまなく歩いているのは私、川田はるかである。


ここは乙女ゲーム「ピュアラブ」の世界


説明しよう!!!!

ピュアラブとは冷徹で有名な公爵が自分と無理やり婚約を取り付けた悪役令嬢を嫌悪し一生を添い遂げなければいけないのかと人生に失望している中、聡明で優しいヒロインと恋に落ちて色んな困難を乗り越えながら愛を育むというめちゃくちゃ王道なストーリーなのである!推せる。


主な困難とは私!!!いえい!!

めちゃくちゃ邪魔、2人の邪魔をとことん余すことなくする。

私も邪魔だと思います。


私と公爵の婚約者になれたのは、私の珍しい治癒魔法のおかげで婚約者になれた。加えてセレナは公爵が好きで両親に頼みこむというゴリ押しっぷり。

セレナは公爵のことをめちゃくちゃ好きだけど公爵は恋愛にしか頭にないセレナには興味がないという徹底的な一方通行具合がすごい。一途。推せる。その冷たさプライスレス。


自分の地位と容姿しか見てくれない周りの人間にうんざりをして、愛すら知らない公爵がヒロインと出会いそこから私という障害を乗り越え2人は結ばれるーーーという王道だがワクワクするストーリーなのだ。ごちそうさまです。


え?とか言いつつお前悪役令嬢だけどなんとか改心して公爵とくっつこうとしようとしてるんじゃないか???

まさか!

そんな典型的なザ・はじめての転生悪役令嬢!みたいなことはするつもりはない。


なぜなら


「ヒロインと公爵カプのガチ推しだから…!」


めちゃくちゃ手を握る。熱い。今が旬。

そう、何を隠そう私はヒロインであるソフィアと公爵カプのガチ推し勢なのである。異論は認めないけどカプはなんぼあってもええですからね。


2人の関係性が好き過ぎて何度だって2人のルートしか見てなかった。他の攻略対象はよく覚えてない。幸せになれ。


ピュアラブの悪役令嬢に転生された私はつまり、2人が結ばれる様子を間近で見ることができるし私の手で2人をくっつけることができる…!ある意味プレイヤーとしての役割をリアルで全うすることができる事実に思わず拳に力が入る。


なにそれ最高。


2人が結ばれるまでの過程をまさかのリアル舞台で悪役令嬢という名のS席で観れる???私は前世でいったいどんな徳を積んだんだ?


断罪は怖いから正直回避したいけど推しはくっつけたい!


2人が出会うのは魔法学園の入学式、制服はゲームだと部屋に置いてあって今はない。ということは入学前ということ。


 なんとか2人をくっつけるため(あわよくばシナリオよりも感動的な出会い方にしたい)私はペンを握るのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ