とりあえず「下校」
「それじゃ今日はここまでね。皆気をつけて帰ってね〜」
と聖雪ちゃんの話を聞いて各々帰りの準備をする。
「やっと終わった〜」
「終わっね〜健は今日は帰るの?」
「する事無いし。來翔は?」
「今日は部活に行く〜」
「なら來翔一緒に行こうぜ!」
「別に良いけど〜翔吾部活棟に用事あるの?」
「今日は部活の前にミーティングがあるからな!」
志悠高校には部活棟という本校とは別の建物があり、教室分ぐらいの大きさの部屋を各部事に1つ渡させる。基本運動部は使う事は無いがミーティングなどの時に使われる。
「それじゃ俺帰る〜2人とも部活頑張ってな」
「うん!健またね〜」
「健また明日!」
俺は來翔と翔吾と話終えると昇降口に向かうため教室を出た。すると
「健ちょうど良かった」
「海玖かどうした?」
「桜姉さんからの伝言で帰りにスーパーによって欲しいんだって」
って言って海玖はメモ用紙を渡してきた。
「了解。今日はカレーなんだ」
「みたいだね。あ、後アイスもついでに買ってきて」
「いつもので良いんやろ?」
「アレで良いよ。それじゃまだ日誌とかやる事あるから今日帰るのいつもより遅くなるから」
「おっけー」
「それじゃ頼んだよ」
「海玖も頑張れよ〜」
俺は海玖と別れ昇降口で靴に履き替え学校を後にした。スーパーは学校から家に帰る途中にある。
「後はカレールーだけか」
俺はカレールー以外の具材をカゴに入れカレールーのあるコーナーにむかった。すると後ろから声をかけられた。
「健坊じゃん!」
「あ、漣さんこんちゃす」
話しかけてきたのは【須藤 漣】さんで俺の5つ上の人で、中学生の時にお世話になってよく遊んでいた。漣さんはとても友達思いの人で、俺自身数え切れない程お世話になった人だ。
「健坊は何してるん?」
「買い出しです。漣さんは何してるんですかこんな時間に?まさか仕事サボったんですか?」
「お前はいったい俺をなんだと思ってんだ?」
「いや大の社会人がこの時間にスーパーいるのは疑いますよ」
「よしお前が俺をバカにしてる事は分かった表出ろ」
「え、普通に嫌です」
「ならここで一発なぐ…」
「漣君何してるのかな?」
漣さんは話しかけられた方を怯えながら振り向いた。 だが漣さんと被って顔が見えない。
「え……いやコレは」
「一発なんだって?」
「それはその健坊が…」
「え、健坊って健君!?」
と漣さんと話してる女性と目が合った。そこにいたのは俺もよく知ってる人だった。
「あ、天音さんお久しぶりです」
「健君久しぶり〜元気にしてた?今高一だっけ?大きくなったね〜ちゃんとご飯食べてる?友達できた?」
「天音落ち着け健坊がそれやと答えれんやろ」
「あ、ゴメンね」
漣さんの後ろにいたのは【浮雲 天音】さんだった。天音さんは俺が漣さんにお世話になってる時にいたメンバーの内の1人だ。メンバーの中ではまとめ係で怒るととても怖く天音さんには逆らえるきがしない。
「天音さんと漣さんは2人して何してるんですか?」
「このバカの手伝いよ」
「手伝いですか?」
「このバカに子供が出来たから」
「え、子供ができた?」
「知らなかったの?」
「そういや健坊には言ってなかったな。俺子供出来たんだよ。まだ産まれてないけど」
「いつの間に子供が…」
「健君が珍しく動揺してる」
「そりゃ漣さんに子供が出来るって聞いたら誰でも驚くって」
「確かにこのバカが一児のパパになるんやからね〜」
「お前らはいったい俺を何だと思ってんだよ」
「バカ」
「天音お前…」
「何?今誰の手伝いしてるんだっけ?」
「な、何も無いです」
「相変わらず天音さんには勝てないですね」
「そういえば健君は何買いに来たの?」
「姉さんに頼まれてカレーの材料を」
「何だてっきり健君が作るのかと思った」
「いや俺料理出来ないんで」
「そうなんだ。なら今度料理教えてあげるよ!」
「いや迷惑じゃないですか?」
「全然大丈夫だよ。それじゃ日程を今から…」
「天音そろそろ良いか?待たせてるから早く帰りたいんだか?」
「そういえば漣の手伝いしてるの忘れてた」
「おい!…ったく、それじゃ健坊俺ら行くわ」
「またね健君」
「漣さん、天音さんまたどこかで」
そう言って漣さんと天音さんは帰っていった。俺はカレールーをカゴに入れレジを済ませ家に帰った。
「あ、アイス買うの忘れてた」
【黒瀬 來翔】[くろせ らいと]
健とは中学の時からの同級生で語尾を伸ばす癖があり、いつも眠たそうにしている。
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