14 千紘姉さんと映画
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ショッピングモールのシネマコンプレックスに到着。千紘姉さんは傘をたたんで持っている。
俺も千紘姉さんも映画を見るのが初めてだ。どうやってチケットを買うのかもわからない。他の客は券売機みたいなので買っているけど、俺たちにはハードルが高い。
「受付の人がいるよ。あそこで買えばいいんじゃないかな」
千紘姉さんがカウンターの女性の方を向く。
「うん、行ってみよう」
俺はちょっと緊張。カウンターに間違えて並んでも怒られることはないんだろうけどね。
わからないことだらけで戸惑うが、デート初心者ならではの楽しみの一つだと思う。
カウンターの女性は丁寧に応対してくれて、チケットを買うことができた。金は俺が払う。
女の子がお金を払うと俺はヒモっぽいからな。デートプランを練るのは女の子だけど、金を払うのは俺にさせてもらっている。
見るのはアメリカのアクション映画だ。この後、5分ほどで始まる。
「映画って言ったら、飲み物とポップコーンなのよね」
「だね。買おう」
俺たちは売店でアイスコーヒーとポップコーンを1カップ買う。
そして映画館へ。
中は薄暗い。
転ばないようゆっくり指定の座席に歩いて行く。午前中だからか、空席ばかり。
俺たちは真ん中の見やすい座席だ。俺が奥の席に座って、千紘姉さんは左隣に座る。間の、カップホルダーにポップコーンをセット。お互いにつまんで食べられる。
反対側のカップホルダーにアイスコーヒーを置いて準備完了。
スクリーンでは他の映画の宣伝をやっている。
ラブストーリーだったり、アニメだったり。
「わくわくするね、幸斗」
「うん。でもアクション映画は千紘姉さんにはつまんないかもしれないけど」
「映画館で見るのって初めてだからとっても楽しみ。こんなおっきな画面なんだね」
アクション映画は時間帯がちょうどいいってことで適当に決めた。千紘姉さんも俺も一緒に映画を見られるってのがうれしくて、内容はどうでもいい。一応ネットで評判を調べた限りでは悪くないみたいだし。
俺は宣伝を見ながら左手でポップコーンを食べる。
ポリポリ
うん、塩味がおいしい。
もう一口。
カップに伸ばした手に千紘姉さんの手先が触れる。
「あっ ごめんね、幸斗」
千紘姉さんがぶつかったことを謝る。千紘姉さんもスクリーンを見ながら食べてたらぶつかるだろう。
「いいよ、謝らなくて。むしろうれしいしんだよね」
俺は千紘姉さんと触れ合えると舞い上がってしまう。さっき手をつないでいたから、ちょっと手が触れるくらい今さらなんだけどね。
一緒に映画見るんだなあって実感する。
ブザーが鳴って、照明が暗くなる。いよいよ始まるのだ。
いきなり大爆発に続いて、派手なアクションシーン。
いかにもアメリカ映画って感じだけど、映画館の大画面で見ると迫力がすごい。
俺は息を呑んで見つめた。
時々、隣の千紘姉さんを見ると、スクリーンに食い入るようだ。
千紘姉さんも楽しんでくれているみたいで良かった。




