③
会議室の中に入った俺はあることに気づいた。
廊下から見ただけでは分からなかったが、どうやらダンボールは奥にも存在していたらしい。
「...あのー、銀杏会長?」
「なにかな。聞くだけは聞くよ?」
『なにかな?』じゃないよ。この量はどう考えても生徒会長一人に任せて大丈夫な量じゃないだろう。先生たちは一体なにを考えているんだ。
先生たちも忙しい、と言うことにしておこう。
それよりも今の問題はこの山積みダンボールだ。
これだけの量の荷物を運ぶなら、せめてあと3、4人は欲しいところだ。
しかし妙だな...。これだけの荷物があることくらい当然知っていただろう。だが、手伝いを頼んだのは俺にだけ。
不思議に思い、会長を横目で見ると目がバッチリ合う。そして俺は気づいてしまった。
───この女、笑っている!?それも飛び切り悪い顔で!?
だがしかし、ここで手伝いを呼んでくれば会長の思い通りにはならずに済む。
「この量、二人だけじゃまずくないか。俺、今からでも他の人に手伝いを要請するけどいいよな?」
「いやしかしながらそれは良くない」
マジですか。その返答の方が俺としては良くないよ。
「実はこの荷物を運ぶ期限は今日の昼休みまで。つまりは次の予鈴のチャイムと授業開始のチャイムが鳴れば期限を過ぎてしまうんだ」
なるほど。つまり俺の負担は莫大ってことだな?
「だから頼りなのは神江くん、君一人だ。頼りにしているよ?ふふっ」
彼女の悪戯な笑みに一瞬ドキッとした。....それともこのダンボールを運ぶと言う事実にドキッとしたのだろうか。
「分かった。俺の負けだ。この荷物は素直に頑張って運ぶ」
「ああ、言い忘れてたけど予鈴まではあと五分。授業開始まではあと10分しかないから急いぐことをオススメするかな」
....つまり五分ほどで下の職員下まで運べと?
「.....ハ、ハハ。ハハハハ!やってやろうじゃねぇかぁぁぁぁ!!」
「うん!そのいきだ!」
クソぅ!会長め。覚えてろよ!
───そして10分後。
キーンコーンカーンコーン。
授業開始のチャイムが鳴り始めた。俺は奇跡的なスピードでダンボール共を運び終え、教室に滑り込むべく廊下を疾走していた。
「次は数学の岡山の授業だ!遅刻するとマズイ!!」
まさかアニメのような『ちこく、ちこくぅ〜』をこんな形ですることになるとは。
チャイムが鳴り終わる寸前で教室に滑り込むことの成功した
───が、滑り込みセーフを決めた俺の目の前にはコワイと噂の岡山先生が。
「.....今日はいい天気ですね」
「そういったことは外見てから言え」
......今日の天気は雨だったなんて後から言えない。
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