☆2日目☆チャトラ
俺はポセイドンが用意してくれた部屋で一夜を明かした。食事はエンジェル達が運んできてくれた。夕飯はエビチリにチャーハンという地球上と変わらないメニューだった。
今日は「案内人」が来てアトランティスでの生活をサポートしてくれるらしい。
朝食はトーストとスクランブルエッグ。食後のコーヒーを飲んでると
コンコン!ノックの音だ。
「どうぞ!」と声をかけた瞬間、ドンッとドアが開いた。
「みーたーーん!久しぶりッ!!!って一日しか経ってないにゃ!にゃははっ!」
可愛い女の子、中学生くらいだろうか。ピンっと立った耳、縞模様のしっぽ。獣人?
「あのー久しぶりって?どちら様で?」
「えーーみーたん、ワタシのこと忘れちゃったのぉ?あんなに仲良くしてくれたのにー!いつもなでなでしてくれてたにゃ!」
獣人の知り合いなんていないし!
獣人の女の子は少しがっかりした様子だった。
「もぉ!仕方ないにゃ!へんしーーーん!!」
ポンッと音がして女の子が消えた。え?消えた?!
俺が放心していると、足元に何か気配が・・・
「ニャーーーー!」
猫!?チャトラ!!俺の愛猫チャトラだ!
「チャトラ!何でこんなところに!?」
ポンッ!もう一度音がして。目の前に女の子が現れた。
「お前?!チャトラなのか?」
「そーだにゃ!みーたんなら直ぐにわかってくれると思ったのににゃ・・・」
チャトラはしっぽを振りながらこたえる。
「そのしっぽの柄。茶トラ柄。本当にチャトラなんだな!」
「会いたかったにゃー!」
チャトラが抱きついてきた。いつもの癖で頭をなでなて。
って。女の子じゃん!しかも中学生くらい。犯罪だよっ!これっ!
そう思ったが、チャトラの撫で心地は変わらず・・・撫で続けてしまった。
(気持ちいいーー!癒されるぅ)
俺は孤独だった。
今から5年前、二十歳の時。両親を事故で亡くし、身寄りもいない。
両親が残してくれた不動産の管理をしながら、ほぼ引きこもり生活を続けてきた。
子供の頃、名前が原因で酷いいじめを受けていたせいで、人付き合いも苦手。
そんな孤独な俺の前に現れたのがチャトラだった。
道端に捨てられていた子猫を拾って育てた。
チャトラは人懐こくて、俺の足元に絡み付いて甘えるのが好きだった。
「チャトラ?!なんでここにいるんだ?俺、死んだんだよね、ここは死後の世界。お前も死んだのか?」
にゃ?とチャトラは不思議そうな顔をした。
「ワタシは生きてるにゃ?!えと、ここは死後の世界じゃなくてアトランティスだにゃ。」
あ、そうか。ここは地球上に、海の底にあるアトランティス。俺が特別に49日だけ滞在することを許された場所。
「みーたんのために、ワタシが説明するにゃ!」
また、説明か・・・・
早く観光したいなぁ。でも、何で俺がここにいるのか、チャトラがここにいるのか。それを聞かないと始まらないよな。
そもそも俺は何で死んだんだろう・・・その辺りの記憶は完全に抜け落ちてる。