マルキの父
マルキは、今日も出かける。
「いってらっしゃい」
そう母が毎日いってらっしゃいといったところから僕の学校生活が始まる。僕はいつものように、学校へと歩く。
僕の家は、森の中にある、と言ってもハジのほうだが、そのためちょっとした獣道を通って登校している。その獣道を乗り越えた先には、街が見える。
バラスト国である。
「よし、今日も頑張るぞ」
そう言ってマルキは学校へと走った。
「ようマルキ」
と声をかけて来たのは以前僕を丸太で、潰そうとした男子だった。
その男子は、僕に近づき肩を組んできた。
「お前な、いい加減潰されないか?」
そう耳元で囁かれたのも束の間
その男子は、マルキの腹部を思いっきり殴り
その後、マルキの目の前に顔を近づけ、こう囁いた
「お前が、英雄に似てるからとかどうでもいいんだよお前が俺の目の前にいるだけで目障りなんだよ
消えろこのバラストの恥」
「バラストの恥ってなんだよ!!」
その男子の前で叫んでやった
その後の返答がこうだ
「なんだお前知らないのか…じゃあ教えてやるよ!
お前の親父はなぁ!俺の家に借金をした上それを返さず、遊び呆け!その挙句には、その借金の事で、
お前の親父の屋敷に行った俺の家に勤めていた秘書を、酔った勢いで殴り、てめーらになんか返すかよこれは俺の金だ、お前らに借りた?そんなの知るかくそが、さっさと消えろお前らが立ち入ると汚れる。そう言い放った途端、秘書に持っていた酒をかけ!殴り続け!髪を引き抜き!全身をひたすら殴り続けたんだぞ!」
そう言い放った男子は、息を上げ苦しそうにしていた。
それを聞いて僕は唖然としてしまった。
僕は父に会ったことはない僕の父は、僕が生まれる前に、お屋敷の火事で亡くなったということは、
聞いていたが、まさか借金をしていたとは、
その男子は話を続けた。
「その後、秘書は自力で帰って来てその事を、俺の親父に話したらしい、そのことにキレた親父は、
そのお屋敷に行ったんだとさ、親父も馬鹿だよ
なんでそんなおかしいやつの所へ一人で行くかな
もうわかるよな………」
「まさか…僕の父親は…」
その男子は、周りに聞こえるような大声で怒り狂いながらこう言った。
「その日屋敷に行った親父は!お前の親父に…口止めとして、監禁され!何日も戻ってこないのを、
心配した秘書は、怪我を負いながらも、数人の騎士を連れて、そのお屋敷に行ったんだよ!そしたら
お前の親父何してたと思う?」
その男子は泣いていた。
その姿とその話を聞いて僕は、唖然としてしまい
言葉がでなかった。
「俺の親父のこと…ずっと殴り続けてたんだってさ
俺の親父の顔わからなくなるくらい、体は、あざと血塗れで、秘書と騎士は、もう何がなんだかわからなかったってさ、その後お前の親父は、酒樽を持ち上げで、騎士に向かって投げたんだってそのあと、
その酒樽を投げた場所狙って火のついたロウソクを
投げたんだとよ!そのあとそこら一帯は火の海、
園から逃げきれたのは、騎士一人のみだったんだと
そうだ、後俺の親父ダーツの的にもなってたらしくて、その騎士はいわく、体にダーツの矢刺さってたらしい…」
「わかったか?俺がお前を嫌う理由?そして潰したい理由?」
僕には理解ができなかった。確かに僕の父親が異常だったってことは、理解できる。復讐心も、
ただなぜ僕が潰されなくてはならない?
全く理解ができなかった。