ひとまずの終幕
「……え」
エリは俺の恥部に再び顔をうずめた。
……俺も彼女も認めたくないだろうが、……おそらくだ、おそらくだが、
……彼女の唇が俺の恥部に触れてしまった。
彼女は、一言つぶやきその場で固まってしまった。
俺も固まってしまった。…………間違ってもジョイスティクが的な意味ではない!
零と六花もいつの間に出てきたのか俺たちの痴態をにまにま顔で眺めている。
やはり二人は姉妹だ。
口角を三日月のように釣り上げてクスクス笑う姿はそっくりだ。
そしてこれまたいつの間にか出てきていたミズハは俺の恥部を、そこに顔面を突っ込んでいるエリを至近距離からガン見し声を上げた。
「すごいの!すごいの!これがおとなのちゅーなの?べんきょうになるの!おにいたん!はやくつづきをおねがいなの!」
俺はミズハに大変悪い教育をしてしまったのかもしれないが今の問題はそこではない。
「エリ!お願いはやくどいて!零、頼むから俺の恥部にモザイクをかけておいてくれ!六花!モザイクとるなよ!ミズハ!これは、ちゅーじゃありません!ちゅーは唇と唇でするものです!みんな頼むからアホなことしないでくれ!俺一人じゃ突っ込み切れないし、そもそも俺もギャグ要因なんだよ!」
「「「「…………」」」」
俺の魂のシャウトを無視して四人は沈黙を決め込んだ。
「エリは頼むからそこどいて下さい。お願いしますから、もうあなた、俺の恥部を枕にでもしてるように体重をかけきってないですかね?」
エリからの返答はない、代わりに、
「………お兄ちゃん?……何をしているのかな?」
「…………」
俺も4人と同じく口を閉ざしてしまった。
どうやら事態は最悪だ。
ありさがいつの間にか騒ぎを聞きつけ二階から降りてきていたらしい。
俺たちが騒ぎを起こしていた玄関は、階段を下りれば目の前、騒いでいればいつかはありさに現場を押さえられていたのだ。
そのことを失念していた俺がこの状況を作ってしまったのだ。
「………う~ん、みなさん、お兄ちゃんから離れてもらえますかね?」
ありさの顔を見なくてもわかる。
きっとアイドルもびっくりの最っ高の笑顔を浮かべていることだろう。
しかしなぜかそのほほ笑みからは、真っ黒なオーラを感じ、直視すれば全身鳥肌が立ち冷汗が止まらないことだろう。
「お兄ちゃんは私だけのものなんです!この強姦魔ども!お兄ちゃんから離れなさい!きぃえーーー!!」
ありさは奇声を発して俺たちの方に駆け出してきた。
「おい!ありさ落ち着けって!おい!嘘だろ!ちょ!や、やめて!ああぁーー!」
俺の絶叫が我が家に響き渡った。
この先は………うん、語りたくないので今回は割愛させていただければと。
こんな感じで俺はこのだいぶおかしい日常を仲間たちと過ごしていくのだった。
~終幕~
室内には女性のシルエットが二つある。
「本当にに面白い方ですわリュウジさん。あなたもそう思うでしょ?」
「……………」
「もうむっつりしちゃって!零や六花にリュウジさん取れれちゃっても知りませんわよ」
「……………」
「一言位喋りなさいよ!これで終わりなのですのよ!」
「……………」
「っもう、後悔しても知りませんわよ」
「……………バイバイ」
「そうですわね、またお会いしましょう」
彼女たちはそう言い残し二つの影は消えた。
サーと窓から風が流れ込んでくる。
レースのカーテンを揺らして、
机上に日記帳が置かれている。
~お兄ちゃん観察日記~
ありさが所持する日記帳だ。
風にあおられページが捲れていく。
パラパラ音を立てて、
中ほどのページで止まったようだ。
そのページはいつかリュウジが読めない文字が書かれていたページだった。
その文字は〃水八〃とかかれていた。
ここまで読んでくれた方がいらっしゃいましたら感謝です。
作者が書きたかったのは、
女の子ととにかくスケベさせるをコンセプトにラノベ一巻みたいな話です。
思うままに書けたので自己満足できました。
ではでは~




