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転生者が多すぎて異世界に転生できなかった俺は、他人の転生を阻止することにした  作者: 最上碧宏
第3章 連続殺人犯の転生を阻止せよ!
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41:ヤクザ・ポリス・ショウダウン

「ねェお巡りさん。わたしィ、ちょっと教えてほしいことがあるのだけどォ……例の連続殺人犯がァこちらのホテルにいらっしゃるって本当ゥ? わたしィ、ちょっと怖くってェ、ホテルを変えようかと思っていてェ、もしよかったらァ、教えてくださらなななななななななあああああがッ」


「おい巡査、お前死にたいのか? 詳しくは言えんが、ここは今危険なんだ。余計な真似をしてないで、さっさと交番に戻ってろろろろろろろろろろうごがッ」


……さて。

俺は、人気のない通路の影で話しかけてきた、妙に色っぽい喋り方をする水商売風のお姉さんと、同じく地下をうろついていた、心根は優しい警官のおじさんを引きずって、ホテルの地下にある使われていない宴会場までやってきた。


二人を手錠で括り、宴会場の真ん中に寝かせる。

そして、リネン室からシーツ山盛りのカートを押して、戻ってくる。

最後に、指先をパチンと鳴らして、火花を立てるーー初級魔法、極小放電リトルスパーク

小さな火種はリネンを焦がし、ジワジワと広がっていく。


「よし。準備はこんなもんかな」


俺は二人から奪ったイヤーマイクに電源を入れた。

一つは、鷹月会の刺客達が連携を取り合うための通信回線。


「クソ! ヤツだ、エザワ・シンゴだ! 地下の宴会場に追い込む! 全員、手ェ貸せッ」


もう一つは、クソ警官ズが使っている通信回線。


「確保対象を見つけました! 警官が一人負傷しましたが、対象は地下へ逃走! 宴会場に向かったものと思われますッ」


そして、リネンから立ち上る煙を探知した火災報知器が、凄まじいベル音を全館に響かせ始める。

吹き出すスプリンクラーが、宴会場を水浸しに……


さて、ここで問題。

このあと何が起こる?


「おお、来た来た。みんなめっちゃ怒ってるな……」


答え。

極秘作戦をご破産にされてイラ立った殺し屋達と、自分達の安泰が脅かされて焦る刑事達が、水浸しの宴会場でご対面。


降りしきるスプリンクラーの消火水が、彼らを濡らしていく。


「アァ? オイ、なんだこりゃよぉ!?」


そして彼らの眼の前では、気絶した刑事と殺し屋が仲良く抱き合って寝ている。

更にその後ろでは、パチパチと煙を上げるリネンの山。


「こちら地下宴会場。火災の火元と、佐々木巡査部長を発見。鷹月会関係者らしき女性と共に倒れている。何者かに暴行を受けた模様。現場には鷹月会関係者が複数名。事情の説明を求める」


ゾロゾロと宴会場に足を踏み入れる、いかついヤクザのおじさん達と、いかつい刑事のおじさん達。


いよいよ仁義なき戦いの火蓋が、切って落とされる……!


「だいぶ盛り上がってきたな」


宴会場の隅、テーブルの下に隠れていた俺は、すべてを見届けてガッツポーズを取ると。

水浸しの床に指先を当てた。


「じゃ、ショータイムだ!」


俺が放った雷撃サンダーボルトは、やってきた全員にお揃いのダンスを踊らせた。

スリラーのPVみたいなやつ。マイケルもびっくりのキレだ。

(見たこと無い? 別窓開いてYoutubeで探してくれ)


あ。動画でも撮っておけば、さぞPV集められただろうなあ。

惜しいことした。


(よし、じゃあ次の作戦は――)


「清実ちゃん! 来たよ、エザワくん!」


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