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転生者が多すぎて異世界に転生できなかった俺は、他人の転生を阻止することにした  作者: 最上碧宏
第2章 美少女JCコスプレイヤーの転生を阻止せよ!
26/70

25:運命はまだ変わってない!

「ねえ――お姉ちゃん、聞いてる? 聞こえてる、これ?」


電話口から響くのは、美少女JCコスプレイヤーことウノハラ・エリカさんの声。


「……今、仕事中だ」

「ごめんお姉ちゃん、この前言ったこと謝る。謝るから――助けて」


シノブさんの銃口が、ピクリと動いた。


「どうした」

「変な男がついてきてるの」


背筋に冷たいものが走った。


「どんなヤツだ」

「背が高くて、なんか持ってるの。ずっとスタジオの前をウロウロしてて、気のせいかと思ったんだけど」


(ちょっと待て。まさか……だって、彼女に迫ってた死の運命(ユウスケくん)は阻止したはずなのに)


「あのー、清実さん? 今いいですか?」


俺は危うく手摺から落ちるところだった。


(い、い、いつ現れたんだスクルド)

「今ですよー。それよりー、他殺の犯人がー、分かっちゃったんですけど」


このタイミングで!?


(ギリギリにもほどがあるだろ!)

「まあ、『変革力』が放出されるまでは運命は確定してないからねぇ。期日までは何が起こるか分かんないんだよ、こういうタイプのクエストって」


解説ありがとうブリュンヒルデ。

でも先に言ってくれ。


「どうやらー、ウノハラ・エリカさんには熱烈なファンの方がいたみたいで、思いつめたその方が、ブスリと」


モテすぎだろ、美少女JCコスプレイヤー。


(いや、待てよ)


ユミルと霧子。

ヤツらが焚きつけたんじゃないのか?


(クソ、油断してた)


「急用だ。お前達の茶番にかまっている暇はない」


シノブさんは通話を切ると、あっさり銃爪を弾いた。

俺に向けて三回も。


(――嘘だろ!)


俺は咄嗟に伏せてから、別に当たったところでダメージはなかったのだと気付く。


その隙に、シノブさんは素早くビデオカメラの残骸を拾い上げていた。

勢いもそのままに、倉庫の外へと飛び出していく。


「ああもう! 俺達も行くぞブリュンヒルデ!」

「あれ、ユウスケくんは?」

「ほっとけ、死んでないだろ!」


多分。ユウスケくん、なんか呻いてるし。

後で救急車でも呼んでやるからな。


とにかく俺達もシノブさんの後を追って、ペガサスで夜空へ飛び出した。


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