表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

電車の中でウンがなかった話

作者: RK

限りなく実話に近い創作

腹が痛い。

正直、場所を選べと思う。

家を出る前にすませたはずなのに、お前はどうして顔を出す。

友達か?

友達なのか?

また来ちゃった。

そんなん女の子にやられてーよ。

少なくとも野郎友達にはやられたくねーよ。

ましてや糞野郎ならぬ、糞にされてんだから笑えねーよ。

脂汗ダラダラだよ。

何がやばいかって急行の電車が発車したばっかってとこだよ。

糞が!

座り込みてえが満員電車じゃそれもできねえ。

ケツに力を入れて気張るしかねえ。

……少しの揺れが死に直結しやがる。

おい、目の前のおっさん。

俺の腹付近にカバンがあたってんだよ。

思わず舌打ちが出ちまう。

くそ、余裕がねえ。

普段だったら満員電車なんだから仕方ねえと寛容な気持ちになれるが今は無理だ。

電車にのってから何分経った?

おい、まだ一分もたってねえのかよ。

糞が!

どうして時間ってのはこういうときに経つのが遅えんだ。

楽しい時は直ぐすぎるっつーのに。

理不尽だ。

なにが理不尽かってこの腹痛だ。

なんだよこれ。

腹痛なんて考えた神の野郎はなにを考えて腹痛なんて考えやがったんだ。

しかも朝出してんだぞ。

なのに直ぐ出そうになるってなんだ。



……屁が出そうだ。



本当にこれは屁か?

まさか実とかじゃねえよな?

やばい。出そうだ。

これ以上はガマンできねえ!

南無三!!



……よかった。

屁だった。



……よくねえ!

くせえ!

コートがあんのにこんなに臭うとかコート仕事しろ!

いや、コートはあったかくするためのだけど、防寒的に密封性も考えてだな!

やべえ周りが怪訝な顔してる!

俺も怪訝な顔をしておこう。


誰だの満員電車で屁をこいたの。

……俺だよ。すまんな。

でもそれどころじゃないんだな。

腹痛は戦いなんだよ。

許してくれよ。

戦いに犠牲はつきものだろ?

屁は必要な犠牲だったんだ。

それにしてもくせえ。

今何分?やっと二分か……。


おいい、電車とまんなよ。

運転間隔の調性?

ふざけんな。

うんこが漏れそうなんだよ!

うんこと間隔どっちが大事なんだよ。

そうだな、間隔だな。

俺のうんこは俺だけの問題だな。

漏らしたらみんなの問題だけどな。

つまりおれはみんなのへいわをまもってるんだ。

やばい、ほんかくてきにやばい。

しぬ。

あっ……。



危ない。

波が治まった。

あと少し続いてたら悟りをひらいていた。

次の駅まであと何分だ?

まだ五分あんのかよ。

いや、大丈夫だ。

波がおさまっ……。




嘘だろ?



おれの戦いはこれからも続く!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 臨場感にあふれる波乱万丈な展開に、私の腹もハラハラしてしまいました! それにしても、満員電車の過密状態を我慢しなくてはいけなかったり、便意がきた時に自由に排泄できなかったり、人間社会は窮…
[一言] ツッタカター、ツッタカターとウンチどもがマーチを奏でながら行進してる幻影が見えました!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ