表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

第二話 錯綜する思考 播磨姜維編

 姜維君は、ほんの少ししか書いて無いと言うのに、結構好きです(´∀`*)ポッ


 頭良いのに馬鹿な所を書いていければと・・・。

 まぁ、第一部では難しそうですがww

 播磨姜維は、大河と別れた後、自分の寮の中に入った。正直言うと、ここの寮になんで自分がいるのかが姜維には不思議でならなかった。何故なら、姜維は3組への転入届けを出していたはずなのだ。それなのに、その書類は何処か分からない所に消されてしまったらしい。その時の担任とは仲が良かったので、とある裏の事情がある事を姜維は知った。


 「ごめんな。播磨。でも、とてつもなく上のお偉い様からのお達しなんだ。ここ十数年はいらっしゃらなかった方なんだが、つい先日。お前の転入は止めておくようにと言われたんだ。すまないな。」


 姜維はそう言われて、かなりのショックを受けた。しかし、その“とてつもなくお偉い様”とやらが、自分には勝ち目が無さそうな事に気づいたので、反抗したい気持ちをグっと堪えた。担任を見ても、彼もとても申し訳なさそうにしているので、それも効いたのかもしれない。


 「わかりました。」大人しく担任の言われた通りにしますと言う意志を込めて、そう返事をすると、姜維は担任の前から逃げるように姿を消した。



 そんな時の光景を姜維を思いだしていた。それがあってなのか、大河達とは妙に疎遠になってしまっている気がした。それが姜維には、唯一の心残りだった。彼らとは、とても仲の良い親友だと感じていたからだ。さっきの大河の少しだけ余所余所しい態度も気になった。あいつに何があったんだ?そう思った姜維だが、あまり深く考えないようにした。きっとあいつも疲れていたんだと思う事にした。


 それにしても、どうしてあの“ゲーム”とやらが始まるのだろうか。姜維は、自分の部屋の扉の前につくと、ふと立ち止まった首をかしげた。あの男の正体も良く分からない物があった。あれはどう見ても、“イエス・キリスト”だった。あんな男がどうしてこんな所にいると言うのだ。あれは、キリスト教の神の子。すでに死んだ人間だ。しかし、それにしてもソックリだった。


 今の時代はコンピューターの技術があまりにもの速さで進んでいるために、昔のキリストがどんなビジュアルであったのかが分かっていた。あの顔は、まさに“そのもの”だったのだ。そういえば、ここ最近。バチカン市国のローマ教皇がこんな事を言っていた。


 「イエス・キリストは不滅です。彼は、神の子であり、“神”なのですから。」


 確かこのような事を言っていた。目を子供のように輝かせて、こんな事を言うものだから、テレビ中継でこの発言が流れたが、姜維は身のすくむ思いをした事を思いだした。しかし、この発言が戴けなかったのだろうか。彼は、数日後に暗殺されていた。ロストテクノロジーと呼ばれるような物で。そして、彼の胸元には「喋り過ぎには気をつけろ」と書かれた紙が置かれていた。

 

 こんな事があった事から見ると、それは本当に“イエス・キリスト”は存在しているのでは無いかという気がしてならない。しかも、今のこの時代に。しかし、そうなってくると、この学園にいったい何のようなのだと聞きたくなった。しかし、それは無理な相談のように思われた。そんな事は、あの男が教えてくれる訳が無い。教皇を殺したくらいだ。聞いたらこちらも殺されるだろう。“ゲーム”を行うその前に・・・。


 「姜維???」


 そんな事を部屋の前で永遠と考えていたせいだろうか、隣の部屋のクラスメイトの儚地善行(はかなじ よしゆき)が、心配そうに姜維を隣から見つめて、声をかけて来ている事に姜維は気づいた。姜維は探るような目つきで、善行の顔をジっと見つめた。それにしても、似ていない。この男は、麦人とは双子の兄らしいが、顔つきは麦人の女のような美しい顔とはうってかわって、男らしい精悍な顔つきをしていた。そんな男が自分の顔を心配そうに見ているのは、少しおかしく思えた。


 「大丈夫だ。」これ以上見ていると、笑いそうになるので姜維は、そう伝えると、善行の肩をポンポンと叩いた。善行は安心したのか、ホっとため息を吐くと、ニヤリと笑った。


 「それにしても、どうした。麦人について考えてたか?お前、あいつにお熱だろ?」


 「古っ!!!」という、つっこみを姜維はしそうになるのをこらえながら、「んな訳ないだろう」と答えた。今の時代、「お熱」というのは無いだろう。せめて、「惚れる」くらいにしとけよと思ったが、それは言わない事にした。善行は話していると、まるで一昔前の人間と話している気分になるのだった。


 「麦人は男だぜ。あいつに惚れてるのは、大河くらいじゃねぇか。」


 姜維は本心からそう言った。大河は自覚は無いかもしれないが、麦人に好意を抱いている事は容易に想像できた。大河は麦人といると、いつもはムっとしていると言うのに、顔が幸せそうに輝いているし、麦人に何かしようとする者が少しでもいれば、大暴れしそうになるくらいだった。


 しかし、その考えを善行はお気にめさないのか、顔をムっとさせて、盛大なため息をついた。善行は、麦人と親友である大河が嫌いなのだ。俺も親友ではあるが、大丈夫らしい。


 「あいつか・・・。大河は、小さい頃から麦人と仲が良かったしな。本当に小さい頃・・・。」


 善行はそこまで言うと、ふと喋るのをやめた。その表情は、まるで言ってはいけない事を言ってしまったかのように真っ青になっていた。そして、慌てて話題を変えるためか全く関係ない話をし始めた。


 「それよりも、これから同じ一組同士よろしくな。しかも、お隣さんだし。お前がゲームしている間、色々とお前の部屋を荒らしてやるよ。」


 「あぁそうだな。じゃあ俺は、お前が寝ている間にお前の部屋を荒らしてやる。」


 姜維は善行の言葉にそう返すと、軽く善行の肩を拳で殴った。勿論、かなり軽く。善行もそれに答えて、拳を姜維の肩になぐりつけた。かなり痛かったが・・・。「痛ってぇ・・・。」姜維は呻きながら、肩を抑えると、善行をキっと睨みつけた。


 「お前なぁ!!!」

 「悪い悪い!!!」善行は、全く反省の色を見せずに謝ると、今度は姜維の背中をバシバシと叩いた。このままでは、“ゲーム”の始まる前に大怪我になってしまう気がした。


 「さてと、冗談はここまでにして・・・。お前。大丈夫か?」


 善行は先ほどまでの大河について以外の笑顔は何処ふく風で、すっごく真面目な表情になり、姜維を見つめた。そのあまりにもの真面目な表情に、姜維は思わずゴクリとつばを飲み込んだ。その途端、先程まではあまり考えてなかったが、急に“ゲーム”の事が気になったのだ。


 「・・・。頑張るさ。」


 姜維はそれしか言う事が出来なかった。何をすれば良いのか全く分からないのに、ここをどうするなど言う事が無いからだ。どうすりゃ良いのだろうか。言い知れぬ不安が姜維を突然襲い始めた。善行は「そうだな」とだけ言うと、姜維の肩をポンポンと叩いただけだった。それが、逆に姜維の不安な心を一気に強めてしまった。


 「大丈夫さ。お前ならな。最後まで残れるかもしれないぞ。期待してる。その時は・・・。」


 善行はそこまで言うと、自分の部屋に何も言わずに入って行った。姜維は一人ポツンと寮の廊下に取り残された。何か暗い何かが姜維の中に入って来そうな空気が辺りに漂っていた。俺はどうすれば良いのだろうか。全く未来への見通しが見えない。しかし、頑張るしか無いという結論に至り、姜維はトボトボと自分の部屋に入ったのだった。



 -secret seen- 儚地善行編



 善行は、姜維との会話をあえて途中で終わらせて自分の部屋の中に入った。入ってすぐの玄関口の所には、弟である正人が立っていた。正人は、中学1年なのでこの寮に本来は入ってはいけない。しかし、自分を世話してくれる人を必要としている理由から、この高校の寮に暮らしていた。弟は、極度に体が弱く、一週間に一回以上の風邪をひいていた。それでも、クラスで一位の成績を取ってくるからすごい。ただし体育はドベだが。


 「お前、帰ってくるの早くないか?中学生の方が時間かかるだろ。確か?」


 善行がそう聞くと、正人は恥ずかしそうにほほ笑んだ。「そうだね。」とだけ言うと、うつむいてしまった。そして、もたもたと靴を脱ぎ始めた。まさかと思い、善行は正人に駆け寄って、頭に手の平をあてた。予想通りだったようで、とてつもない高熱を出していた。「またか!」善行はうなるようにそう言うと、正人をかかえて彼をベットにソっと叩きつけて、布団をかぶせた。


 「お前って奴は・・・。だから言っただろ。今日は早く寝ろいって。」

 「そうだけどさぁ・・・。」正人はうるさいとばかりに、布団を頭にまでかけると、「中学生になったんだもん。」とか細い声でボソボソと言った。


 まったく・・・。麦人と言い、正人と言い・・・。世話がかかる。俺以外の兄弟(と言っても2人だけだが)は、体が弱すぎるのが難点だ。まだ麦人に関しては、弱いと言えば弱いが、こいつと比べるとかなり強い部類だった。それに比例しているのか、心の方も麦人の方が強かった。

 正人と言えば、名前の通りかなり正しい子なのだが、いかんせん心が弱く、すぐにヘッピリ腰になる。体育大会を麦人と応援しに行ったが、へっぴり腰すぎて「いやん!!!」と言う高めの声が出た上に、おかまのようなくねくねした動きをしていたので、思わず頭をかかえてしまった事があった。


 それがあったのは、数年前だったが、それからしばらくしてそういう弱弱しさは少しだけマシにはなった。おかげで、ここ最近は、頭痛をかかえる事が少なくなってきている。全く。こと言葉が口癖になっている自分に腹が立つ。まぁ、弟の事はイライラさせられる事もあるにはある。しかし、大好きでもあった。彼の精神的支えだったからである。


 「そうだよな。楽しみだったんだよな。」善行は頭を抱えたままため息を盛大に吐くと、しょうがないとばかりに正人の布団を少しだけひっぺ返して、正人の頭を優しくなでてやった。ここでむくれてしまってはかなわない。麦人の所に逃げ込まれると面倒だからだ。


 「さっすが兄ちゃん。分かってくれてる!!!」正人は顔を真っ赤にさせながらニッコリと微笑むと、その瞬間、いきなり眠り始めた。それを見て、目を丸くさせた後、善行は大きな笑い声を出した。


 「おっどろきー。お前は良いな。しかし・・・。もう少し成長しないとな。」善行はそう言うと、窓の外を見つめた。そこからは、麦人が泣いている姿が見えた。そして、涙の水たまりが光り始めたのを見つめた。この光景に驚く事なく、茫々とした瞳でその光景を見つめた。やっと少し“開いたか”と善行は思っただけだった。この調子で行けば良い。そうすれば、“ゲーム”は一人の犠牲を除いて全てが解決するのだ。


 「ファイトー!一発!!!」


 善行はそう言うと、それ以上麦人を見ているのを止めて、正人に視線を戻したのだった。



 secret seen end...



   血汐雄大編へ続く-。 うーん。平和パートは後何回かで終る予定です<m(__)m>

 姜維君。少し暗いですね・・・。第二部はアホなんだけどなぁ・・・。と言っておりますが、いつになったら第二部にいけるのやら(笑)

 まぁ、ぼちぼちと頑張ります( ー`дー´)キリッ


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ