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第一話 入学式④

入学式の前段階。長くて申し訳ありません・・・。次回からやっと本格的に始まりますんで、もう少しお待ちください<m(__)m>

 大河たちは、椅子に座るととりとめの無い話をした。その内容は、春休みの間。何をしていたかに限定されていた。この学園は一度入ると、外に出る事を禁止されており、帰省する事は叶わないので、学園の中で何をしていたかに、話題は更に絞られた。


 しかし、この学園は学園都市と言われるくらいで、映画館や図書館やショッピングモールやらレストラン。ここで暮らす生徒の保護者が泊まれるようにホテルまで設置されていた。そのために、3人はお互い。別の友達もいたので、その人達との話をした。そんな話はお互い理解できないと思われるかもしれないが、しかし、幼稚園・小学校からずっとエスカレータ性なので、意外と全員が、共通の友達だったりするので、お互い話は理解できるのだ。


 そんな無駄話をしながら過ごしていると、入学式が始まるまで、後1時間くらいになって来た。その時、担任の先生になると思われるスーツ姿の男女が現れた。その二人は、大河達がパイプ椅子に座っているのを見つけると、こちらにやって来た。


 「おはようございます。あなた達は、儚地(はかなぢ)君と海神(わだつみ)君と真貝さんの3人ね。あなた達の話は中学の先生方から聞いてるわ。とても優秀らしいわね。それが、どうして3組なのか。理解に苦しむけれど。」


 女の方が3人に声をかけた。その女の見た目は、スーツ姿でかっこいい姿であるのだが、その顔は幼さが滲み出ていて、少し可愛げのある印象を大河は受けた。そして、その見た目でこの先生が誰であるのかに気づいた。彼女の名前は、厳島波(いつくしま なみ)という名前の先生だ。中学から高校に行った先輩から聞いたのだが、高校の担任になる先生の中で一番の当たりと言われる先生で、高校の先生の中で一番の優しさと教える上手さを誇っているという噂だった。



 「「「おはようございます。」」」


 3人は同時に挨拶した。厳島先生はニコリと微笑むと、3人の頭をポンポンと叩いた。


 「返事が出来てよろしい。私の名前は厳島波って言うんだけれど。あなた達は知っているかしら?それに、隣にいる先生も。」


 大河は女の先生の正体が正解だったので心の中でガッツポーズをしたが、もう一人の先生を思いだせない事に気づいた。しかし、隣に座る二人が頷いていたので、大河は一緒になって頷いた。


 「それより、聞きたいんだけど。どうしてあなた達は、3組なの?だって、この高校は、成績の順で1~18組で順番づけられている。あなた達の成績は、トップ3だったわ。なのにあなた達は、トップクラスの生徒が1~18組のどれでも選べる規律を使って、3組になった。どうしてかしら、何処でも選べるのに。何故、3組?そこがたまたま私の担当する組だから余計に気になってしまったんだけれど。」


 厳島先生の質問に、大河は答えに窮した。その理由を、大河と明香里は知らなかったのだ。ただ、麦人がそこが良いと言って決まっただけだったのだ。大河と明香里は、顔をしかめて麦人を見た。麦人は、2人をチラリと見つめると、厳島先生の顔をジっと見つめた。その表情は、何かを探っているような物だった。


 「先生が良い人そうだから。それと、先生は知っているから。」


 麦人がそう言うと、厳島先生はハっとした顔をした。その表情は、何か痛い所をつかれたかのような表情をしていた。厳島先生はその反応を取り繕うかのように、感情の見えない笑顔に表情を変えると、横にいる男の方を見た。男の先生も、少し憤っているような顔をしていた。大河は、その二人の反応に違和感を覚えて、首をかしげた。横に座っている明香里も同じようで、そんな表情を浮かべていた。厳島先生と男の先生は、お互いに耳を貸しあって耳打ちしあっていた。


 そこで大河は、男の先生が誰であるかに気づいた。この高校の教頭である、亘千里(わたり せんり)という先生だ。確か、この高校史上。最年少の先生で、厳島先生も24歳と若いのだが、この亘先生も27歳と早い出世だったはずだ。見た目が寡黙なスポーツマンのような見た目で、少し自分に似ていたので、大河はこの先生に少しの憧れを抱いていた。しかし、顔をちゃんと見た事が無いので、今まで気づかなかったのだ。


 2人は話を終えると、麦人の目の前に立った。麦人は、それと同時に2人を見上げた。


 「どういう事か分かりました。教えてくれてありがとう。それじゃ私たちは、ここで失礼するわね。もうぐ生徒がたくさんやって来るだろうから。」


 

 2人がそう言うと、囁きあいながら、教師陣が座るための場所にスタスタと小走りで向かって行った。大河と明香里は、目を見開かせて麦人の顔を見た。しかし、麦人はその二人に気づいているはずであったが、何の感情も籠っていない表情を浮かべて、ただ行動の舞台の上を見ていた。


 大河は、その様子を見ながら、言い知れぬ不安が辺りをよぎるのを感じるのだった。



 その大河の不安をよそに、どんどんと他の教師陣が入ってきて、更に、この高校に入学するであろう他の生徒達も入って来た。その中には、大河達の友達陣が入っていたが、どういう訳だろうか。全員、3組以外に向かって行き、大河達の全く知らない人間だけがどういう訳か、3組の場所に向かってきた。大河は更に混乱した。何故なら、3組以外の生徒は全員。友達だったのだ。

 しかし、3組にだけ友達になる機会の無かった生徒のみが集まっていた。こんな偶然。普通は存在するだろうか。明香里も同じ事を思ったようで、横から大河の袖をギュっと握っていた。一方の麦人は、その光景を何処か不安気に。そして、とても楽しげに見つめているのだった。


 そして、始まるのだった。学園始まって以降の最低最悪な入学式が・・・。

次からやっと始まります。お楽しみを<m(__)m>

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