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第一話 入学式①

この作品は、純粋にダークファンタジーの学園物です。最初の感想が、これ・・・。BLじゃね?って思う方、絶対いると思いますが、BLなんだけど、BLじゃないのでご安心を・・。ってここまで言うと、ネタばれですがね(;・∀・)


 まぁ、このさくひんは、まだ言いますが、BLに見えますが、BLじゃないので、ご了承ください!!!


 注意事項はこれくらいでしょうか・・・。かなりゆっくり物語を進めるのは嫌なので、100話で終われたら良いなぁ・・・。

 とんでも無く暗い道を歩く二人がいた。そこの道は、世界中で一番の偏差値を誇っている時計学園と呼ばれる所へ続く道だった。その学園は、幼稚園から大学まで全て存在しており、ここは学園都市とされていた。それを歩いているこの二人は、今日、4月1日から高校に進学するために、入学式に向かっていたのだった。

 ただし、彼らは小学校からこの学校をエスカレータ式で上がっていたために、入学式と言ってもそこまで特別な物では無かった。しかも、親元を離れて二人は、寮暮らしなので、更にそのウキウキ度は少ないはずである。他の生徒全員が、その寮暮らしを行っているので、全員がそんなウキウキ度を持ち合わせていなかった。

 

 しかし、それが言えるのは片方だけのようだった。片方の方は、173cmの高1としては、そこそこの身長の男で、体格は運動部に所属していないハズなのだが、とてもガタイは良かった。そんな彼はとても退屈そうにしていた。というよりも、イラついているようにも見えた。この彼の行動こそが、この学園の生徒特有の反応をしていた。

 もう片方は、150cmあるかどうかの低い身長の男で、とても嬉しそうに男の周りを飛び回っていた。弟と言われても何も疑われないほどの身長差と体格差と精神年齢差が辺りからは、漂いまくっていた。まるで、兄弟のようだ。そして、弟のような見た目をしている彼は、とても、ありえないくらいのテンションアップをしていた。この学園の生徒の中で一番、ありえない反応だった。その様子を見ながら、大きい方の男は小さい方の男を優しげな瞳をして見下ろした。


「ねぇねぇ。聞いてるの?大河!!!」


 大河は、後ろからヒョコヒョコと着いて来て、ぴょんぴょんと飛び回っているうるさいチビ男である儚地麦人の呼びかけを無視して、薄気味悪い道をスタスタと一直線に歩いた。そこは、一本道で、周りは針葉樹で取り囲まれており、太陽がその中を照らす事を許さない程であった。そのせいか、とんでも無く朝早いこの時間でも薄暗かった。

 これから楽しい入学式へ向かうと言うのに、何という暗さなんだと思いながらも、大河はイラつきながら歩き続けた。その勢いは、後ろのチビが走らなければならないくらいだった。


 「大河!!!」


 麦人は大河の無視攻撃と早足攻撃の2段構成に耐えかねたのか、大河のケツに思いっきりとび蹴りをぶちこんだ。勿論、大河はそのとび蹴りがケツに当たり、地面に擦れる音を出しながらこけた。麦人は身長も体格の無いのだが、何処からそんな力が出るんだと言いたくなるくらいに、馬鹿力であった。ただし、どんくさいので普段は、こういう攻撃も躱すまでも無く、当たらないのだが、今日は当たってしまったらしい。

 おかげで周りにも人が歩いていたのだが、その人達が自分をクスクス笑っているのが聞こえた。


 「ってぇ・・・。」


 大河は顔をうつ伏せたままに、そう呻くと、立ち上がって麦人の胸倉を掴んだ。しかし、そんな事をしても麦人は動じていないようで、ケラケラ笑っている。それがまた、イラついてしまう。


 「てめぇ!!!ふざけんなよ!!!いてぇだろうが!!!俺が何をしたって言うんだよ!?」

 「ん。何をしたって・・・。無視。そんなのも分かんないの?」


 大河は麦人に怒鳴りつけたが、麦人はその大河に普通に真顔で、何言ってんのコイツって言うような目で大河を見ながら、きつい一撃を返して来た。大河はその通りなので、言い返す事が出来ず、魚のように口をパクパクさせていた。傍から見たらとてつもなく馬鹿顔である。というか馬鹿顔なので、近くを歩いている髪の毛をピンクに染めている女子生徒が、こちらを指差しながら、「見て!!!魚のような馬鹿面をした人がいるわ!!!」と大きな声で笑っているのが聞こえた。


 「こ、今後は気をつけろよ!!!」


 ここでやっと恥ずかしさを感じた大河は、顔を真っ赤にさせながら、大河はまだこっちを痛い子を見るような目で見つめている麦人を地面にゆっくりと下して言った。しかし、それは麦人の顔を更に大河が打撃を受けるような物にしているだけだった。麦人の顔は、この世の終わりのような顔をしていた。今の言葉で、何故ここまでの顔が出来るのかが大河には少しばかり不思議だったが、自分のせいなのは分かるので、かなり胸にグサリと来た。

 自分の行動が、彼をそういう顔にしているのだけは、どういう訳か許せないのだ。というよりも、麦人は自分以外の人に、そういう表情を浮かべた事が無かった。それが余計につらさを感じさせる。


 「な、何だよ・・・。」


 無性にどうしてか申し訳無い気分になってしまい、ボソっと俯き加減で大河が呟くと、麦人はただただ大河をジっと見つめていた。大河はその自分を見つめる麦人の瞳を見つめ返した。

 とても美しい蒼色をしていた。大河は相手は男であると言うのに、その麦人の瞳に吸い込まれそうになった。実際の所、この男とは、3歳の頃から数えて12年の親友であった。その間にも、こういう現象は多々起こっていた。どういう訳か、麦人の一つ一つの仕種が可愛く思えてしまうのだ。

 こんな事はおかしいとは頭の中では、理解しているのだが、どうしても体が彼に興味を抱きまくっているのだった。今にも、何かしそうで怖い。自分のそんな行動で、大切な親友を失いたくない大河は、毎日グっと堪える毎日を送っていた。

 そのせいだろうか、麦人に対して、いつも不機嫌な態度を取ってしまうのだった。


 「大河・・・。また、怪我してるよ・・・?」

 「えっ・・・。あ、あぁ、そうだな・・・。」


 すると大河の物思いを打ち消すように、麦人はボソっと呟いて、顔の傷に手をあてた。大河はその手を顔に感じて、どういう訳かホっとする気持ちが体中に広がった。体から力が抜けていく。これも麦人といるとよく起きる事だった。いつもこの親友に傷跡を触られるだけで、体中の筋肉が弛緩したように強ばりが抜けて、しかも普通だったら1か月かかる怪我も、1日か2日で治る事に気づいた。簡単な傷なら、ほんの一瞬で治っていた。


 「本当に大河はいつも怪我ばっかりしてるよね・・・。どうして?自分の体が大事じゃ無いの?」

 「あ?別に・・・。俺、別に死んだら死んだ時だって思ってるし、怪我くらい・・・。」

 「そっか・・・。」


 麦人は大河の顔から手を放すと、悲しそうな表情を浮かべた。自分だけにそう見えるだけかも知れないが、瞳がうるんでいるのか、キラリと光っていた。自分の何が彼を悲しませているのかが分からない大河であった。麦人はそんな大河に気づいているのか、大河から顔をそむけると、本来の目的の道を再び歩き始めた。大河は、彼のそんな反応に胸が再び痛むのを感じたが、再び歩き始めたのだった。


 時計学園の高等部の正面玄関は、もうすぐだった。そこには桜が舞い散り、さきほどまでの暗さから一遍、美しい光景が二人を包み込んだ。大河はこれから始まるであろう。楽しくなるはずの高校生活に期待で、心躍らせた。

 さて次回は、いつ更新かは決めていませんが、早いうちに出来たらと思っています。この二人のお話は、出来ればすぐに終わらせたいと思っているので、よろしくです。

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