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第四十八話『この二人はいつもこんな感じです☆』


 そんな顔合わせではあったが、綾香が『仲良くしてやってくれよな☆』と言い、三人の少女達とひばり達は挨拶を交わして昼食会と相成った。




 ソースをかけられて皿の上に盛られたチキンカツが、ハシでひと切れつままれて持ちあがり、大きく開けられた口へと放り込まれた。

「んぁ〜む♪」

 それを租借しながら、さらに白飯を口中へとかき込む金髪碧眼の少女、綾香。

 その豪快な喰いっぷりに、ひばりの顔がひきつった。

「あ、綾香ちゃん……もうちょっと女の子らしく食べない?」

 ひばりは我慢できなくなってそう言うが、綾香は口いっぱいにチキンカツとご飯をほおばったままわずかに首を傾げた。

「ふ? ひみふんはひょひはぁふぃ。ふひはははんへふぃほふぉへふぉへふぁんはひ」

「行儀悪いよ? 綾香」

 リスかハムスターのようにほっぺたいっぱいに飯を詰め込んだまま何事かをひばりに返す綾香。それに対して隣に座る鷹久が、綾香に軽く注意しながら焼き魚定食にセットになっているみそ汁をすすった。

 綾香はわずかに眉を寄せ、自分のチキンカツ定食についてきたみそ汁を飲みながら口の中のものを飲み込んだ。

「なんだよタカまで。そんな生意気なこと言う奴は……こうだ!」

 そう言うと、綾香は電光石火の早業で鷹久の焼き魚をハシでかっさらった。

「いっただきぃ☆」

「っておい!」

 声を上げる鷹久を後目に綾香はそのまま焼き魚にかぶりついた。

「お♪ 焼き魚もうめえな☆」

 骨ごと豪快にいきながら笑顔を見せる綾香。そんな彼女を鷹久がジト目でにらんだ。

「……俺のおかずはそれがほとんどなんだが?」

「まあ気にすんなよ♪ ほかにはきんぴらとかあんじゃん☆」

 気にした風でもなく言う綾香だが、鷹久の恨みがましそうな顔を見て、軽く思案した。

「……しゃーない。あたしのもやるよ。ほら、あ〜ん♪」

 言いながらかじりかけのチキンカツをハシで摘み、笑顔で鷹久につきだした。それを見て鷹久は真顔になった。

「いやまて。あきらかに量が違いすぎるだろう?」

「あ〜ん♪」

「しかもかじりかけとはどういう了見だ?」

「あ〜ん♪」

「本来なら焼き魚一本と、おまえのチキンカツ全部で等価のはずだろうが。それを……」

「あ〜ん♪」

「…………」

「あ〜ん♪」

 鷹久の抗議を完全スルーしながら『あ〜ん♪』を繰り返す綾香。根負けした鷹久は渋々口を開け、綾香の差し出したチキンカツを迎え入れた。閉じられた唇からハシが引き抜かれ、鷹久が口中のものを咀嚼し始めた。

「んむ、んぐんぐ、お、チキンカツもなかなかうまいな」

 おやっとなった鷹久の感想に、綾香は笑みを深くした。

「だろ? ソースもいい味だしな☆」

 そう言って、綾香はハシの先っちょを軽くくわえるようにしゃぶってからチキンカツへと手を伸ばし、みずからの口の中へと放り込んだ。

 そんなピンクっぽい雰囲気を目の当たりにして、同席している面々はそれぞれの反応を示す。


「あ、綾香ちゃん大胆だよ……」

「はい、シンくんも♪ あ〜ん♪」

「やんねーよ!」

「いやいや、若いもんは良いねい♪」

「いえ、ウエストロードさんとはさして年齢が離れていないはずですが?」

「ぐぐっオノレリア充め……」

「綾香は相変わらずッスね」

「……恥ずかしい奴め」

「ある意味いつも通りよね」


 そんな周囲の様子に気づいた綾香と鷹久は、そろって不思議そうに首を傾げた。

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