表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
410/450

第四一〇話『その壁を貫くもの』


「うりゃりゃ~ッス♪」

「うわわっ?!」

 アサルトライフルを乱射する由里に、ひばりは逃げの一手である。

 攻撃が効かないのだからそれしかないとも言えるが。右半身をライトグリーンに、左半身をシルバーに染めて、風壁を作り出して由里の攻撃に耐えるひばり。しかし、攻撃が通じないとなればいかんともしようがない。

 ひばりの顔が徐々に焦りに彩られ始めた瞬間!


 銀光一閃。


 澄んだ音が響いて、由里の射撃が止んだ。見れば彼女のアサルトライフルが、90センチ程の短槍に貫かれていた。

「な、何が起きたッスかっ?!」

「……あれ」

 驚いた由里が声を上げると、優菜が槍の飛んできた方を指差した。

「私を忘れてもらっては困るな!」

 勢い込んで叫ぶのは、黒髪ポニーテールの少女、黒崎 雪菜である。その掌中に再び短槍を出現させ、雪菜はそれを振りかぶった。

「そ、そんな槍で、あたしのトーチカを貫いたんスかっ?!」

 信じられないとばかりに声を上げる由里。

 しかし。

「……彼女のタレントは“貫通ペネトレイション”。あなたの天敵」

「槍だったッス~っ?!」

 優菜の指摘に、OH!! NO!! とばかりに頭を抱える由里。事前に気を付けるように言われていたにも関わらず忘れていたらしい。

 そんな彼女の隙を衝くように、雪菜が短槍を投てきした。

 風を切り裂く音を曳きながら、銀光が飛翔する。

「……えい」

「うっひゃいっ?! ッス?!」

 躱せそうに無い由里を優菜が突き飛ばし、トーチカの壁を紙の壁を貫くより容易く貫いた短槍が由里の真上を通過した。

「な、なにするッスか……あ?」

 助けてもらったにも関わらず起き上がって文句を言おうとするが、頭上に落ちる影に気づいて見上げた。

 そこにあるのは緩やかにローリングしながらポニーテールをなびかせる、槍使いの少女の姿。

 その手の中にある槍の穂先が自分を向いていることに気づいて、由里は「あ、詰んだ」と漏らして固まった。

 そこへ、優菜が飛び込んだ。

 再び銀光が放たれ、優菜の背中へ吸い込まれた。

「ゆーなっ!」

「……しくじった」

 声を上げた由里の上で、優菜は顔をしかめた。

 衝撃が、“由里の身体を貫いた”。

「……え?」

 呆けたように、自らを貫く槍を見る。

 それは、正確に優菜と由里の心臓部分を貫いており、ふたりは光の粒子となって消えた。

「……す、すごい」

 そんな雪菜の戦いぶりに、ひばりは目を丸くするばかりだ。

「由里っ! 優菜っ!」

 一方で、麗華もその様子を見てしまい、思わず立ち尽くす。

 それを綾香は見逃さなかった。“幻想舞踊ミラージュステップ”からの幻惑が効かぬなら、と素早いステップで麗華の正面へと踏み込む綾香。

 それに気づいて、麗華はアサルトライフルで殴りかかった。

「……悪りぃな麗華」

 掻い潜り、足を開いてわずかに腰を落とし、左半身になりながら麗華の胸元へと肘を打ち込みつつ右腕を引いた。

 瞬間。



 ダダダダキュンッ!



 と、両手足のリボルバーが回転してカートリッジが弾かれ、実に四発分のエネルギーが、綾香の肘撃に加わった。

 結果。

「……っ?!」

 鎧を砕かれ、声も上げられずに撥ね飛ばされる麗華。

 そのライフは、瞬時に刈り取られて彼女は地面に転がるより早く光の粒子と化して消えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ