第三四五話『がーるずとーく再び?』
「わわっとぉっ?!」
奇妙な声を上げつつ綾香が転がった。彼女がいた場所には、ビームと砲弾とミサイルが撃ち込まれていた。
轟音や爆発音とともに爆煙があがる。そこから離れるように綾香はサイドステップして距離を取る。
そんな彼女に対して聖は、再び砲門を向けた。
轟音一閃、吼えたそこから砲弾が吐き出されて綾香へ向かう。が、綾香はサイドステップと切り返しを駆使して避けてみせる。
だが聖はすかさず着地点を狙ってビーム弾を撃ち放った。
「ッ!?」
鋭い舌打ちと共に着地より早くブレードが地面に突き立ち、綾香はアクロバットよろしく空中で側転して躱してみせる。
「っとぉ。せーふっ!」
がに股で着地しながら両腕を左右に広げる彼女に、聖が顔をしかめた。
「……下品な」
「しかたねーだろっ?! 今のは際どかったんだから! んなこと言うなら際どい攻撃してくんなっ!」
「際どいタイミングを狙わねば攻撃として問題があろうがっ!」
「だったら下品とかゆーな!」
「下品だから下品と言ったまでだ。他意は無い」
「いや、他意だけだろうそれは」
「そんな用法あるかっ! だいたいあなたは品が無さ過ぎですっ! 女の子なんですからもっと上品に……!」
「んなメンドいのやってられっかっ! あたしは自由だっ!」
「その言葉遣いも品がありません! まるで男の子のようなしゃべり方でガサツです!」
「ガサツで結構。肩凝るような喋り方なんてしたくないね!」
「なんと品の無い! 恥ずかしくないのですかっ!」
「ちーっとも? だいたい外面気にして自分を隠すなんて面倒なんだよ!」
「何事もさらけ出せば良いと言うものではありません。日本人ならもっと慎みを持ちなさいっ!」
「残念ながら半分はイタリアですー。つーか人種差別いくないっ!」
「誰が差別などいたしますかっ! それを言ったら私だって半分はイギリスです!」
「んじゃ日本人かんけーねーじゃん。だいたい慎みって何だよ!」
「なんと謙虚さの欠片もない……あなたは礼節を重んずる和の血筋なのでしょう! 恥ずかしくないのですかっ?!」
「いやぜんぜん。つーか、うちのパパなんか、酒の席じゃあ必ず裸踊りするぞ?」
「なっ?! は、破廉恥ですっ?!」
「しらねーよ。ちなみにマンマがイタリア人だからな?」
「ジーザス……和を重んずる日本の心はどこへ……?」
「しんね。つか、あたしはやらねーからな? 裸踊り」
「当たり前ですっ! うら若き乙女がみだりに肌をさらすなどもってのほかです!」
「うっさいなあ。あ、んでもこないだ従弟の前でさらしたな」
「なぁっ?!」
「いや、風呂入ったは良いけど、下着忘れてってさあ。まあ、従弟しかいないってわかってたから、裸で目の前通過した」
「……」
「さすがに驚いてたけどな?」
「……し、信じられません……なんと破廉恥な……。まさか露出癖がっ?!」
「あるわけねーだろっ!? 人を勝手に変態にすんなっ! 失礼だぞっ!?」
「う? それは確かに……。申し訳ありません」
「あ、いや、改まって頭下げなくても……。まあ、その従弟とは長くてさ、同い年の姉弟みたいなもんでさ……」
「そうなのですか? うらやましい。私は姉弟も歳の近い親戚もいませんから……」
「そっか……まあ、落ち込むなよ。友達ならいるだろ?」
「は、はい! 今年のクラスはみなさんとても良くしてくれて……親友のエリちゃんとも同じクラスに……」
「……なにをやってるんですの? あなた方は」
「ハッ?!」
「ハッ?!」
いきなり掛けられた声に、座り込んで話していた聖と綾香は、愕然となった。




