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第二十二話『Vなる世界への道』


「はっ?! い、いやちょっと待ってくれ。このふたりはまだ“ダイブ”のレクチャーすら受けていないんだぞ?! いくら何でも無茶だっ!?」

 翔華の決定に、滝川の声が大きなものになった。

 しかし、翔華は気にした様子もなく、その口元に笑みを張り付けた。

「心配しなくても平気よ? 滝川君。あたしもサポートするしね」

 自信満々に言い放つ翔華に、滝川は深く深く息を吐いた。

「はぁ……。あんたが俺の言うことを聞くはずもないか……」

 諦めにも似た声音でつぶやく滝川に、翔華は勝ち誇るように笑った。

「それじゃ、ふたりをあたしの秘密基地へと案内しましょうか♪」

 そう言って楽しそうにひばりと綾香を促した。

 ふたりは、一瞬顔を見合わせたが、意を決したように前へと進み出た。

 むろん、アキも同様だ。

 翔華は嬉しそうにしながら執務机に戻ると、机にコードを打ち込んだ。

 すると、壁の一部が横へ九十度回転してからシャッターのように上昇していき、その向こうに扉が出現した。

 その大げさな仕掛けに、綾香は目を輝かせ、ひばりは開いた口がふさがらなかった。

 そんなふたりの反応に、翔華は満足げにうなずく。

「さて、いくわよ」




 扉をくぐった先にある階段を降りた先には白い廊下が続いていた。その白い壁には、いくつかの扉があるが、翔華は眼中に無さそうな様子で奥に向かって足を進め、ほかの四人がそれに続いた。

 そして、一番奥に存在する扉の前で止まると、皆の方へと振り返り、腰に手を当てた。

「そんな訳でここが目的地。V-roomの実験設備よ」

『V-room?』

 ひばりと綾香のふたりが異口同音に訊ねた。

 その質問に、翔華が大きくうなずいた

「“V-room”は、リンクネットへの“ダイブ”を行う部屋よ。チューニングは“ダイブ”して行うから、覚えておいて損はないわよ?」

 しかし、翔華の言葉にひばりが、おや? と、なった。

「あ、あの! 風華を調べるのに、なんでリンクネットに?」

 沸き出でた疑問が、口をついた。隣で綾香もうなずく。

「だよなあ。何でリンクネットなんだ?」

 ふたりの言葉に、翔華が笑う。

「そうね。まあぶっちゃけると、サイバーファミリアの体はデータの塊。これを分かりやすくするために、ファミリアに直接リンクネットを接続し、そのままファミリアの体内へとあなたたちが跳ぶのよ。まあ簡単に言ってしまえばファミリアの体の中へ入るって感じかしら?」

 アゴに手をやりながら説明する翔華に、ひばりと綾香は得心が言ったようにうなずいた。

 翔華は飲み込みの善いふたりに、満足げにうなずくと、扉に向き直って何事かを操作し始めた。

 すると、扉が開いた。

「さあ、お入いんなさい♪」

 楽しげな翔華に促され、四人はその部屋へと入っていった。

 中は割合と広いが、照明を落としているのか、暗い。

 中には大きな卵を横倒しにしたような機械が九器、所狭しと並んでいた。

「これが、あなた達をリンクネットという電脳の世界へと導く機械よ……!」

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