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KRASH!  作者: 神無月楓
ドイツもコイツもトラブル
79/88

新幹線にて

神でも仏でも紙でも屑でもない、じゃあ何だ。神無月です。

こんばんは~。今回の話は本当に要らない回同然ですけど…というか何の為にあるんだろう…。と思わず疑問を抱くような話です。

次話がいきなりスタジオなので、つなぎ役です。

どうぞ。

さて、5人は雪音ビルを出て、新幹線や特急などが発着する駅に着いた。学校がある場所にはそう大きな駅はないので、ここまで来るのにも少し時間がかかった。そのあいだに男子1名が車内で寝た、という事を報告しておこう。

駅に着くと5人は時間の余裕が出来たからか、急がずに難なく新幹線に乗車。尤も、KRASHは有名人なのであまりのんびりする事は出来ないが。

新幹線でそのまま何時間も乗ったまま。5人は東京に着くまでのしばらくの間、それぞれの趣味を楽しんでいた。

それぞれの趣味を。

数少ない時間を有効活用する為だとKRASHは言う。


「えー暇だなあ新幹線ってなあ…。」

最初に暇だ暇だと煩く言い出したのは、隼人だった。隼人は席でじっとしている事も我慢ならず、無理やり隣に座らせた考輝にちょっかいを出して遊んでいた。

「やめろ、隼人。」

「そうよ!」

新幹線には珍しく、わめくような赤ちゃんがいなかった。そんな静かな車内に、桜番長の怒鳴り声は響き渡った。周囲をびびらせる程に。

「遊んでる場合じゃないから!いい?これから歌うんだよ。緊張感とかナイの?あんたには。」

「ない。」

即答だった。隼人がケロッとしている事は、桜を余計怒らせる事とイコールで結ばれている。

「あのねえ!歌詞読み返すとか!次のカップリングの曲覚えるとか!あるでしょ!」

こんな説教はもう聞かずに済むかと思った。そう心の中で涼太は言った。因みに、彼が座っているのは考輝と隼人の後ろ。隣には誰も座っていない。そうなった理由は、いずれ誰かが隣に来た時、それがお年寄りの人かもしれないと考えた時に、対応出来るのが涼太だったからだ。

それは正しかったのか、と涼太は思う。

「まあまあ。冬休みの宿題は半分免除して貰ったんだし。今ここで半分やれば。」

「ヤダ。」

即答だった。

(でた~、隼人がヤダヤダ言い出すと止まんないぞ…!?)

さすがの涼太も頭が爆発しそうになったが、桜がまたポコンと一発言ってくれたおかげで免れた。

「じゃあ、何がやりたいの。」

「ババヌキ。」

隼人はどこからかトランプを持ってきて、そう答えた。

桜はトランプを見て悩んだ。いいのか、遊んでも。明莉に聞こうかと思い桜の隣に座る明莉に声をかけるも、彼女は音楽プレーヤーを片手に鑑賞中だったため、

「んへぇ?ん?あ、ごめん。」

すぐに気付いちゃくれなかった。

気を取り直して。

「で、いいと思う?」

「いいんじゃなーい?あたしもババヌキやりたい。隼人がこれやって緊張しなくなるって言うんなら良いと思う。」

明莉はそう答えた。隼人が持ってきたトランプを手にしながら。

桜は「もうっ…。」と少々呆れ気味で、けれど笑ってカードを手に取って、1枚ずつ配り始めたのだった。



あっという間に時間が経ち、あんなに遊ぶ事を反対していた桜さえも、かれこれ1時間はトランプを手にしていた。

ただ、後の方で飽きてきた時には、明莉と涼太が眠り始め、桜がウトウト、残り2人がふざけてちょっかいを出し合っていた。

そんなタイミングで

「まもなく~東京~東京~」

という可愛らしい音と共に車内アナウンスが流れ、途端に勢いよく明莉は目が覚めた。

「え!?東京!?懐かしの!?」

「…みたいね。ぼーっとしてたけど。」

明莉は大慌てで窓の外を見た。窓の外は、つい数時間前の豪雪などではなく、がっつり晴天。ぽかぽかしていそうな青空。ぴょこんぴょこんと幾つものビル群。煩く光る看板。こんなに都会なのを感じるのは、都会に暮らす人々には味わえない。

「きゃーっ!凄いよ!凄い!東京キター!」

「あーかーりー?今私語は厳禁よー?」

ドタバタと幼稚園児にも負けないはしゃぎように、桜は落ち着いて懐かしむ事すら出来なかった。

ここが東京だという嬉しさを。

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