新幹線にて
神でも仏でも紙でも屑でもない、じゃあ何だ。神無月です。
こんばんは~。今回の話は本当に要らない回同然ですけど…というか何の為にあるんだろう…。と思わず疑問を抱くような話です。
次話がいきなりスタジオなので、つなぎ役です。
どうぞ。
さて、5人は雪音ビルを出て、新幹線や特急などが発着する駅に着いた。学校がある場所にはそう大きな駅はないので、ここまで来るのにも少し時間がかかった。そのあいだに男子1名が車内で寝た、という事を報告しておこう。
駅に着くと5人は時間の余裕が出来たからか、急がずに難なく新幹線に乗車。尤も、KRASHは有名人なのであまりのんびりする事は出来ないが。
新幹線でそのまま何時間も乗ったまま。5人は東京に着くまでのしばらくの間、それぞれの趣味を楽しんでいた。
それぞれの趣味を。
数少ない時間を有効活用する為だとKRASHは言う。
「えー暇だなあ新幹線ってなあ…。」
最初に暇だ暇だと煩く言い出したのは、隼人だった。隼人は席でじっとしている事も我慢ならず、無理やり隣に座らせた考輝にちょっかいを出して遊んでいた。
「やめろ、隼人。」
「そうよ!」
新幹線には珍しく、わめくような赤ちゃんがいなかった。そんな静かな車内に、桜番長の怒鳴り声は響き渡った。周囲をびびらせる程に。
「遊んでる場合じゃないから!いい?これから歌うんだよ。緊張感とかナイの?あんたには。」
「ない。」
即答だった。隼人がケロッとしている事は、桜を余計怒らせる事とイコールで結ばれている。
「あのねえ!歌詞読み返すとか!次のカップリングの曲覚えるとか!あるでしょ!」
こんな説教はもう聞かずに済むかと思った。そう心の中で涼太は言った。因みに、彼が座っているのは考輝と隼人の後ろ。隣には誰も座っていない。そうなった理由は、いずれ誰かが隣に来た時、それがお年寄りの人かもしれないと考えた時に、対応出来るのが涼太だったからだ。
それは正しかったのか、と涼太は思う。
「まあまあ。冬休みの宿題は半分免除して貰ったんだし。今ここで半分やれば。」
「ヤダ。」
即答だった。
(でた~、隼人がヤダヤダ言い出すと止まんないぞ…!?)
さすがの涼太も頭が爆発しそうになったが、桜がまたポコンと一発言ってくれたおかげで免れた。
「じゃあ、何がやりたいの。」
「ババヌキ。」
隼人はどこからかトランプを持ってきて、そう答えた。
桜はトランプを見て悩んだ。いいのか、遊んでも。明莉に聞こうかと思い桜の隣に座る明莉に声をかけるも、彼女は音楽プレーヤーを片手に鑑賞中だったため、
「んへぇ?ん?あ、ごめん。」
すぐに気付いちゃくれなかった。
気を取り直して。
「で、いいと思う?」
「いいんじゃなーい?あたしもババヌキやりたい。隼人がこれやって緊張しなくなるって言うんなら良いと思う。」
明莉はそう答えた。隼人が持ってきたトランプを手にしながら。
桜は「もうっ…。」と少々呆れ気味で、けれど笑ってカードを手に取って、1枚ずつ配り始めたのだった。
あっという間に時間が経ち、あんなに遊ぶ事を反対していた桜さえも、かれこれ1時間はトランプを手にしていた。
ただ、後の方で飽きてきた時には、明莉と涼太が眠り始め、桜がウトウト、残り2人がふざけてちょっかいを出し合っていた。
そんなタイミングで
「まもなく~東京~東京~」
という可愛らしい音と共に車内アナウンスが流れ、途端に勢いよく明莉は目が覚めた。
「え!?東京!?懐かしの!?」
「…みたいね。ぼーっとしてたけど。」
明莉は大慌てで窓の外を見た。窓の外は、つい数時間前の豪雪などではなく、がっつり晴天。ぽかぽかしていそうな青空。ぴょこんぴょこんと幾つものビル群。煩く光る看板。こんなに都会なのを感じるのは、都会に暮らす人々には味わえない。
「きゃーっ!凄いよ!凄い!東京キター!」
「あーかーりー?今私語は厳禁よー?」
ドタバタと幼稚園児にも負けないはしゃぎように、桜は落ち着いて懐かしむ事すら出来なかった。
ここが東京だという嬉しさを。




