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KRASH!  作者: 神無月楓
ドイツもコイツもトラブル
75/88

2人の気持ちはパーティーで

おはよう神無月です。

おはようって言いたかったんです。

ええと、これは本題ではないので…本題っぽい題名なだけで。この回はスルーでもよろしいかと(困る)。

それではどうぞ…だらだらしてたらもうこんな時間でした。後書き省略です。

「じゃあ…別れていい、だとゴラァ!?」

他の生徒も何人か乗って静かにしている中で、明莉は巻き舌気味に怒鳴った。

「ひい~…お前そんなにキレるっけ?えへ。」

「だからえへじゃないよ!何笑ってんだよ!その悪趣味な笑顔よりもっとキレイな笑顔、見せる相手がいるでしょ!?」

とぼける涼太の胸ぐらを掴みかかる勢いで、明莉はそう言った。“ヤツに”伝わるように今度は小さな声で続けた。

「あのねえ…そういうのは、テレビ画面の前だけで見せて。いい?」

「うん。え」

「えへはもう要らない。」

同じ車両に乗っている他の生徒が、それを面白そうに聞いていた。遠くから眺めているかのように。

「とにかく、別れてもいいって何。別れたいの?はじめからそんなつもりで付き合ってたワケ?あんたの気持ちは、そんなモンだったの?」

ズバズバ言われるこの様子、絵に描くとしたら涼太が斬られ噛み千切られという残酷なものだろう。

もう自分が喋る暇がようやくできたと、涼太はこう答えた。

「…もう、自分なんかが彼氏じゃなくていい気がする。」

本人はえへっ、とにこやかに言ったが、それが重く沈んだ声だった事も、“うまくいってない”という事もすぐに分かった。何より、

「えっ!?涼どうしたんだ?」

この一部始終をずっと聞いていたKRASHメンバーからも、とうとう心配された。

「別に…。」

以前はあまり聞かないような、それは珍しく暗い雰囲気の言葉。

「別にって…おい涼、何だよそれ。」

「ヲタクにはヲタクなりの考えもあるのさっ。」

「はあ?オマエにはオマエのバカがあるとしか思ってねーぞ、俺は。」

はあ、と呆れて何も言えなくなる考輝は、真顔をつくる涼太に言った。

対して彼は、バカと言われたた事には突っ込まず、こんなネガティブ発言まで。

「だってえ…オレ。ただのダメ人間なんだもん。もう必要ないもん。絶対あの人には嫌われてる。いつしかアニメ好きになってから、もうその時から避けられてる気がして。」

「そ…。」

明莉はこれ以上怒鳴るのをやめて、代わりにそれだけ言った。

だけどそれは、いつも降りる駅に着いたから。そして、あんなに責めてもきっと青井涼太は元に戻らないだろうという理由で。



「ねえ!さっきの涼太聞いた?」

今日のレッスンも新曲の振り付けの練習。レッスンとレッスンの合間には必ず休憩時間があり、何分か自由時間、というきまりがこの場所にはある。そんな貴重な時間を有効活用して、明莉は他のメンバーに話しかけた。

「ああー、さっきの?あのネガティブ誰かさん?」

「そーそー!それ。あんなヤツじゃない筈だったのに。いつから“オレは神!”みたいな発言しなくなったのか。」

ふふっと自分でも笑うような事を言って、桜がそんな話をする。明莉が学校で開いたばかりの相談室に渚が来たという事を伝えると、メンバーは口々に言った。

「渚に告白したのは、あいつでしょう?それなのに、自信なくしちゃってるの?」

「俺ら、告白手伝ったんだけどな。」

「渚からすれば“私よりアニメが大事なのかも”。で涼太からすれば“趣味のせいなのは分かってる。だから相手に嫌われてるし自分はもうダメな奴”。うーん。」

この4人‥涼太以外‥は、割とはっきりモノを言うタイプの人間たちなわけで、こんなにお互いの気持ちを知らずに付き合っているなんて事が不思議に思えていた。

「何でお互いに、自分の気持ち言わないのかなあ。渚が自分は見捨てられたと思いこむのも、涼太は自分の趣味のせいで嫌われたしダメ人間だと思いこむのも…。おかしい話じゃない。」

これは何か2人の関係を考えなくては、4人は同時にそう考えた。自分らが手伝い、自分らの中では初めてのカップル(隼人の場合は長期間ではないので別)だった2人に、仲が悪くなってほしくない。

と、明莉はふと、この部屋に掛かっていた日めくりカレンダーが目に入った。

大きく黒い字で“17”の数字が浮かぶ。

「…17?うそっ!?」

「どうした!?」

超重大なニュースが目に飛び込んできたくらいの驚き。

「あ、明日って、涼太の誕生日だよ!!」

「ウソでしょー!!?」

カレンダーは嘘をつかない、全員冷静さを取り戻した。今日は12月17日。明日は今話題の涼太の誕生日だったのだ。

「まずい!どうしよう!?何か考えてる?」

裏リーダーの桜が代わって急遽仕切る事になっても、明日じゃあ何も用意が出来ない。恒例のバースデーパーティーが。



「そうだ!じゃあ!こうしよう。」


真っ先に神が舞い降りたのは、アイデアマンの明莉。

「サプライズと共に、いつもやるのとは違った事をやるの。もちろん歌ってあげるのもそうだけど…例えば、渚を呼んできて。」

「私もそれ、考えてたわ。」

桜もピンときてたらしく、同感する。

「いいよね、これ。言わなくても通じるくらい、今のアイツにはぴったりなサプライズよ。」

今回のパーティーは何と30秒程で決まったミラクル計画…というべきか。4人はそんな事も気にせず、今の涼太にはぴったりなサプライズを実行することに。


「サプライズも、2人の恋も、両方できちゃう素晴らしいアイデアよ!みんな、明日までに練習してきてねー♪」

「ウィーッス。」

そんなこんなで、休憩時間も終わり、レッスンも再開されたのだった。一体どんな誕生日パーティーをするつもりなのか、そんな事は4人にしか分からない。

ただ言えるとしたら、渚との恋愛解決、14歳の誕生日も同時に出来てしまうパーティーなのだと。…もうパーティーとは呼べないかもしれないが。

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