彼氏はオタクだった事件
眠気とはいつでも戦い続けている神無月です。
勝つ方法はただ一つ、妄想です。興奮しますよきっと。私はやりませんけどね。
今回は何かしら全国のオタク彼氏に発信するメッセージにしたかったんですが、文字数も少なければ何も伝わるものがない。
ま、それはさておきどうぞ、お暇がありましたら暇を潰してしまいましょう。
「はあ!?オタク!?今更そんなに驚かないけど。あの人、日々パソコンとラブラブだったし。」
「それが…。私も涼太さんが車好きだったりパソコンに浸ってた事は知ってたんです。でも、この間知った事実はそのどちらでもない筈です。私が涼太さんと話したくて教室に行ってみたら、あの人、何やらアニメキャラのキーホルダーとか、ファイルを持ってたんです。いつも居たらそりゃあ誰でも気付きますよ。こんな物持ってたっけって。それ見てニヤニヤしてたんです。」
あいたたた、明莉は話を聞くうちに思った。そういう事か、オタクというのは。実は明莉も異変に気付いていて、1ヶ月くらい前は緑色の、この間はピンク色の髪のキャラクターのキーホルダー(それも立体的なミニフィギュア)を筆箱に付けて仕事に来ていたのを見た。
さらに、と渚は話を続けた。まるで助けてと言うように。
「一番怖かったのは、自分からそのキャラクターグッズの事を淡々と私に語るんですよ。ピンク色の髪のキャラクターの事とかそのグッズの入手方法とか!そんなの、私には何にも関係ないのに!オタクはよく知らないですけど、こんなに趣味を他人に及ぼすものとまでは…。」
渚がここまで必死に喋っているのは初めてだった。確かに明莉にも思いあたる所があり、その筆箱に付いているグッズの事を聞こうと思ったのだが、怖くて近づきも出来なかった。
(あたしもオタクかもしれないけど若干…)
渚にはこう答えた。
「あらら、涼太いつからそんな怪しい道に…。渚とどっちが大事なのか心配よね?もう…かわいそうに。まあ、オタクは話を聞いてあげるしか方法は無いね。今までどおりに接してあげて。」
正直に言えば、明莉はアニメオタクの対処の仕方なんて聞いた事も無いからわからなかったし、渚がどんなにその事で困っていたって、涼太の“一度ハマると抜け出せない”癖は救いようが無い。
「あの人、ヘンよね。」
明莉も同じアイドルユニットとして涼太と付き合っていたので、共感して話を聞いた。
「わかるわ。ヘンなのよ。悪趣味じゃなくて。ヘンなんだよ。」黙っているよりかは断然マシかと思い、明莉はそう結論を出した。相談に乗るのがこんなにも難しいなんて、思ってもみなかったの!
渚も少し安心したのか、ほっとひと息ついた。
「ありがとうごさいます。こんなに、どうしようもない相談してすみません…。」
「いえいえ。いいのいいの。これであたしも、アイツの現状をあらためて知る事が出来たのだから。感謝したいくらい。本人にも言っておくね、キツく。」
彼女ー‥渚に至っては特殊な相談内容だったので、特別に明莉の口から直接言う事にはなった。だが、2人共そんな事じゃあ青井涼太は揺らぐ事はない、とそこまで把握済みだった。もちろんそんな話は一切口に出さないが。
「大変ね、あたしはそんな彼氏がいた覚えはないから、ちょっとよく分からないけど…。」
笑って何とかごまかしていた明莉の心境だって、本音は“いくらあの渚でも”彼女を困らせる彼氏は許さないという怒りの気持ち。そんな男子、ダメダメ、ダメ!そう警告しておくべきかどうかだって考えたくらい。
「失礼しました。」
「またいつでも来て下さいねー。」
最後はお互い作り笑いだった。
「絶対言ってやるんだから!オマエのオタクグッズ全部引きちぎってやる!今度のコンサートがあったらオタ芸よ!覚悟してなさああい!」
×オタク
○ヲタク
この違いって影響あるんですか…あの…。
あかり相談ルーム、ファイト!
次回は時間がある限りで話を膨らませようかと思ってます~。
それでは、ありがとうございました。




