渚の恋愛相談
神無月です。
↑もう省略です今日は。
明莉と渚については、詳しくはずいぶん前の話を見ると書いてあります。仲があまり良くない理由が。
それではどうぞ。
ここは、あかり相談ルーム。
今日たった今開いたばっかりの、できたてホヤホヤ相談室。
何をする場所かっていえば、皆さんの立場でいうと、普段の学校生活の事とか、勉強など学習面、音楽や実技についての悩み。恋愛修行真っ最中の女の子たちの悩み事を持ち込んで、あたし杉浦明莉に相談するという場所なの。
色々な部分や場面を、あたしがしっかり向き合って答えていこうと思うから、悩み続けず、何でも相談しに来て欲しいと思ってます。
時間は、お昼の時間。一応、今週一週間しか実施できないけど、好評だったら喜んで延長します。
「それで…生徒会に対する苦情とか、そういうのはエンリョしてもらえればと…。」
何人か並んでわざわざ集まってきた女子生徒に、明莉は笑顔で説明をしてあげていた。
相手側の女子生徒も、何だかドキドキ緊張しながら話を聞いていた。
「それでは、どうぞ。」
明莉が座る席の向かい側の席を差し、早速記念すべき1人目の生徒が入ってきた。
普通の教室に入るだけでも、少し緊張はあるだろう。その生徒もそーっと中に入った。
「失礼します。」
「どうぞ~。」
明莉はKRASH活動でも心がける“笑顔”を絶やさないように、そう言ってその人を席に座ってもらった。
だが、相談に来たその人を見た途端に、その顔はすぐに曇った。
「げっ。」
「げっ。」
なんと、初めての相談者はあの寺川渚だったのだ。通りでおどおどした感じだと思った、明莉は過去色々あって彼女をライバルにしていた。あまり良い意味ではなく。
以前ダンスの事で渚と色々あった、という事実があったのだが、明莉の為に黙っておこう。
「なんであなたが!?」
相談したかったからだろ、自分に言い聞かせあらためて、
「どんなお悩みですか?」
と言い直した。
渚はちょこんと座ると、ぼそぼそとこう言った。
「れ、恋愛のコトで相談があるのですが…先輩。」
先輩…明莉は「ん?」と思った。一応同じアイドル事務所の後輩にあたる渚は、学校でも先輩と呼んでいる。
「恋愛、ですか。」
「はい。」
「ほんと?」明莉は耳を疑った。
「はい。」
「まじで?」
「はい…。」
渚がこくりと頷くと、こりゃまたアイツと何かやらかしたな、とついニヤニヤした。
そういう癖はよくない、明莉。気を取り直して渚に聞いた。
「どんな事なの?あなた確か、うちの涼太と付き合ってなかった?」
「そうです。」
渚は顔を上げて頷いた。
「…あまり聞きたくないけど…。」
「ふ、ふられたんじゃないです!」
すぐさま渚は言った。
「じゃあ、何があったのよ…。ふられたんじゃないなら。飽きた?あーあいつ飽きっぽいヤツよ?そして飽きられやすいカモネ!」
1人勝手に言ってる明莉に、渚は小さな声で言った。
「あの…違うんです。わ、私はいつまでもあの人と仲良くしたいです…それに最近、ようやく彼女というものが理解出来たんです。」
渚はその小さな声で周りに聞こえないように話し始めた。明莉もよーく耳を傾けた。
「さっき言った通り、私も最近になって彼女という存在を受け入れしられるようになりました。心の発達なのだと思います。ただ、ここ最近で気付いた事があるんです。」
「とは?」
「あの人…涼太先輩…涼太さん…。オタクだったんですよ…。」
「はぁ!?」




