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KRASH!  作者: 神無月楓
ドイツもコイツもトラブル
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プリンス隼人へ贈る

今日あることを聞いて驚きました。叫び過ぎで声が枯れました神無月です。

今日をもちまして、今作品「KRASH!」は、作者名が“神無月楓”になります。

理由は、原作(原案)を考えて下さった緑川さんが、小説家になろうであらためて書く事になったからです。私風アレンジの「KRASH!」と緑川さんの「KRASH!」は少し違います。しかし、盗作ではなくお互い許可を得て書いていますので、その点は宜しくお願いします。因みに緑川さんは今後KRASHを書くそうです。

それでは!後書き省略です!

「キャーッ!隼人くんだ!キャー!!」

隼人本人が自ら祝え祝えと言いまくり、学園の女子からは次々と中庭で叫ばれた。隼人がいる校舎には入れないように塞がっているので、大小様々なプレゼントを持ってきた子たちはみんな、笑顔で“プレゼント回収袋”に入れていった。

「なんだ?この袋?ヤケにデカいと思ったら…あいつ袋にプレゼント入れてけってか?」

考輝は呆れて、袋を覗いた。

ー‥隼人がどれだけファンから貰えるのか、それが知りたかったからだ。

「うぉお!結構あるねえ!」

なんと袋の中には溢れんばかりの包みがどっさり入っていて、数えると…ざっと100くらいだ。その中には包みもなく直接入れていった人もいたようだ。

「こりゃ凄い。」

「さあってと、俺たちも何かやらんとな。」

「“これ”に対抗すんのか?」

京介はじろっと袋の方を見た。

「へっへっ、大丈夫だって。俺たちは隼人に負けねえくらいファンに応援されてんだんな。」




同じ頃桜たちは、隼人の噂を他から聞きつけて、人混みに紛れて中庭に来た。

KRASHのメンバーがこんな事して大丈夫なのか、という話なのだ。

「何やってるのよ隼人…!」

マズい物でも見たかのように、桜は顔をしかめた。そして明莉は、まじまじと垂れ幕を見た。

「あれね、そう言えばあたし手伝ったわ。作るの。」

「なんで止めなかったのよ!」

その時、桜はある事を思い出してしまったのだ。

今朝見たあの夢の事…あの夢の内容である。

「私…夢の中で隼人に“あなたは確か…今日誕生日?”って言ってたのよ!」

「ええええぇぇぇぇええぇええ!?」

「だけど、今日はちゃあんと、計画したからね。隼人の。」

桜と明莉も、2人で目を見合わせて笑った。


残るは隼人に仕えている涼太さんだけ。今回のお祝いの計画をした考輝がいる、この階の上に行かなければいけないのだ。

「あの~う…隼人…。」

「なんだ。」

何て奴だ!涼太はムカッとしたがすぐにあらためた。

「ー‥今すぐに、下に降りようぜ?ファンがお前に会いたがってるから。」

「おう!そうだな!俺もそろそろと思ってた。お前も行く?」

「いいや?オレはこれから上の階に用かああるから。」

涼太は首を振って、走って階段の方へいった。

「なんだ?あいつ。」


「さあ早く早く!」

隼人以外の4人は、さっき隼人がいた所の1つ上の階に集合した。

「キチンと許可得てやってるんだからな、俺達は。」

「危なっかしい事はできないね。

4人はこの階の廊下で、窓際に横一列で並んだ。

「京介は面白がってこれを見物してやるらしい。」

考輝は垂れ幕をどこからか持ってきた。

「セットしちゃって。こないだ大変だったなー。だって文字失敗してさ。」

「あれかー。隼人の隼の字を間違えてたやつか。」

明莉はてへへっと笑うと、その垂れ幕を廊下の窓側にセットし出した。

「そっちと、こっちもな。」

考輝がどんどん他の垂れ幕を持ってきては、窓の方に準備をしていった。その数4枚だ。

「凄い沢山作ったんだね、あたしたち…。」

みんなが垂れ幕の出来に安心し落ち着いている中、涼太は窓から中庭を眺めた。ただ眺めたかったのではなく、隼人が下にいるかを確認するためである。

「キャー!!」という黄色い声が聞こえてきて、見なくても下にいることがわかったので、涼太は「おっけーみたい」と言った。

「あ、じゃあやります。やりましょうか。」

考輝が窓を勢いよく全開して、マイクを持って叫んだ。


「隼人おおおおおおおおおお!!聞こえてるかあああああああ!聞こえているなら今すぐこっちを向けえええええええ!王子様気取り俺のタイプじゃねええええええええ!」

マイクからほぼ全校生徒に向けられたその

偉大なる方のメッセージは、学校中を驚かせた。

「なんだよー!!」

さっきまで大威張りだった隼人が小さく見えた。それを見て考輝は引き笑いをこらえると、こう続けた。

「今日はあの有名なアイドル、また生徒会役員、またシャレンドの王子様、の沢渡隼人くんの誕生日です!」

次に桜。

「あらためてお祝いしましょう、今度は生徒会主催で、そして彼がKRASHのリーダーだからこそ、盛大にお祝いします!」

と言うと、隼人は見上げたまま、目をうるうるさせてメンバーを見ていた。

「あいつら…。」


視線はこの窓に集中した。

次から次へ、するすると4人の手から下へ落ちてゆく垂れ幕。

落ちてゆくのではなく、書かれたメッセージが明らかになって彼のもとに伝わる瞬間。


“隼人 誕生日おめでとう!”

“リーダーいつもありがとう!”

“これからもよろしくね!”

“KRASH一同 と ファン”


その文字がはっきり隼人の前に表れていた。


「…!!」

隼人は黙ってそれを見つめた。

どこもかしこもが、一斉にしんと静まったような空気が流れ出した。

真っ先に口から出た言葉は、

「お前ら…最高だあああああああああ!!!」




それは彼自身が一番伝えたかった言葉。祝えと自分からあれほど言っていたのに、唯一言わなかった相手から。それが嬉しくない筈が無かった。


「リーダー…!!」


「これからも、宜しく!」

「ああ、俺こそ!!」

隼人は自分宛ての大きな大きなメッセージを見上げて、そう叫んだ。

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