表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
KRASH!  作者: 神無月楓
はじけろ!サマースプラッシュ
53/88

コンサートに向けて

シャレンド学園も遂に夏休みに入り(それが珍しいというわけではないが)、生徒達は夏を存分に楽しもうとワクワクしていた。

この学校、宿題をあまり出さずに予習復習を自主的にやるという感じであり、夏休みだからと言って山程の課題は出されない。

それは生徒達も、素直に予習と復習をやっていくのだとか。


ただこの学校、1つ半端ない部分があって、校内の会話がこんな風になる。

「夏は旅行でクルーズに行くんだ~。」

「海外へ行って別荘に泊まる予定。」

「ハワイでのんびりするわ!」

と、何ともお金持ちの生徒達である。普通の生活をする生徒に紛れて、海外へ行く生徒も少なくはないのだ。

この間も、2年C組のザ•シャレンドボーイ(?)の美図が、

「僕はね。いやまあ自慢じゃないけどね?もら、毎年家族で旅行行ってるんだよ。今年はフランスでね…。」

とクラスメートに自慢をしていた。


さて、そんな中KRASHはというと。

「~♪~♪~♪」

「ええっと、ここで私が動いて、ここで2人で?」

「違うよ、あたしがここだよ。」

「え?オレじゃねえの?」

「「やまさあああああああああん!!」」

と、こんな調子で、コンサート用5人の台本を読んでいるところである。教科書より分厚いのは、細かく書いてくれなきゃ分からないと言ったKRASHに対するyamakoの優しさ。

だが、それがかえってダメだったようだ。

要するに、夏は5人とも忙しくて夏休みなんて無い。宿題も幸い出されていないし(芸能活動している生徒のみ)、遊びにも行けそうにない。

「移動がよくわかんねえけど…」

「あら~私の台本で何かお困りですか?」

頭を抱えていたところへ、やまさん自らやってくる。それがあの社長。

「ま、まさかホントに来ると思ってなかった…。」

「で?何をそんなに困ってるの?」

「この、次移動、のあとのですけど…[適当に]って何ですか?」

桜が指差したところをyamakoが覗きこんだ。

「そりゃ、そのまんまの意味ヨ適当に動きなさい状況に応じて。」

「わっつ!?」

「え?ダメ?」

ダメにきまってますから!!心の中で叫んだ5人。

「ま、じゃ頑張って動けばいいんですね。」

「そうヨ。」

yamakoは本当に何を考えているのか、それとも何も考えてなんかいないのか、全く読めない人だ。ただ一つ言えるとしたら、それはかなり面倒くさがりなのだろうと。

「あれ、ここの部分誰司会ですか?」

「適当に。」

「「ええええええええええ!!!??」」

こりゃまずいよ…KRASHは危機を感じた。なんといっても知っているのはyamakoだけ。あとの人はコンサートの裏なんてそう知らない。コンサート構成は別の人の担当でも、結果としてyamakoのチェックが入るなら意味がない。

「じゃここの、風船もって移動も適当ですか。」

「それは持つ風船の色と、人と場所決めたの。」

適当でもこだわりあるのー!?益々KRASHは驚きを隠せなかった。じゃあ全てアドリブでいいじゃないか!

「もう覚えられないぜ…。」

「あら、明日から泊まり込みでアリーナ行くのヨ?」

「エエエエエエエエ!?」

無理…あまりに無理過ぎてるぞ…まだ台本覚えきってなくて段取り悪いのに!!心の中でそう思いながら、明日に備えるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ