補習、どうする
こんにちは。神無月です。
お知らせがあるので活動報告みて下さい。
個人ブログでKRASH!の連載をするので、これが最後の更新になるかもしれません。
ブログのURLは、活動報告に載せておきますので、是非見て下さい。今後はブログで小説を書きます。
KRASHのメンバーには心配もされていたが、隼人は何だかんだいい点を取るんだから、と言われてしまう。5人は揃って一番良い点を取っていると、みんなからも噂された。
そんな中で返されたテストは、隼人が予想していた通りの悪い結果だった。幸いにも補習に呼び出されることはないと分かっても、決して良いことではないのは自覚していた。
5人横一列だったトップから落ちたこと、それだけでも失望されてしまうだろう。そう思った隼人は、点数のことは黙っていた。
ー‥
「なあ、テストどうだったー?」
既に5人は違うクラスなので、考輝に会ったのも廊下で偶然すれ違っただけだった。
「まあまあ、だな。」
「俺もー。ってか、お前のまあまあの基準知らないから。」
考輝が鼻で笑って、A組やD組を訪ねに行った。桜や涼太が、そのクラスにいるからだ。
(あっぶねえ~!考輝はウソ見抜くの得意だから。)
隼人はため息をついた。
廊下にいると女子にも色々付きまとわれるので、休み時間は静かな2年生用階段の所で過ごした。
(ここなら、きっと誰も来ない。)
そんな安心感を持って。
「よかったー!」
「げえっ!?」
隼人の背後から、走って呼んでくる来る女子の声がした。
「探したよー。」
それは、息切れしそうになっている明莉。「酸欠になるかと思った!ふぅー。」
「なれよ酸欠に。」
「あらヒドい。それより、何点だった?」
「点数言うわけないだろ!」
「ごめんごめん。ジョーダン。ね?そんなに悪くなかったでしょ?
明莉に言われると、何というか、凄ーく話しにくい。
「あ、ああ。まあな。」
「ほら~!やっぱドーンといい結果でしょー?」
「あ、ああ。ああ。」
なぜか明莉のペースにのってしまう隼人。ドーンといい結果でしょ、と決めつけられても隼人は何も言えなくなっていた。
「ま、ま当たり前だろ?」
「そうよね!あーみんなの成績聞きたかったんだけど、どこ行っちゃったんだろう…。美図の居場所知ってる?」
「同じクラスのクセに、何でお前が知らねえんだよ。俺が分かるワケねえだろ。」
「そうだよね~‥。あーもう、桜ちゃん!桜ちゃんってば~!!」
そんな慌てた様子で、明莉は桜を探しに教室の方へ戻っていった。
(ったく、アイツ何の為に俺を呼んだワケ。)
まったく、まるで点数悪いこと分かってて聞いてきたみたいじゃねえか。隼人は心の中でそう思った。
B組の教室は、期末テストが返されたたその日から、勉強を教えてもらう教室に変わっていた。点数のいい人が分からない所を教えたり、そもそもここの教室が、放課後補習教室に使われるのだとか。
「志望者も来て良いことにしますが、40点以下の人は必ず来て下さい。」
先生は黒板に大きく「40~補習」と書いた。
生徒はどよめく。
「補習教室はB組とC組で行う事に決定したので、来て下さい。」
(うえ~‥ここでやるのかよ。)
特にこの教室でやるのに問題があるわけではないが、隼人にはそれが「自分がこないといけない」ように思えた。
「俺行ーかない!」
隼人の近くの席の男子が小声で言った。
「何で?」
「そんなの、真面目に出てる奴もすげえよな。フツーそんなの行かねえよ。」
「…そうだよな!」
隼人はそれにのって言った。
本心は、行かなければならないのだろう、という気持ちのままだったが、確かに真面目に行くのも周りからひかれそうだし、KRASHの活動もコンサートを控えているのに停止になってしまう。
(どうすれば…。)
隼人はどうするべきか、迷っていた。先生に絶対つかまりそうなかんじでもなかったのだが、このままできない部分を放っておけば、いずれ呼び出される日も遠くはないだろう。
なんだかんだ、隼人はここに補習に自ら来ることになった。
「あっついなぁ・・・ここの部屋。」
夏休み前からある補習教室は、放課後とはいえ暑い中。
そして目つきの悪い数学の先生が、黒板の前に立ってチョークを握っていた。
「ほら、早く座れ。」
そのあと、何人かが遅れてずらずら入ってきて、BC組会わせて60人くらいが補習にやってきた。
「はい、今からクラス分けします。今日は数学の補習の授業なので、数学で呼び出された人はB組、呼び出されてないけど心配で来た人はC組へ移動してください。」
それは、どういうことなのか、誰も知らなかった。
「なぜ移動するんだ?」
「さあね・・・。先生に教えてもらうか生徒に教わるかの違い?」
「な、なんだよそれ。」
隣の席の男子はつまんなさそうに言った。
「お前、呼び出されてないのにきたヤツだろ、隼人だもんな。だから、成績優秀な上位5名くらいがC組で教えてくれるらしいんだってよ。」
「それは、良いことか?」
「良いに決まってる!あの数学の先生目つきが嫌いでよ。」
「ふうん・・・。」
隼人は薄々、何かしらラッキーなのではないかと思った。
隼人がここB組の隣のC組の教室に、居るだけいた時のことだった。
ここに来た生徒は半数以上だったから、余計暑い。
それにやけに騒がしい。
隼人は
「うるせえな・・・。」
と思いながら席に着いていた時のことだった。
「失礼しまーす。」
がらっとドアを開けて、生徒が4人ほど、教室に入ってきた。
「教えにきましたー!」
「さっそく、わからないことがある人ー!」
その笑顔でこっちを見た顔は、隼人を驚かせた。
「お前ら・・・バカだろ。」
それは、ノートと教科書を持っている以外なんにも変りやしないKRASHの4人だった。
「あ、やっぱり。隼人ここにいたのね。」
「悪いかよ!!」
「いやいや。あたしたちだって。心配したよ~今日突然いなくなったからさ。」
明莉はにっこりして言った。
「それにね、隼人が余裕なんて言ってたけど、ウソ丸わかりだったよ?」
「あっそう・・・。」
「とーにかく。先生にもわざわざ頼まれたんだから、オレたちも頑張る。」
涼太はばっちり準備して言った。
「・・・なんか、ごめんな。」
「いいのいいの。他のみんなも、教えるんだけど・・・。」
桜が教室を見まわすと、他の子はみんなキャーキャーいって席についていなかった。
「キャー!KRASHがここにいるー!!」
「すごっ。隼人ががあたしの席に座ってる!!」
「やれやれ。お前、ここにいても人気者じゃねーか。なにも恥ずかしくねーよ。」
「そうだ・・・けど逆に恥ずかしいww」
今まで、小説家になろうで読んで下さった方、ありがとうございます。
またブログの方でお会いできたらと思います。
もしかしたら、飽きてこっちに帰ってくるかもしませんし。
それでは。




