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KRASH!  作者: 神無月楓
学校は生徒会ガード
44/88

最終戦は後輩と

夜中に鼻歌を歌っていると「怖いんだー!」と言われてしまう神無月です。

今回は反省会を開く事になりそうです。理由として、題名に合わずラストがしょぼいという事です。御免なさい。私は今、スランプなのですよ…。

はい!今回もいつもより長々書いてしまってます。だるいですがどうぞ、お暇がありましたら。

※注意書きはとばします。今回の注意はいつもと変わらないので。


まさかのあの人の登場が思ったより目立たなかったとか。

「嫌い…とか言ってねえよ。ただ…。」

「まあいいよ。じゃ、最後に宜しく。」

「おい、待てよ未希。本当にそれをやらせるつもりか?」

未希はそれを無視して、

「京介はやってくれないの?」

と言った。

「くれないのって、そんなに嫉妬してんなら自分でやれよ。」

京介からすれば彼女の行動は、単に嫉妬に狂っただけ。そんな後輩でありカノジョである未希の言いなりにはなっていられない。それもそうだ。

「あっそう…分かった。ありがとうございましたー。行こっ、渚。」

未希は嫌々礼を言うと、渚の腕を強引に引っ張った。

「行くって、どこに!?」

「決まってんでしょ。5人の居る所へよ。直接こっちから行けばいいんでしょ。」

「そんな、無理過ぎるよ。」

渚は自分の腕を掴んでいる未希の手を振りほどいた。

「どうしようと私の勝手でしょ。」

「未希、前から私は賛成していなかったけど、いくら何でも先輩に対してそれは酷いと思わないの?」

「思わないよ。実力は下じゃん。」

「そんな事言ってるし…。」

渚には、もはやロボット並みに感情の無い未希を分かってあげる事は出来なかった。

「とにかく、私はやるからね。例えそれが夜中でもね。」


その頃KRASHの方では、まだ解決策が見つかっていなかった。

「どうする?」

朝から追いかけっぱなしで授業にも集中できず、尚且つ犯人も分からずというところ。そんな中で誰が助けになど…

「やまさんはこの一大事を知っているの?」

「さあな。知ってるかどうか怪しいところだぞ。」

考輝は、「知ってたらもっと早くどうにかなってる」と言いたそうにしていた。

「だってさあ…。やまさんならきっとコレを止めてくれるだろうけど…。今すぐには伝えられないだろ。」

「そうよね~。」

明莉は中でも一番考え込んでいて、こうなったらどうしよう、ああなったらどうしようと山のように心配事を抱えている。

「ああほんとどうすんの…。ドカーンってなったら(?)」

「その時はその時よ。」

桜は明莉の傍に来て、出来る限りの笑顔を見せた。けれど全員生きる気力を無くしているのはわかる。お互いその顔は見せられなかったが。ラウンジでこうして会話していられるのも時間の問題。またファンが押し寄せてきたらとんでもない。

「きゃーっ!KRASH様よー!!!」「カッコイい~!!」「可愛い~!!」という声でうんざりしたのはこれが人生初だっただろう。


その時だった。


「落ち着きがないね。どうしたんだい?」


「!?(この声!)」

ラウンジで落ち込みながら椅子に腰掛けていた5人の前へ、わざとらしく輪へ入ろうとする、美図の姿だった。

「美図。どうしたの。あんたなら…ファンでも追いかけてこないわよね。元から知っているから。」

「僕はああいう子供の遊びはしない。大丈夫心配しないで。」

美図はこれまで調べた事を早く伝えたいとばかりに焦りつつ、その場でこう言った。

「何、あのファン達の事かい?」

「そう。あいつらが皆煩いんだが、誰が俺らの身分を明かしたのか分からなくてな。」

「ほうほう。…じゃあ、5人とも知らないって?」

「「うん。」」

美図は椅子に浅く腰掛けて、言い直した。

「本当に、誰も心当たりないのか?例えば、普段からKRASHを見ていた人や、関わった人の中でも特にっていう人。」

そう聞かれて、やっと5人は「あ~、そんた考え方が。」と考え直した。誰が犯人か、これで検討がつく。

「そう、よね。でも、分かってるのは渚と赤坂だけね。」

桜が自信満々に答えを出したものの

「本当にそれだけか?」

美図には「甘い」と言われ返された。

「え!?違うの!」

「俺もそうだと思ってた。」

口々に言う中、涼太だけ「あ」となにか思い出したように声をあげた。

「まだ1人居るわ、もう1人後輩居るよね、あいつじゃね?」

ほら名前忘れたけど、とはいえメンバーも、納得の声。美図もここでようやく真実を明かす行程に入った。

「僕は朝、皆に聞いたのさ。そしたらこう言っててね。全て2のAにいる不良がやったって。」

それを聞いた途端に、5人共が衝撃を受け、声が出ないどころか逆に怒りがこみ上げてきた。

「でもね。」美図は5人を怒らせないように話し続けた。

「僕は、何故赤坂がそんな事をしたのか、その前の段階を見たのさ。」「え?それはどういう事?」

明莉は不思議そうに首を傾げた。

「赤坂っていう奴が、5人が留守中に広め、それを聞いた人から人へというように、ね。そうすれば早い。」

「じゃ、犯人はやっぱ京介じゃねえか。あいつ裏切りやがった。」

考輝は裏切られた事に対しても驚いて、それで腹が立っていた。

「それで、僕は偶々その計画中のところを見てしまったんだ。そしたらね。驚かないでね。」

美図がひそひそ声になると、5人つばを飲んで、耳を傾けた。

「計画をしていたのは、君ら5人アイドルの後輩2人だったんだよ。」

「!?」

今一ピンとこないのか、メンバー全員ますますわけが分からない。

桜は眉間にシワを寄せた。

「その2人は、渚と…未希?でも私、いつ未希に会ったか分からないわ。」

「すずらん祭の時に見たんじゃない?」

「それで、その2人が赤坂に命令していた事が分かったんだ。」

「つまり、あいつがやったのは間違いないけども、計画犯は2人ってことね。」

「そう。そして2人のどちらかに絞られるんだけど、ここで1つ犯人を特定できるとしたら、犯人は赤坂と面識があったから頼めたって事だ。」

美図はどんどん話を続ける。

「だから、付き合ってるらしい小嶋の方かもしれない。ただ、KRASHの情報をどうやって知り得たか。」

「どういう意味?」

「5人共、誰にも見られないようにレッスンへ行っているよね?」

「なぜそれを美図が知ってるのか聞きたいわよ。」

桜か鼻で笑った。

「それは、誰にも見られていない筈だけど、見た人がいる。だからいつ5人が校内からいなくなるか、それが分かるのは?」

「!渚だ!あの子この頃よく周りうろついてた。」

明莉が答えると、それを聞いた美図は「その通り!」と答えた。

「要するに、計画犯は2人共って可能性が高いんだ。」

「そんな…今度こそ裏切りだよな?」

考輝が少し苛立っているのに、隣で突っ立っているリーダー隼人はあまり危機感なさそうに聞いていた。

「僕が分かったのはこれだけ。あとの裏事情なんて知らないから、早くとっ捕まえて先生を呼ばないと。」

「有難う、美図。先生に言える事じゃないから、もう自分らで何とかしなきゃ…」

桜はお辞儀をすると、「でも」と言い始めた。

「何故美図がそこまで知ってたの?わざわざ調べたなんて。」

「そろそろ使命っていうものに憧れる歳なんだよ。」

美図はそう答えてウィンクをばっちり桜にしてみせた。

「あとはどちらを疑うか、任せるよ。僕は生徒達を止めるから。もう今は授業どころじゃないってさ。」

「分かった!有難う!」


5人はそのままの流れで、半分は犯人を捕まえる事、もう半分は美図を疑っている事その両方の気持ちを抱えて人混みを突破した。

ラウンジから10メートルは離れた方に、美図によって足止めされている生徒達が押し寄せてきていたからだ。けれどその中を通らなければ、教室にもどこにも行けないのだ。

「よし、仕方ない。行くか!」

威勢のいい隼人が、その生徒の群れへ一番に突っ込んだ。

「オレも!」

続いて人を押しつぶそうと涼太が割って入って、その通り人を押しつぶす勢い。

「早いわよ男子は…。」

「待ってよ男子!このオタンコナス!あたしもドーンと押したいんだから!」

そうして5人が人と人に挟まれながらやっとの事で突破した頃には、もうお昼休みの終わる予鈴が鳴っていた。

「いでで…さて、取りあえず教室戻るぞ!」

「あ、待って!」

「何だ。」

「確か次の授業、向こうの教室じゃなかった?」

「早く言え!!」

6時間目の授業も変な空気で無事終わり、帰りの会も終わらせた後、レッスンへ行く前に廊下を走っていた。

何故なら、あの3人がまたどこかで計画を立てているかもしれないから。しかし京介を捜すより2人を捜す方がいいので、1年2人の捜索に向かった。

「1年の教室は?」

渡り廊下で待ち合わせしていた桜に、隼人が走ってきて、「いない」と言った。

「こっちの校舎なら、人は追ってきてないわね。」

「だけど犬は鼻がいいからな。」

「向こうの特別教室も居ないよね。」

「うん。」

じゃあどこだ?次の疑問点はそこだ。帰った訳じゃないような気がしたのだが…

「今日一日、見かけなかったけどね。」

桜は半分諦めムード。

「そんな。」明莉ががくっと肩を下げたその時。


「あ、いた。」


その声は思いっきりKRASHを指差した。尊敬のその字も無い。

「ここにいたよ、渚。」

5人が一斉に振り向くと、その声の主の姿は見えた。

指を差している人も見覚えがあるし、隣でおどおどしながら腕を引っ張られている渚も分かる。

「あんたたち!」

「ごめんなさい!」

とっさの判断で言い出したのか、あるいは本当に謝っているのか…心が読めない渚はすぐに頭を下げた。

「わっ私、本当に大変な事したって分かってます!」

「シッ、何でそんな事言ってんの。謝る必要ないでしょ。」

その一言で、5人の冷たい目線は未希の方に向けられた。

犯人である事も断定した。

「あんたが、計画したのよね?もう分かっているわ。」

「へえー?誰に聞いたのか知りませんけどー。」未希は同い年でもしないような態度をして見せて、睨んだ。

「そうですけど?私かやりましたけど何か。」

「言われる事分かってるでしょ?何でこんな取り返しのつかないことを!」

「だってー、KRASHの人気の理由が分からないんですー。」

「だったら何やってもいいわけ?あなた後輩でありながら…」

「説教だって、私達はもう聞き飽きてますよ。うんざりです聞いてられません。」

こりゃすごい度胸のある後輩だな、考輝は脇であざ笑っていた。

「はあ、そうですか。分かったわ、私達へ嫉妬してたわけね。彼氏までつかって。酷い事をしてるって自覚もないんでしょ。」

「ありません。私達からすれば、何で人気なのかわかりません。私達の方がKRASHより、本気で世界一のアイドルを目指していますから。」

未希は少しうつむき加減。

「なのに曲もあまり貰えないし、ダンスももっと教えて下さらない、私達の存在だって知らない人が事務所にも居た。」

そう言われて5人は5人共、自分達は確かに未希を調べますなかったな、と思った。

「だから、私はその存在を知ってもらうためと、KRASHより上になりたいから、この計画をしました。それがどう悪いんですか?アイドルはバレてちゃいけないんですか?はっきり言って、皆薄々気付いてましたよ。」

それも確かだった。校内で芸能人は少なくないから、5人はもしかして、といい人だらけだった。あとはその証拠があるか無いかそれだけの話。未希の気持ちは分かった気もした。

他4人が黙っていたので「しかたない」と桜が代表して言う。

「そうだったかもしれなないわ。あなたも渚も、歌とダンスが上手いのはわかってる。けれどね。」

落ち着きを取り戻したのか(というかもともと落ち着いていなかったが)未希はそのまま相手の言い分を聞いた。

「御免なさい。私達も先輩が事務所を出ていくまでは、同じ気持ちだった。ライバル心むき出しだったわ。」

「だけどもー、一生懸命追い越せるようになるまで頑張ったよ。」

隼人がそのあとに続けて。

「だからー、気持ちはすっごくよく分かる。でもそれを怒らないでほしい。きっと14歳になれば、後輩もついて来るようになるから。そしたらその時、いいアイドルになってるさ。」

「いや、もう今で十分いいアイドルじゃねえか。」

考輝は隼人に乗っかった。

未希の怒っている表情が、次第に笑顔に変わってゆく。絶対笑わないと思っていても、やはり無理だった。

「…そう、ですか。そ、それならいいんですけど。」

未希は照れながら、先輩らの言葉をしっかり受け止めた。そして希望ある未来が見えてきた気がしたのだった。

「いやあ~騒動は収まったわよ。こういうアイドルもいいわね!」

どこからともなく、聞き覚えのある笑い声がした。

はっと振り向けば、その人は…

「「や、やまさん!?」」

なんと、わざわざ学校までやってきたyamakoだったのだ。今日はいつもよりも数倍オシャレをしている。

「まさかやまさん、わざわざここへ!?」

「そうヨ。未希、でも覚えとくのヨ。私がここにいる理由も、あなたの退学を免れる為ヨ。そして、KRASHはバレたけれど今後迷惑をかけるな、と先程生徒に言って聞かせたてたのヨ。」

「い、いつの間に…。」

「とにかく未希、今後こんなことをしたら、タダじゃおかないわヨ。今回だけは、刑罰くは軽くしておくけど。」

yamakoが呆れ顔になっていると、未希は段々申し訳なくなってきて、

「ごめんなさい。」

と、ボソッと言った。それは誰の耳にも届いた。

「さ!これからレッスンヨ。早く行かないと遅れるワ。」

「で、でも!あの生徒をどうする気で…」

「私の力は強いわヨ。だから、何とか抑えられたから、明日から普通の生活に戻れるわ。普通どころか、余計信頼されたりしてね。2人も、来年5人のように立派になってね。今はつらいけど、それまでの練習をして。ね?」

「「はい!!」」

後輩2人は元気よく返事をした。

「ところで、どうやって知ったんですか?この騒ぎを。」

「フフフッ秘密ヨ。」

yamakoは口に手をあてて笑っていた。


その後、学園内は騒動もおさまり、社長によって5人の事も漏れないようにはなった。事件はこれで終わったのだった。

美図はそれをすぐに聞き、安心した。京介はというと、

「くだらんことだったな」

と呟いていたという。KRASHには疑われず、誰にも責められなかった。


最後に、未希は、KRASHは自分らより遥かに上の存在だった事に気づいた。そしていつか、早ければ来年には、ああいう素晴らしいアイドルになれるのだろうと、夢見ていた。

KRASHは後輩にそれを受け継がれる事を嬉しく思っていたし、期待もした。自分らは誰からも憧れとなる先輩を目指して。

これは何だかハッピーエンドに見えないのですが一応ハッピーエンドです。エンドではありませんが(エンドになれよ)

今日投稿を予定していた回は明日以降となってしまい申し訳ありませんでした。都合上間に合わなかった事はとても反省をしています。

ようやく「続く」みたいな回が終わってよかったです。書いていて思った事は、1話完結でないと余計下手くそが目立っているという事でして。

それでは!次回も宜しくお願いします♪


無個性さん作者脱退を目指すドキュメンタリー…なんかいいなあ。

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