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KRASH!  作者: 神無月楓
学校は生徒会ガード
43/88

秘密が知られた日の謎

どうもこんにちは、神無月です。

2週間もお休みしていてすみませんでした。連載もストップして、もしかしたらもう連載しないのか!?とも思われたかもしれませんがそんな事は無いです。次にこのような長期に渡っての休みは、またお知らせすると思います。

■注意■

•今回久しぶりなので、グダグダが酷いです。(?)

•誤字があった為再投稿しました。それでも不自然な文章又は誤字、脱字ありましたら教えて下さい。

•呼び名とあだ名がキャラによって多少違うのですがそれがごちゃごちゃです。誰が誰だか分からなくなるかもしれません。

•「」が非常に多いという大問題w

•久しぶりなので書きたくなったネタ…1.桜の見せたくない姿 2.BBBネタ 3.美図のかっこつけ

•上記の事を入れたかったのもありましたが、休んでいたので普段の倍の長さの文章です。ストーリーの進みは遅いですけどw


では、お暇がありましたらどうぞ!

(そんな…。未希は酷いよ。あまりにも見てなんかいられないよ…。)

渚は心の奥がズキズキ痛む思いのまま、自席に着いた。このまんま、あの子はどうする気だろうって、それも分かっていた。


その日の6時間目が終わり、それぞれの学級で行っている学活と清掃が終わると、未希は先生が補習の生徒に目を向けた隙に、教室を抜け出した。1年C組の教室はすぐに大きな廊下と繋がっているので、早足で行けば2年生の教室もすぐに着く。校則も破って、未希は走って外に飛び出した。

「あれっ…?み、未希、今日の補習どうすんの?」

長い廊下の途中で、教科書を抱えたクラスメートの友達に出会っても、

「ごめ~ん今日は行けないから自習室行きますっつっといてー。」

という軽々しい言いよう。友達の方もスタスタ通り過ぎていく未希を驚いて見詰めていた。

「え?未希ってば、何で2年の方に行くの?」

「さあ?彼氏でもいるんじゃない?」

「えーっ!?ウッソー!年上彼氏ー!?やったじゃん~。」

未希の友達たちは、本人には聞こえないよう囁きだした。口々に言い出すと止まらず、やがて悪口のように変わっていった。

かといって、それ程不信感をもった友達はいなく、未希の怪しげな行動を特別おかしく思う者もいなかった。いつもの事だ、と疑いもしなかった。


その一方で、未希は友達とは逆の方向へ突っ走る。

「ははははは!!うまくいきますよーに!」

ひそひそ言っている他の子達など殆ど相手にしちゃいなかった。自習室で勉強する気なんて、もっと無かった。

自分はただ、計画をそのまま実行する。それが出来なければ、同級生となんて一緒にいる意味がない。彼女は冷たい目で見られているのに気付けなかった。


「おうい!京介!」

「んだー?」

「先、音楽室行ってるからな。…あれ?」

赤坂京介の居る2年A組はちょうど、次の時間が音楽の授業。それも教室から少し離れた第1音楽室での合唱の授業だ。

「もう行っちまうからな!」

音楽のセットを全て入れたバッグを持った京介の友達が、急ぎたいとばかりに言う。

「…ああ、先行ってて。」

昔なら立場が入れ替わって、自分が人を置いていったであろう、しかし今はそんな事を一々考えているのも面倒くさい。京介は教室から次々人が居なくなるまで、最後まで残って探し物を探していた。

(あれ…。教科書どこやったっけな。)

電気も消されて暗くなる室内に、ロッカーの中を探して1人残された。

(ま、いい。そのまま忘れた事にしよう。)

教科書の事は諦めて、教室の外に出ようとドアを閉めた。京介が時間を急いで廊下に出た時。

「京介、待って!ほんっとに!」

「…?」

明らかにこの人の呼び止める声だ、それが分かった京介は瞬時に後ろを振り向いた。

「…何の用だ。」

「…また、話があって。」

「あ?こっちはこっちで、これから教室移動だぜ?何を言いに来た。」

未希の姿が見えると、面倒くさそうに京介は向き直った。

未希は「うまくいきそうだ」と確信し、続けて“例の作戦”の説明を始める。

「実は、あの5人の…」

京介が耳を傾けてもいないうちから。


簡単な説明が終わると、聞いていた京介は呆れた顔をした。

「…は?お、お前は何をしてほしいんだ?」

「だから、学校中にその話を広めてほしいの!」

未希はわざとらしく京介の腕を引っ張ると、納得してくれるようにせがんだ。

「そんな事出来るわけないだろ!…俺もう行くからな!」

「そんな事言わないでよ~。お願い。」

「…」

京介は黙ってその場を立ち去った。時計に目をやった時は、とっくに授業に遅刻していた。未希の言う話だって理解できないわけではない。ただくだらないと思うだけ。

これから校内で騒動が起こる予兆だったなんて、この時の彼には分らなかっただろう。



次の日。


「はあ~もう雨ばっかだね~。」

季節は6月半ばになって、外は毎日雨で時々曇りという程悪い天気が続いていた。

じめじめした環境にじめじめした天気で、イライラも募る。

自分の部屋の窓からそんな天気を眺めていた明莉は、朝早く先に部屋を出て行った桜を追いかけるように礼拝へ行った。

「あ~もう、早いよ行くの!」

明莉は時計を見ながら少し慌てた。「待っててくれたっていいじゃん、外の大雨が気になっちゃったくらい」と愚痴りながら、バタンと部屋のドアを閉めた。

既に寮内の廊下には、外に出て行こうとする生徒の行列が並び、幅が広めのここの廊下に、どこからつながっているんだというくらいの長い長い列ができていた。そして朝からガヤガヤ、生徒達の喋り声で埋め尽くされていた。

明莉はというと、その様子を気にせずにズコズコと割って入った。

「ちょっと、いい?」

そうして堂々と列の中に入ってゆく明莉を見ていた周りの生徒はざわついた。

(仕方ない、あたし生徒会だから早く行かなきゃいけないし…優先!なワケないか…)

彼女本人は割り込みなんてダメに決まっている!と自覚していたし、周りに白い目をされても無理がないと思っていた。しかし、周囲で明莉をじろじろ見ていたのは、明莉の様子を変だと思ったからではなかった。

「ね、やっぱりそうだと思った。」

「似てるもなにも、ねえ。あれじゃあ隠しててもムダ?」

「だよね~。てか、あのAKARI達がこの学校に居るなんてね~‥。噂は本当だったね。」

それは、あの本人以外の、全てのKRASHファンにだけ聞こえた囁きだった。明莉は気にもせずに先へ進みきって、そもそも聞かずにやっとのことで寮を出れたという気持ちでいっぱいだった。

「シッ!そんなんじゃ、気づかれちゃうよ!声小さく!」

「ごめんごめん。」

すると、女子らがギャーギャー笑いながら騒いでいるところへ突然前に突っこんでくる人が現れた。

「ちょっと待った!!」

身動きとれず固まる女子生徒に立ちふさがるように、何と美図が現れて目の前に立った。

「な、なによ。天新君じゃない。」

ムスッとしたくなる気持ちを抑えて美図は頷く。

「美図君、どうしたのー?」

別の子にそう聞かれるのを待っていたかのように、美図は長めの後ろ髪をわざとなびかせてこう質問をした。

「君達、KRASHの情報を誰に聞いたんだい?」

「あーそれの話ー?てっきりデートの誘いかと思ったしー。」

ふっ、やっぱり女子はこうなのか。美図は内心頭に来ていた。呆れた様子をするのも、モテるためのテクニック(彼曰わく)ということでわざとらしく目線を下に逸らして、答えを待った。

「私はねー、確か…A組の男子に聞いた。」

「ふむふむ。(A組…?)」

美図は頷いている仕草をした。しばらく情報入手の為に演技をしてみようと思ったのだ。ちなみに彼は芝居のテストは点数が高い、才能の持ち主。

「あいつが夜になってからさぁ、先生の目を盗んでは言いふらしながら歩き回ってるもんだから…聞きたくなくても耳に入っちゃうよねー。」

1人の女子が、同情されるように隣の子の顔に目を向けながら話した。隣に居た女子も「そうそう」と頷きながら聞いていた。

美図は小さな手帳にメモをしていくと、すばやく書きながら再び質問をした。

「で、勿論だけど聞かせてもらうよ。分かる範囲でいいけど…A組の男子って誰?」

「え、ああ。誰だったか覚えてる?」

1人の生徒が隣の生徒に尋ねる。

「確か…不良じゃなかった?2年の中でも一際目立つ不良。髪染めて暴れまくってる奴。」

「不良?」

美図は聞いた。

「そ。不良よ。ほら知らない?学校の中で大騒ぎになるくらい人を困らせてたの。よく退学処分にならなかったねってくらいよ。」

「見た事無いな。」

「えー!?知らないのー?天新君可愛い~。」

女子から大げさに笑われても、美図は我慢して照れ隠しをしてみせるのみ。本当はA組の“退学ギリギリの不良”くらい知っている。

現に、その不良ー‥赤坂京介とは会っているのだから。

と、ここである女子が気まずそうに言った。

「で、でもさ。私の記憶が確かなら、あの人前と髪型違ってた…。色も黒っぽく戻ってたし、制服の乱れも直してたし…生徒会の人と自習室に入ってったの、見たの。」

ここで分かった事といえば、この女子の証言からして、公にはまだ京介は“不良の生徒”という印象になっている。そして“名前はどうでもいいからそれは知らない”という扱い。だが、一部では「何か不良じゃなくなってるような?」という事になっている。それがこの事件の“実行犯”の動き。

赤坂京介は、実行犯だった。KRASHの秘密を明かしてしまったのだ。

美図は自分の推理に誇りをもった。

「そうかそうか。有難う。最後に聞いてもらえるかい?」

「うん、どうしたの?」

「くれぐれも、KRASHの写真を撮ったり本人らを傷つける事を直接言わないように。そして、そういう人を止めるように。そしたら、僕のデートに連れて行ってあげる。」

「えー!!ホントにー!!分かった!約束する!!」

興奮状態に陥った女子のグループは、キャーキャーわめき騒ぎ立てながら美図の横を通っていった。

「実行犯はあいつで間違いない。だけど、実行しただけ。やはりあの1年が…。」

美図は陰からこの事件を阻止すると決めていた。もし美図が派手にKRASHを守ったりなんてしたら、京介は美図にバレないように実行しただろう。それをあえて遠くから阻止する事で、邪魔者だと思われずに作戦は実行された。おかげで美図は、事件に立ち会うことも出来たし、京介らしき人が言いふらしたのも目撃した。

「じゃあ何故僕が、わざわざ犯人を聞いたのかって?それは…本当に赤坂京介だったのか知りたかったからさっ!」


礼拝が終わって、直ぐに教室へ戻ろうとする桜。

「…うう。お腹痛いー。どうしよう。トイレ行きたい…。この私が…何で早朝に起きたそのうちに行かずに我慢なんかしちゃったの…。」

今にも泣きそうな顔をして、桜は腹を抱えてしゃがんだ格好で校舎へ行った。彼女からすれば、これほどダサい事はない。

「ううー。」

すると、大勢の生徒が通る中で桜に、

「大丈夫ー桜ー?」

と優しく声を掛ける人がいた。

「あ、ありがとぅ。だ、大丈夫ょー。」

慣れた様子で作り笑いを浮かべて、逃げるように出来る限りの早足をした。

桜か通り過ぎてから、心配した桜の友達が心配をしていた。友達を置いて腹痛から逃れる桜を指差して。

「まあ普段の仕事もあるから、疲れてるとは思うけど。」

「無理しないでねって言ったら、ダメだったかなあ?」

「それは禁句だよ~。」

結論として桜の友達は皆、「大丈夫桜ー?」ではなく「大丈夫ーSAKURAー?」と言ったのである。この人たちも一瞬にして伝わった“KRASHの秘密”によって知りえたのだろう。無論、腹痛の桜には、聞こえていなかったが。

桜目線でいう、長~い道のりを速足で駆け抜けて。

「はあ、着いたー。トイレトイレ~!!」

桜はA組の教室が見えてくるなり、トイレが目に入った途端に天国が近く感じた。

「こ、こんなはしたない姿!見られてたまるものかっ!!」


ちょうどその時、A組の教室には。

「おうい、姉…杏野委員長居るかー?」

何やら人の目を避けながら慌てて来た考輝が訪れていた。めったに焦りを見せなかった考輝でも、周りを気にしながらA組教室前に待機していた。


「ほんとに、ホンットに大変な用なんだけど…居ねえなあ。」

考輝の後ろには、沢山の“ファン”が追いかけてきていた。この時の考輝は、状況理解に苦しんでいる最中だった。何故こんなに何十人と押し寄せてくるのか。明らかに自分に。自分やKRASHメンバーに。

しかしカンが鋭かった考輝は、まさかと思ったのだろう。

「ふう~。」

待っている間にも人が押し寄せて来ると、やっとの事で桜もトイレから出てきて、少し安心して教室に入ろうとした。

「お、おい!桜!」

「?あら、どうしたの。」

考輝が背後に群がっている2年生徒とドアとの隙間に押しつぶされそうになりながら声を掛けた。いや、そんなものではなかった。

「どうしたって、もしかして知らないか?」

「知らないって、何が?」

桜がハンカチで手を拭きながら、その生徒の群れを遠巻きに見た。たちまち桜を見つけた生徒たちの視線は杏野桜…SAKURAに注がれる。

「それに、この集団。邪魔以外のなにものでもないね。」

「ひっ人を物のように言いやがってる…ま、まあ今日はそれどころじゃねぇけど!今の用はこれについてだって!」

考輝は肩や腕を掴まれ引っ張られ、苦しそうにもがきながら、ドアを引っ掻いた。

「大変なことみたいね。」

「大変にきまってるだろ!いいから、取り敢えず助けてくれ。話はその後でも十分話せるから。」

桜は物凄く不思議、という様子で首を傾げて、埋もれている考輝にそっと手を伸ばした。

「重っ!」

「うるせえよ!」

向こうにとられそうな考輝を懸命に助ける桜は、このまま安全地帯を目指して走りだした。考輝も「こっちだ!」と誘導し、誰も追って来れないような場所へ急いだ。

心臓の緊張が絶えず、2人は突然現れた大勢の追ってから逃げた。


「というわけで助かったけども…。」

考輝がA組教室から離れて、2年生用の生徒ラウンジにあるベンチに座った。

「ここなら、あいつらも追っかけて来ねぇだろう。上級生だって使ってるんだから。他学年のフロアなのに。」

考輝は周囲を振り向き、誰も人がついてきていないのを確認した。

先ほどとは違って、足音さえしない位の静けさだった。

「ね、ねえ何でそんなにも周りを気にしてるの?そんなに聞かれたくない事?」

「そりゃあそうだろ。」

もう考輝には笑顔はなかった。あの人混みで散々だったからだ。

「何故ってー、KRASHに関わる事だぜ?」

「!?」

そう言われて桜も、ぼんやりしていた頭がようやくクルリと高速回転した。彼女の脳の動きは、一度動けば止まる事を知らない。

フル活動し始めた頭脳が真っ先に思いついたのは、当然良からぬ事だった。

「それって、あの人の数からすればまさか。まさかあの事になったとか?」

「そうだ。そのマサカだ!」

それは隼人の声だった。

わざと強調して苛立ちを見せながら…。

あんな混乱した時の中で考輝に呼ばれた隼人は、始めこそ事件を把握してはいなかった。

ラウンジまで無事に逃げきれたのは奇跡であろう。隼人は俊足を生かし生徒たちを寄せ付けなかったようだ。

「最悪だ。このガッコウじゃ俺達も終わる。」

「隼人の言う通りだ。こんなになったら最後は世間でも大騒ぎになる。俺達がここに居る事でなく、ファンが何かし始めたらニュースになっちまう。」

「待って。」呼び出したといていきなりの退学の話しかけてを持ちかけられた桜は、頭の整理をするのに必死。

「えっと…2人はバラされたのが分かったの?私は全然だったけれど…。」

「2人じゃないぜ。」

この上なく暗い涼太が、3人の会話に突如現れた。彼も隼人と同じく、事件のさなか逃げてきた1人。

「クラスメートの女子に追っかけ回されたから。意味分かんない。」

涼太は制服のズボンをはらいながら文句を言い続ける。普段はきっちりしている涼太の制服も、動きにくいのに走ったためかシワだらけに。

「俺ら3人はー、少なくとも男子にはからかわれた。んまあ、涼太はど•う•せモテるから女子ばっかに追いかけまわされたんだろーけど。」

「おま、何を言ってるんだ。」

考輝がなんだかんだウッシッシウッシッシからかってるような気がする、桜は見ていられず肩をすくめた。

「え、じゃ、じゃああたしもドーンと派手なコトしてたケド、結果として他の子からすれば…ドーンとAKARIが目立っただけ…。やだぁ~!!」

グダグダな4人の中に走って割り込んできた(?)明莉は、お得意の効果音付きの説明をしながら驚いた。そりゃ、あんだけ目立つ行為をすればアピールと勘違いされるだろう。

「明莉、お前何をしたんだよ。」

「寮内で、色々とね。」

明莉は照れ臭そうに答えたが、事の重大さを分かっていない明莉に構う者はいなかった。

「とーにかく!」

隼人が取り合えず出した大声で静かにさせた。

「これさあ、ネットに出されてみ?今日の恥ずかしい出来事呟かれてみ?恐ろしいよな、これ。ま、俺はかえって目立つからいいけど!」

「目立ちたがり屋め!」

全員のツッコミまでもスルーして、隼人は真面目に4人に伝える。

「けどこれ、昨日は何もなかったよな?」

これは、尤もな事だった。とんちんかんな隼人の発言なのに誰もが「うん。そうだった」と反応を返せる程、本当の話。

「俺らが昨日、ダンスレッスン行く所までは多分、何もなかったよな。」

考輝が持っていた大学ノートの切れ端にメモをしていく。切れ端にメモするのが好きなのかいつも紙をやぶく。

「という事は?私達がいなかった間に流れたって事?」

「そういう事だな。」

全員が「うーん」と考え込み、次に何か言おうとすると、「いつだろうねえ~」に。

長考しても明莉が珍回答をしていくだけで、まともな意見が無かった。

しばらく考えて考えて、そして時計を見ては朝のホームルームの時間に徐々に近づくのが分かる。

「じゃあ夜のうちにバラされたっていうのは!?」

考輝が立ち上がると、4人は「それしかない」とため息をつく。

「夜しか反抗する時間が無いのは分かるんだ。ただ…。誰がこんな事をするか、だ。」

「そんなの、他の子に聞けばいいじゃん。」

明莉の真剣さに欠けた考えは、考輝を困らせた。

「おいおい、あんな騒がれてる中でか?」

それを言われたら終わり、明莉にはもう考えは無かった。


何時間か前の寮の男子側…

「おい、早く行くぞ。置いてくぞお前。」

「ごめんごめん。」

朝、隼人ら3人は一緒に部屋を出て、礼拝の為に一旦寮を出た。ガチャリ、とドアを閉めて、自分らの部屋からそのまま真っ直ぐ続く廊下を通るまではよかった。

しかし。

「何か騒いでんな。」

「楽しそうだぜ。行ってみよう。」

男子側のとある一角で起きた悪夢は、楽しそうでも何でもない。

見た瞬間に、考輝が

「おい、俺も入れてくれー。」

と声を掛けたその時だった。

ダダダッと勢いよく走ってくる足音。

「見ろ!BBBだ!!」「やっぱ似てんな!」「バーカ本人なんだっつーの!」

男子生徒の1人が3人の肩を後ろから掴んできて、

「へえ~。お前らいっつも放課後空いてないなと思えば、アイドルさんか~。」

「なんだよ、てめえ。」

考輝が掴んでいる手を振りほどくと、男子生徒はもう何人も仲間らしき人を連れてきては、周りを取り囲んだ。

(これ、ヤバいんじゃね??)

(涼太、俺だってこれがいい戦況だとは思ってねえよ。あの主力だってヤバい感じだろ?)

(んな事言うなよ…!何が主力だ、考輝こそ作戦計画はやってるんだろうなあ!?やってなきゃ俺こいつらに●されるって!)

そういう会話を目だけで交わしつつ、相手の動きを読む3人。まずい、こいつらに絡まれたら。

なんといっても、京介が不良をやめて以来新たに君臨した「新政党」のようなものだ。

「すみまっせーん!!」

ダッ、と3人は取り囲む彼らをよけて、そのまま走って逃走した、という事なのである。


「男子が世にも面倒くさい生き物だって初めて分かったけど、女子もっと面倒くさい。」

「ほんとだよ~。死ぬかと思ったわ。」

考輝が思いだして震えると、涼太は辛かったとばかりを語り出す。

「涼お前は違うだろ、女子に追いかけられて嬉しいだろ、だか」

「うるさいぞお前ス●ラップにするぞ。」

「いいから。」

桜はBBBの私語を止めるタイミングを完全に失った。

「これを考える必要があるわ。誰の仕業なのか。そして…今日は生き延びててね。」

「楽しそうだな!」

こういう戦闘系の遊びが大好きな考輝はたちまちウキウキし、明莉は逆に笑顔をなくし不安な顔をした。表情が逆転してしまった事に対して涼太は吹きだしそうになった。

「ええ…。頑張る…よ。」

「生徒会である以上、逆らうのは許さない!自覚を持つ!皆を束ねるのが生徒会であり私達に与えられた使命!皆、気をつけるのよ。誰に何をされるか、注意ね。」

桜は4人へも、自分へも呼びかけた。

「何かあればメンバーの誰かに必ず報告、よ!」

「わかった!」「リョーカイ。」「ラジャーっ!」「了解。」

きちんと4人分の返事が返ってきたのを確認し、5人はラウンジから再び、教室の方へ「わざと堂々と」入っていった。

ここからは、俺たち5人それぞれの戦いだ。絶対にやられるなよ。今日を生き延びろ…

そんなメッセージが、どこからか聞こえてきた。


「よし、うまくいってるわね。有難う渚、京介。」

「ほんとに、これでいいの?」

「いいの。…京介、私が頼んだのに言うのも何だけど、まだ不良だと思われてるみたいね。」

「そうさ…仕方ない。もし俺でなくとも、同じ現象が起きてたさ。」

「そう、京介。1人でやったの?」

「勿論。」

「凄いわ…私やり方には興味ないけど。凄い。渚はどうやって?」

「日々KRASHを見ていたから、いつの時間がレッスンで居ないとか、把握できるものなの。」


「なんだ、2人ともKRASH嫌いじゃないのね。」


未希の問いかけに、京介も渚も黙りこんでしまった。

何でこんなに長くなった。

色々とどうしたんでしょうね、今回(いつもか)今はケータイ版のみしか文章の確認をしていなかったので、パソコン版からは醜い…(違う)見にくいかもしれないですがお許し下さい。

次回いつ投稿がめどを立てていませんが、何となくKRASH目立たないかな!?という予想です。

新キャラがKRASHより目立って調子にのっている件。

これは何よりの反省点です。

▼6/25更新

確かによく考えたら色々と他の漫画等に似ていたりも見えますが、少なくともこの小説の設定は、前からあるので似せたりしていないです。私自身も何が何を使ったかどうかは自覚できない状態にありますが…。ご指摘有り難う御座いました。


それでは!読んで頂き有り難う御座いました!

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