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KRASH!  作者: 神無月楓
スプリングの超多忙生活
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BBBでいこう

会議翌日、コンサートの練習が何ヶ月か前よりハードになり、ダンスなんか特に厳しい特訓を受けていた。

今日は放課後すぐにそちらへ向かって、あっちへこっちへ5人は忙しく街をぐるぐる。下手すりゃマイペースな社長さんより動いたかと思うほど。

普段電車であっちへ行ってこっちに帰るというのを日々している。そりゃあ中2だから勉強も忙しいけれど、そこは秀才5人うまく両立しているのが不思議はところ。

スタジオに着き、5人が準備や自主練習を鏡の前で行って、音楽かけてんのに喋りまくってる人。


それら全てを、部屋のドアの隙間から誰かが覗いていた。

誰か達と言うべきか、複数いたから。

「おお、やってますね社長~」

「フムフム、感心したヨ!!」

覗いてはyamakoに話しかけ、また覗くという行為を繰り返ししているのは、同事務所の後輩、同じ学校の1つ下、NAGISAだった。

「いやあ~それにしてもよく頑張ってるヨ。無理しなくていいとは言ったけど、ここまで努力してるなんて偉いねえ。」

5人を心配して、それでいてyamakoは安心していた。隣ではNAGISAが囁いた。

「…私もKRASH入りたい。」

「だっダメヨ!…なんか御免なさい、気を悪くしたのなら。でもね、KRASHにNがどこにも当てはまらないの。抑1人で十分売れてるじゃない。渚ちゃんのファンは沢山いるんだから。自信持って!さあ練習行っておいで!」

yamakoはNAGISAの肩をポンと叩いた。

(何このお母さんと娘w)NAGISAと呼ばれる寺川渚は、何しろ才能の塊のような先輩と一緒なのがとても不安だった。こうして社長のもとへ度々訪れるのも、人見知りとか自信の無さからきていたからだ。社長はそれでもずっとKRASHの新メンバーとしては受け入れることもなく、応援し続けていた。


練習の休憩時間になり、汗を拭いて気合いを入れ直した桜は、真っ先に先生のもとへ直行。理由は、渋々賛成したBBBのパフォーマンスについて。

「今からじゃ、遅いですか?」

「遅い訳ではないけど…」

先生も少し考えこんで、それから3人をちらりと見た。

彼らは彼らなりに努力をし、おかげでデビューしたての頃の鈍いダンスも成長した。元々賢い為振り付けなんて直ぐ覚えちゃうんだろう…先生はそうも考えていた。

すると、ひょこっとドアが開き、yamakoが早く出たがっていたかのように飛び出した。

「そー言うと思ってずーっと待ってたわヨ!」

「その前に、居たんスか。」

結構軽蔑した目で、考輝はyamakoを見た。

「え、ええまあそうヨ、いっつも見ていたんだから♪」

「どこで?」

一斉に倍になって飛んできたミサイルのような感覚。

「そ、そこ」とyamakoも指差しだけにしておいて、後は喋らなかった。

「で、何を待ってたんですかー?」

「桜ちゃんの話ヨ!いい提案をしたのねえ皆で。この5人だと意見纏まらないんじゃないかと思ってドキドキしてたワ♪」

言われたことが図星だったことも、全然心配してる風でもないことは、勿論全員黙った。

「そ•こ•て!予めBBBが出るのを想定して、歌う曲もダンスも衣裳もステージも全部決めておいたんだからっ♪」

「あのー、語尾にうぜーの付けるのやめてもらっていいスか。」

考輝が照れ隠しにそう言う。

「ったく変わらないわね~考輝は。あんまりにもキャラがつくられ過ぎてもダメヨって教えなかったっけ?」

「聞いてなかったっスよ。」

考輝は渡された衣裳を着ながら、ぶつぶつ答えた。

「涼っ太くーん、アナタはちゃんとソロもあるけど!BBBとしても真面目にやってね。ハイ、隼人!アナタ一番人気なんだからね!」

「それはヒドい。」

考輝と涼太にはあまり嬉しくなかったようだ。涼太はyamakoから期待されていないと思いこんでしまったらしく。

「ともかくBBBはもう準備とか進んでるから!先生も遠慮せずに。この子逹は絶対やりぬきますから。」

yamakoは最後にそう言ってウィンクをして、この部屋を立ち去って行った。

「ほんと社長ってへんなの。」


女子がそう思っているが、一方で男子はとうと、ウキウキしてワクワクしてドキドキといういい響きの感情ではなかった。これはいいんじゃない。悪くもない。

「うおっしゃー!!腹踊りやれよ?」

「やだよ、お前やりゃあいいじゃん。」

考輝には笑いがこみあげてくる。幼い微笑みで涼太を攻めるその様子は、デビューの時から変わらない姿である。

3人の休憩=大暴れの時間という解釈から直していった方が良さそうだ。

「じゃあアレか?去年みたいにマイク壊れるくらいひたすら叫びまくるか?」

いかにもお前やれよという隼人の顔に、考輝も黙ってはいなかった。

「じゃー何、お前今年は愛を叫ぶのか!」

「そんなわけねえだろ。」

暴走し出すと止まらない、バカなBoy…それがBBBであり、文字通りのヤツらだ。

「w」や会話文一部を直しておきました。(2013.4.19.)

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