すずらん祭ステージ 1
あなた、どこかでお会いしましたっけ?神無月です。
この話、以前は別でしたが、あるキャラクターか登場するにあたり、本編のみを読んで下さっている方だと「いきなり登場!?だれこのキャラクター?」ということになってしまうので、本編にそのまま割り込みです。なので途中抜けます。この回の次が全く関係のない回になっていたりしますが、割り込み投稿を行っておりますので、大丈夫です。多分、連続投稿をしたので穴空きにはなってないと思います。
「おっす!」朝早くから気合いを入れて1番に公園に来たのは、隼人。
「おっ早いね~流石KRASHのリーダー。」
野外ステージ裏で作業の手伝いをするyamakoは感心していた。
「いやぁ、偶々早起きしたもんで。」
隼人は喜んで力仕事の手伝いに回り、物を運んだりした。
ここは鈴蘭町。5人の自宅と、小学生時代に通っていた学校がある、都心から離れた故郷。東京でもわりと自然がある地域に、ここらで有名な大きい公園が存在する。
自然豊かで、野鳥観察もよく行われていて、季節によって町の人たちがイベントを開く、憩いの場になっている。
そんな所で、一体何故5人がこの[すずらん公園]へ来たのか、というと…
それはある思いつきではなかった。
4月某日
「やまさ~ん。春だし、コンサートまでにまだ時間あるし、少し緊張感なくす方法とか無いですか?」
ここでもいっちばん早く教室へ来た隼人は、忙しそうにしているyamakoに相談を申し出た。
「何それ~。春関係無いじゃない。」
「でもでもでもでもでも!緊張慣れしたいなーと思ってたり。」
そんなときでも、決して事務所の可愛い子供たちを見捨てない第2の親となるyamakoは、聞き捨てたりしなかった。きちんとその要望は叶える努力をしよう、と手を止めて考えた。
「~そうねぇ、何かしらしておきたいわよねぇ。でも最近、困っててね…。」
「不景気ってヤツっスか。」
いつの間にかyamakoの横に居た考輝が、甘えてくるような目で言った。
「そっそんなんじゃないわヨ!ただねぇ、最近ごまかしがきかなくって。学園内では段々とKRASH在学の噂が広まってるわけ。私もネットで見かけたら炎上する前に止めてるんだけど。」
「へぇ~、ネットかぁ、やまさんそんな事するんならこうした方がいいですよ?」
既にyamakoよりも背が高いから、見下ろしつつ気を遣う涼太の姿が考輝と逆の位置にあった。
「何故ネットに反応するw…BBB、まさか。本当は何かしたい事があるんじゃないのお?見せてごらんなさい。」
yamakoが手を差し出すと恥ずかしがる事なく隼人が、
「ふふっ」
とはにかみながらある1枚の紙を出した。
「これですよ、これ。」
出されたのは、普通の大きさのポスター。yamakoは「フムフム」とそれに目をやった。
中に書いてあるのは、普通ではない。
「やまさんなら、きっと力あるから~出来るかと。」
(これは…?)
その内容と、見出しをよく見て、以前の記憶を蘇らせる。
「何々、[すずらん祭]?参加サークル募集中?」
yamakoは表情に出さなかったが、それは何かに引っかかるものがあった。
「聞いた事あるわねえー。」
わざと引いて、尋ねてみると、考輝が即答。
「僕らの家の近くの公園で毎年やってる行事というか。まあ地域の祭です。」
勿論yamakoも
「へぇ~、意外だわ、3人が珍しくこういうイベントに出たいというのは。」
と感心した態度をとってみせたが、yamakoだっていつか早いうちに彼ら5人を野外ステージに立たせたいと思っていた。
そもそも、yamakoだって鈴蘭町に住んでいたくらい、あの辺は縁のある場所なのだ。5人が野外に立つのは、自分も嬉しい。
自分は立つ程、勇気がなくても。
「…分かったわ。考えておくわヨ。出場、してみましょ。それの許可くらいは難なく出来ますから。2人にも言っておくわ。確か空いているらしいから。」
「早い…さっすがやまさん。」
「あまり嬉しくないわねww」
yamakoはポスターのシワを伸ばして、部屋の隅の壁に貼っておくと、3人にはOKといい、レッスンに入るように言った。
「楽しみね…。それも。」
で、今10:00。
「全員揃ったかしら?」
軽めのリュックサックとかバッグを持ってきた5人は、「はぁい」と大きな声で返事をした。
「まだスッピンでしょ、友達に会わなかった?」
「大丈夫です、裏道を5人けなげに通りました。」
桜は笑って答えた。yamakoも一安心。
「そう…。ならいいわ。」
バレないように、女子2人はいつもより少し派手な髪型にしたり、簡単に落ちるメイクをしたり雰囲気違う服を着てきた。(明莉はコスプレの時もある)しかし男子は変装も大変なので、フードを被ってきたり寝癖を酷くしたりサッカーウェアを着たりしてカバー。
「今日もすっごい変装。動きはの説明詳しくしてないけど、夏コンの動作Aと同じだから。」
「はぁい!」
「では、頑張りましょう!」
水無月先生も張り切って言った。
「「頑張るぞぉ~、オーッ!!」」
勢いよく、気合いの入った円陣だ。
出番のプログラムまで、もう少しだ。
疲れがたまる…という意味深なメールがきたんですね、で?私はそんな気持ちでしなたけど。よい心をお持ちの皆さんは決してそうは思わないでくださいね。ではメッタ斬り!ではなく光の速さで連続投稿いっきまーす。




